事業開発の"速度を圧倒的に変える"ソーシャルセリングの考え方
初めに
こんにちは!CROHackです。
事業開発を行ってもなかなかスケールしない…
事業開発のスピード感に課題を持っている…
このようなお悩みを抱えている事業開発責任者の方は多いのではないでしょうか?
今回の記事はそのような企業の方々に向けて、近年新しいBtoBのマーケティング方法の1つとして注目されている「ソーシャルセリング」に注目し、
①事業開発にソーシャルセリングがどう役立つのか
②ソーシャルセリングがより効果的になるサービスの特徴
の2点についてまとめさせていただきます。
ソーシャルセリングとは何か
ソーシャルセリングの特徴
まず初めにソーシャルセリングという言葉に聞き馴染みのない方も多いかと思いますので、ソーシャルセリングについて解説いたします。
ソーシャルセリングとは「SNSを活用し、直接顧客と交流し、顧客の信頼残高を積み上げることで購買行動に導く」方法のことで、具体的には下記の3つの流れで行います。
日本ではまだあまり浸透はしていないものの、アメリカでは営業活動として多くの企業がソーシャルセリングに力を入れており、営業人材の70%以上がソーシャルセリングを導入しています。(引用:Linkedin.Sales Solutions「State of Sales in 2016」)
SNSマーケティングとの違い
類似方法として、「SNSマーケティング」があります。
SNSマーケティングは、SNSを通じて認知拡大やファンの獲得、ブランディングなどを行うマーケティング手法の一つです。
多数の潜在顧客へのアプローチを目的としており、ターゲットが幅広い
自社サービスの認知度向上やブランディングが主な目的
潜在顧客の育成や購買促進に活用
SNSのユーザーから、ターゲットとなる関心や繋がりを持つコミュニティに対して、口コミやレビューなどのUGC(User Generated Contents)を作り、拡散できることが強みです。
それに対し、ソーシャルセリングは、
見込み客や既存顧客と直接交流による営業活動を行うことを目的
見込み客と直接1対1でコミュニケーションを図り、顧客の信頼残高を積み上げることで購買行動に導く
購買や契約などの具体的な行動に繋げることが目標
といった特徴があり、SNSをキッカケとして、実際の購買行動にまで繋げるところに大きな違いがあります。
事業開発においてソーシャルセリングはどのように活用できるのか
ソーシャルセリングについてご理解頂けたところで、ここからは事業開発という文脈の中でソーシャルセリングがどのように役立つのかを詳しく解説いたします。
具体的には、以下の3つのポイントで活用することができます。
顧客ニーズを事前に確認することができる
顧客からの口コミで顧客を増やすことができる
業務委託を採用し、事業の急拡大にも対応できる
1.顧客ニーズを事前に確認することができる
新規事業を立ち上げる中で、多大な投資をしてプロダクトを開発したものの、いざ営業を開始すると思うように売れずに撤退してしまったという経験や、もしくはそれを防ぐために3ヶ月、半年、1年かけて仮説検証を行ったという経験がおありかと思います。
ソーシャルセリングを活用すると、プロダクトを作る前にSNSを用いてニーズ把握を即座にすることが可能になります。更には、反響がわかるだけではなく、実際に購買につながるかどうかの検証までその場で出来てしまいます。
実際に、ソーシャルセリングの第一人者であるウィルゲートCOO吉岡さんがニーズ調査としてFacebook投稿でアンケートを実施した所、1投稿で47人の方から問い合わせがあり、16社にヒアリングをしながら営業したところ、75%と高い受注率で契約を獲得できたという事例がございます。
このように、ソーシャルセリングによってアイデアを思いついたらすぐにアンケートを投げて様子を伺うことが出来るようになるため、新規事業におけるハードルを格段に下げることが出来ます。
※ウィルゲートの吉岡さんについては、こちらの記事を御覧ください!
