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分断を生まず、収益を最大化する組織のつくり方-海外スタートアップトレンドまとめ-

日本では浸透していない役職「CRO(Chief Revenue Officer=チーフレベニューオフィサー)」を担う人を増やし、このポジションを当たり前にしたいという狙いをもって運営しているCRO HACK。

今回は、海外のCROや事業成長戦略に関するトレンドをまとめてお伝えしていきます。

収益性の高いビジネス・組織をつくるための参考にして頂けたら嬉しいです!

最初のトピックスは、RevOpsレベニュー・オペレーションズに関してです。

レベニューオペレーション(RevOps)とは?
Revenue(収益)のオペレーション、つまり営業・マーケティング・カスタマーサービスの各部門を支えるオペレーション機能を調整するための取り組みです。

HubSpotB2B企業に「レベニューオペレーション戦略」が必要な理由より

RevOpsレベニュー・オペレーションズ設置会社の増加

海外BtoB企業では、成長を加速させるためにレベニュー・オペレーションモデル取り入れる企業が増えています。RevOpsの導入組織は年々拡大しているデータが示されています。

こちらの記事は、RevOps(レベニューオペレーション)の最新動向を理解することができます。

RevOps(レベニューオペレーション)のトレンドは、The Modelに代表されるセールス、マーケティング、カスタマーサクセスなどの職種同士で連携が取りにくくなっている…といった課題を抱えている組織が増えていることが要因として考えられます。

組織がこのように変化してきているイメージです。
収益管理=レベニューオペレーションを専任で担う人・組織を置くことで上記の課題を解決していきます。

日本企業でも、このような課題を抱えている営業、マーケティング、カスタマーサクセス担当者が多いのではないでしょうか。

RevOpsレベニュー・オペレーションズ設置会社の増加の背景を正しく理解するために、「Revenue Operations: The Ultimate Guide to RevOps and RevOps Benchmarks」記事の中から、理解しておきたいトレンドのポイントを引用します。

要約①RevOps機能を有する企業は15%増加トレンド

RevOps is Adoption is Growing
Nearly half (48%) of companies now have a RevOps function, up 15% over last year. An additional 11% plan to adopt it in the next year. Revenue Operations is known to impact revenue growth (13%), revenue productivity (21%) and Sales and Marketing alignment (21%), making it a huge opportunity for a significant number of companies.

現在、半数近く(48%)の企業がRevOps機能を有しており、昨年より15%増加しています。さらに11%が今後1年間に導入する予定です。レベニュー・オペレーションは、収益成長(13%)、収益生産性(21%)、営業とマーケティングの連携(21%)に影響を与えることが知られており、相当数の企業にとって大きな機会となっています。

Revenue Operations: The Ultimate Guide to RevOps and RevOps Benchmarks - Revenue.io

要約②RevOps機能を導入した企業の13%が売上への貢献実感

The Benefits of a RevOps Model
When a Revenue Operations function is introduced, 21% of companies see both increased alignment and productivity (which often increases operating margin as measured by revenue per employee), with another 13% experiencing increased revenue growth. Sales and Marketing alignment also benefits, with 21% of companies seeing an improvement in alignment between teams.

レベニュー・オペレーション部門を導入した場合、21%の企業がアライメントと生産性の向上(従業員1人当たりの売上高で測定した営業利益率の向上が多い)を実感し、さらに13%の企業が売上高の伸びを実感しています。また、営業とマーケティングの連携にも効果があり、21%の企業でチーム間の連携が向上しています。

Revenue Operations: The Ultimate Guide to RevOps and RevOps Benchmarks - Revenue.io

ここまでの内容で、レベニュー・オペレーション部門の設置をする動きが海外BtoB企業で増えていることが理解できました。

続いて、この領域の人材が、どのような役割やスキルセットが求められているのかを、海外SaaS企業の例をもとに理解を深めていきましょう。

AsanaのRevenue Operations責任者

ワークマネジメントツールで急成長を遂げるAsanaのRevenue Operations責任者はどのような役割が求められているのでしょうか。

実際の求人を要約してご紹介します。

AsanaのRevenue Operations責任者に求められる役割
・2~3年のAsanaの成長目標を支えるために必要なビジネスプロセス、テクノロジー、インフラの最適化
・Asanaの戦略、組織リソース配分の優先順位と収益計画との整合性をとる。
・営業・CSのコアプロセスと目標の管理
・組織の全レベルでデータの整合性を確保し、ビジネスプロセスの最適化・自動化を進める
・業務手順とコアプロセスの継続的な改善を推進する
・レベニューリーダーと連携し、パフォーマンスプログラムの成果を測定し、確実に目標達成をする。
・収益組織と営業/CSリーダーの信頼できるパートナーとして活動できる、ハイパフォーマンスなRevOpsのグローバルチームの雇用、維持、開発
・営業、カスタマーサクセス、マーケティング、テクノロジー、財務、各組織との協力的な関係をつくり、事業成長を推進する
・イネーブルメントチームと密接に連携し、営業およびCSチームに対するトレーニングやツールに対する成熟度を高める

Head of Global Revenue Operationsの項目より翻訳

求められるのはビジネスプロセス全般に関わることであり、営業・開発・カスタマーサクセスと組織を横断して最適化を求められていることがわかります。

日本国内でもOpsの職種を設置するスタートアップが増えてきています。
Sales Opsという言葉が使われていますが、決してセールスフォースの組織浸透といった意味ではないことがポイントです。

あくまで「重要度は高いけれど、緊急度の低い課題」を解決し、全体最適を図っていくための職種であることは押さえておきましょう。

下記のSmartHRがOps職種に関して解説している記事がわかりやすいです。


レベニュー・オペレーションを牽引するCROの役割

Asanaの例からも、収益に対する責任をもち、事業全体をコントロールできる人材が求められていることがわかります。

ここで、改めてCRO(最高収益責任者)の役割を確認しておきましょう。

ご紹介してきたRevenue Operations責任者の中で、CRO(最高収益責任者)として組織全体をマネジメントする人材はこれから増えてくることが予測できます。

最後にCROの最新トレンドをご紹介します。

CRO(最高収益責任者)の権限を広げるVox Mediaの事例

Verge、Vox、SB Nation、Polygon、Eater、Curbedなど、複数のバーティカルメディアを所有し、ワシントンとニューヨークに拠点があるメディアカンパニーVox Media,incはビジネスモデル変革のためのCROライアン・ポーリーの役割を拡大しているとのことです。

Voxは事業買収を繰り返して成長をしてきており、各メディアのデータ統合、データを生かした収益モデルや計画の見直しの責任をライアン・ポーリーに集約しています。

このように部分最適が進み、収益責任が曖昧になりやすい課題に対して、CROに責任・役割を集約する動きは今後加速する可能性が考えられます。

CROに求められる思考に関しては、こちらの記事でまとめておりますので、参考にしてみてください!


CRO海外トレンドまとめ

海外のトレンドを読み解くと、下記の傾向を理解することができます。

1.営業・マーケティング・カスタマーサクセスなど各職種の連携課題を抱える組織が増えている 
2. 海外ではRevOps(レベニューオペレーションズ)組織を設置する会社が増え、RevOps責任者の採用も加速
3. CRO(最高収益責任者)に権限を集約する事例も増えてきている

ぜひ、上記のトレンドも参考にした上で、収益・事業成長から逆算した組織づくりに活かして頂けましたら幸いです。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

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