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いまさら聞けない助成金・補助金制度-官僚経験者が教える「つまずかない」制度活用Tips

こんにちは。CROHackの運営メンバーの佐藤です。わたしは前職で10年以上にわたり、いわゆる官僚として助成制度を担当してきました。

今回は、助成制度をどのように活用したら、収益立て直しが「つまずかない」のか、そんなことをこれまでの経験をもとにご紹介させていただきます。

後ほど紹介する雇用調整助成金についてのお役立ち資料もこちらからダウンロード頂けますのでよろしければご参考下さい。

-なぜ今、助成制度についてのnoteなのか

以下のデータは、新型コロナウイルス関連の倒産累積件数です。今後、ますます件数の増加が見込まれている中、この記事を読んでいる皆さんの中にも、早期の収益改善が急務となっている会社もあるのではないでしょうか? 

このような状況の中でも、CROは収益(Revenue)に対し、全方位的にコミットする責任があります。こういった助成金に対する施策も、CEOだけでなく、CROも関与していくべきだと私たちは考えています。

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出典:帝国データバンク

収益改善の打ち手として、多くの企業の頭を悩ます大きな要因は、新型コロナウイルス前後で社会状況が一変していることにあります。
すなわち、「どの経営資源に・どれだけ投資」すれば、コロナ前の収益がリカバリーできるのか、過去の経験・知識からは分からないということです。

-助成制度の活用において知っておくべきこと


本noteでは、新型コロナウイルスの流行後に新しくできた助成金・補助金の活用には以下の3つのメリットがあると定義します。そして、それが「どの経営資源に、どれだけ投資するか」のアンサーになっています。

① 助成制度が社会状況の変化をキャッチアップしている
 →投資先が明確になる
② 多くの制度で補助率が引き上げられている
 →投資リスクを最小限にできる
③ 助成制度情報が世に知れ渡っていないため、競争相手が少ない
 →助成金や補助金の受給を想定した資金繰りが可能になる

しかし、新型コロナウィルスの流行後に新設(拡充)された助成制度は100件近くあり、かつ、中身がとても複雑です。この情報量の多さに、多くの企業は入口でつまずいてしまうのです。

入口が開けたとしても、その後に待っているのは助成制度の枠。枠にしばられ、収益改善(損失分のリカバリー)ができないという可能性があります。

情報量の多さという入口を突破し、さらに、収益改善効果を最大化するために知っておくべきことについて、「助成制度フレンドリー」「助成制度ウィン」という2つの観点で説明させていただきます。

簡単に言えば、「助成制度フレンドリー」とは、助成金などを出す側(=国や自治体)を身近な存在にするということ、「助成制度ウィン」とは、助成金・補助金により会社全体の収益改善を最大化するということです。

-助成制度フレンドリーになる:助成制度の枠組みを知る

具体的な制度を知る前に、「助成制度とは何か」を知ることが重要です。それにより、情報を集める前に助成制度を活用するかの判断ができるのです。

■Step1:助成制度に共通する、助成を受けるための2つの条件を知る

・ お金を受け取るまでは自社のキャッシュで乗り切らなければならない
助成金の支給が決定したらすぐにお金をもらえる、と思う人は多いと思います。もちろん、個人や零細企業に対する助成金にはそのようなものもありますが、多くは「精算払い」といって、一度経費を負担した後、負担した経費分に応じた助成金が支給される、という仕組みをとります。そのため、補助期間中は、自社の体力又は金融機関等からの借り入れが必要となるのです。

・目に見える成果を出さなければならない
「予算単年度主義」といって、多くの国の助成制度は3月末で一旦終了します。そのため、助成制度により補助期間の長短はあれ、どんなに遅くとも3月末までに、助成金による成果(例えば3%の賃金アップや5%のコスト削減など)が求められます。非常に短期間で成果を出さなければいけないのです。

■Step2助成制度の種類を知る
名称に着目して、助成制度のイメージを持つだけで、調査対象の制度を簡単に絞り込めます。結果として、手当たり次第に情報収集するよりも、大幅に手間を削減できるのです。

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■Step3情報収集をネットと電話の両方で行う
Step2までの知識をもって情報収集にあたることで、効率的な情報収集が可能です。新しい助成制度の情報をどこから得るかについて、弊社の情報収集先を参考に記載します。(※企業によって異なる場合があります)

①最も早い情報源
ニュースで流れる「閣議決定日」の公表資料から知ることができます。具体的には 「省庁名(経済産業省など)/補正予算第1号or第2号/概要」を検索します。例えば「財務省 補正予算第2号 概要」で検索した結果はこちらです。https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/sy020407/hosei020527b.pdfキャプチャ3

多くの情報がありますが、助成制度の種類に照らせば、追加調査する内容の整理ができると思います。

②具体的な制度情報
助成制度には制度ごとの「補助金事務局」が存在します。自社に適用できる助成制度がわかったら、補助金事務局HPにアクセスします。

例えば「ものづくり補助金」の情報を仕入れたいときは、「ものづくり補助金、事務局」と検索すると、以下のサイトが検索トップに出ます。

③企業規模や地域によって使えるまとめサイト
中小企業や東京都に所在する企業様の場合、以下のまとめサイトの活用により、容易に補助金事務局の情報を調べることができます。

・中小企業の場合


・東京都の場合


また、サイトに記載されている情報だけに頼るのではなく、必ず補助金事務局に電話で問い合わせることが最大のポイントです。

補助金事務局に問い合わせる=単純に情報を得る、だけではありません。実際に申請書を書き上げるとき、サイトだけでは不明な点が多く、申請書の不備により申請が却下される事態も数多く存在します。併せてこの申請書の作成についても、電話で問い合わせをするべきなのです。