2.顧客からの口コミで顧客を増やすことができる
またソーシャルセリングでは、利用開始したファンはそのコミュニティの中で様々な発信を行うアクティブの形で参画していくことになるため、一方的な売る人と買う人という関係性ではなくなってきます。
SNSのtoBの繋がりが多い人に対して投稿をお願いしていくリファラル営業のような形で顧客の紹介が発生したり、逆に自分から顧客のサービスを紹介するギブ投稿を続けることで顧客の方から自主的に投稿を試してくれる、顧客を紹介していただく、ということも可能です。
一人の顧客に投稿していただくと数十人規模の紹介に繋がるため、段違いのスピードで事業拡大をすることができます。
3.業務委託を採用し、事業の急拡大にも対応できる
事業拡大を急速にできたとしても、リソースに課題があり、対応出来ないという方も多いのではないでしょうか?その場合もソーシャルセリングで解決が可能です。それは、SNSを採用にも活用することです。
このときのポイントは、正社員よりも業務委託の方やプロ人材のようなフリーランスの方の採用を狙うという点です。
SNSで呼びかけるため、正社員の方は大衆の面前で「興味がある」と伝えることで、同社からの転職意向を知られてしまいますが、フリーランスの方は自分の稼働時間をできる限り埋めて収入を増やしたいと考える人が多いため、SNSでの募集投稿でも比較的手を挙げる傾向があります。
正社員採用を進めるとなると正式な入社まで3ヶ月程かかり、急拡大した案件のスピードに追い付けないこともありますが、業務委託採用の場合、数日後からすぐに働いてくれるため、即戦力となる人材を高速で採用することができ、需要のスピードに対応して事業を急拡大することができます。
どのようなサービスがソーシャルセリングと相性がいいのか
ここまで、事業開発におけるソーシャルセリングの活用方法について解説してきましたが、実際に活用する上で相性のいいサービスはどのようなサービスなのでしょうか?
ソーシャルセリングと相性のよいサービスの特徴は
検討タイミングを選ばない
営業対象が幅広い
の2つになります。
ソーシャルセリングは、前述のとおり、SNS経由で繋がった相手とゆるく長く繋がり、顧客の信頼残高を積み上げることで購買につなげる方法です。
そのため、検討タイミングが数年に一度しかないようなサービスと比較すると、常に検討できるサービスの方が、定期的な発信によって信頼残高が高まり、ふと頼みたくなったタイミングで効果的に購買に繋げることができます。
例えばオフィス移転事業のように検討タイミングが数年に一度しかないようなサービスと比較すると、マーケコンサルのようなビジネス上で常に検討タイミングがあるサービスのほうがソーシャルセリングとの相性が良いと言えます。
また、SNSをチャネルとして用いる以上ターゲットは幅広くなるため、バーティカルなサービスと比較すると、あらゆる業界に営業できるようなホリゾンタルなサービスの方が相性は良いと言えるでしょう。
逆に例えばエンジニアの新卒採用に特化した人材紹介事業など、特定の業界、業種に特化しすぎたサービスですと思うように見込み客を獲得できないおそれがあります。
逆にいえば、この2つの条件さえ揃っていればソーシャルセリングは比較的どのサービスでも活用することができます。
フォロワーが多くなくても活用ができるソーシャルセリング
よく「自分はフォロワーが少ないからソーシャルセリングは効果がない」と思われている方も多いのですが、決してそんなことはありません。
SNSの特性として、たとえフォロワーが少なくとも、返信やリツイートなどの反応が多い投稿に対してはフォロワー外まで含めた母集団に対して発信が可能になります。
また、認知度向上を目的としたSNSマーケティングとは異なり、ソーシャルセリングでは数十人規模の紹介、応募に繋げることが目的のため。投稿の文面さえ魅力的であれば、ビジネスインフルエンサーでなくても再現性をもって活用する事ができます。
まとめ
ここまで、ソーシャルセリングの具体的な活用方法と、相性のよいサービスについて解説してきましたが、
という点で、新規事業開発の際のスピード面での課題を解決する1つの大きなソリューションになりうることがおわかりいただけたかと思います。
さいごに
本記事は、2023年8月に開催いたしました「事業開発SUMMIT 2023」の中のセッション「【次世代ビジネスの最前線】 ソーシャルセリング篇」の内容をCROHack視点でまとめさせていただきました。
ご登壇、貴重なノウハウをお話いただきました、ソーシャルセリングの先駆者である3名に深謝いたします。
吉岡さん、高野さん、山下さんのSNSにはソーシャルセリングの秘訣が詰まっていますので、ぜひご覧ください。
株式会社ウィルゲート 共同創業者 専務取締役 吉岡 諒 氏
株式会社キープレイヤーズ 代表取締役 高野 秀敏 氏
株式会社中小企業のチカラ 代表取締役 山下 佳介 氏
より具体的に、どうすれば購買行動にまで繋げることができるのか?については、以下の記事で詳しく解説しております。