電話での問い合わせに対して少し億劫に感じる方もいるかとは思いますが、ここの手間をかけるのとかけないのとでは、今後大きな差が生まれる、と思っておいて損はないでしょう。

以下のデータは「雇用調整助成金の申請件数と支給決定数」のデータです。
支給決定されていない事例すべてが申請書の不備というわけではありませんが、緊急度が高い制度ですら、支給率は11%と、簡単な書類作成では終わらないということが分かっていただけると思います。

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【出典:打刻ファースト公表データ】

-助成制度ウィンになる:収益改善を最大化する

「助成制度フレンドリー」になったら、次に「助成制度ウィン」の状態で収益改善幅を最大化します。それには2つのステップがあります。

■Step1助成金利用の目的化を防ぐ
無事、助成制度の活用が決まり、「助成制度ウィン」となるためには、受給期間中、助成金利用の目的化を避ける必要があります。

まずは受給期間中の具体的なイメージを共有したいと思います。

・リモートワーク用のウェブカメラ購入のため助成金を申請したが、購入予定の物品より性能が良いものを購入する必要があった、または想定より安く購入できた

・臨時の雇用者を募集するための助成金を申請したが、雇用がうまくいかず、助成金を使用しなかった

など、助成金を執行する中で計画通りにいかない状況は、多々訪れます。

そのような想定外の状況が起こったとき「購入物品が補助対象なのか」、「未執行経費をどうすればよいか」などを問い合わせるうちに、執行そのものが目的化されてしまうのです。

執行そのものが目的化されると、自社内の資源を助成金執行に奪われ、人件費や物品費がかさみ、会社全体としての収益改善がおざなりになってしまいます。

そのため、助成金利用の非目的化は「助成制度ウィン」となるために最も注意しなければならないことです。

■Step2補助金返還のリスクを理解する
助成金での購入物品は、それ以外の物品と明確に分類し、かつ、転売・目的外使用の禁止などの条件がつきます。適切な物品・経理管理を行っていない場合、最悪、国庫返還というリスクがあるのです。

実際、金額の差はあるものの、毎年400件以上の返還事例が発生しています。このリスクを避けながら、かつ、助成金利用の目的化を避けて、収益改善までを行うことができる企業は、数少ないのではないでしょうか。

図6

【出典:会計検査院決算報告書データを基に作成】

■Step3外部機関を活用する
新型コロナウイルスの影響で、初めて助成制度を活用する企業も多いのではないかと思います。

そういった企業は、単純に労務代行として外部(第三者)に補助金事務を任せるのではなく、助成制度による収益改善を最大化し、リスクを最小化することをお勧めします。

また、「助成制度ウィン」には、補助要件を満たすという短期的な目標設定ではなく、補助要件外にある中長期的目標設定が必要となります。そのため、申請代行法人ではなく、助成制度を活用した収益改善の目標値まで、視点としてもっているところへアウトソースすることが重要です。

-雇用調整助成金による改善の具体例

「雇用調整助成金」は、ニュースなどでも多く取り上げられ、いま最も企業の注目されている助成金の1つです。

図7

■雇用調整助成金
新型コロナウイルスにより、事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、その雇用する対象労働者の雇用の維持を図るために「雇用調整(休業・教育訓練)」を実施する事業主を支給対象とした助成金

この雇用調整助成金を活用すると、程度の収益改善が見込まれるのでしょうか?
「雇用調整助成金」の概要についてまとめたお役立ち資料をダウンロード頂けます。ぜひ一度ご覧ください。

▶ダウンロードはこちら

そして、ニュースだけを見て多くの方が見過ごしてしまうのが、休業日に教育訓練を実施した場合、さらに一定の加算額が付加されるという点です。
具体例で示すと、

■全社員の平均年収350万円の企業が10名の社員を月4日休ませた場合
8,330円×10名×4日=333,200円の助成金を受け取れる

■上記の休業日に社員研修を行う
(8,330円+2,400円)×10名×4日=429,200円の助成金額を受け取れる
※①休業手当率100% ②終日社員研修実施の前提

費用の算出方法は上記のダウンロード資料に記載しています。

ここで必要なのは、どのような視点で雇用調整助成金を活用するかです。

短期的な収益(目先のキャッシュイン)で考えれば、休業補償に助成金を活用することになりますが、中長期的な収益改善の視点を持つと、アフターコロナで必要となる人財育成のための投資として助成金を活用することができるのです。

そのため、リブ・コンサルティングでは、社員研修の実施による助成金がどの程度になるのか、以下の図のシミュレーション表を使って算出しています。

図8

「雇用調整助成金」は、助成規模が一層拡大される見込みです。そして、現時点では6月末までの期間限定の措置であることから、受給審査が追い付いつかずパンク状態にあります。そのため、早めのキャッシュインを目指すうえでは、早めの検討が必要となっています。

雇用調整助成金に関するご質問やシミュレーションをご希望の方はお気軽にお問い合わせください。女性っ額は1時間程度で算出可能です。また、算出された助成額にみあった、具体的な教育訓練(研修)もご案内しています。

-さいごに

本noteで紹介した助成金に対しての正しい理解により、「つまずかない」助成制度の活用が可能です。

そして、助成制度の活用とは、会社の収益と直結するものであり、収益に責任を負うCRO(Chief Revenue Officer)こそ、助成制度を正しく理解する必要があることがお分かりいただけたかと思います。

とはいえ、精度が複雑で馴染みがないため、分かりにくいことも事実です。心配な方はぜひご相談ください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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日本のCRO(Chief Revenue Officer)を支えるためのノウハウ、事例、インサイトを提供していくnoteです。全てのCROを目指すヒトのバイブルになることを目指し、毎週発信していきます。
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