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セールスファネルで顧客育成-集客前に知っておきたいベストプラクティス

こんにちは、CROHackです。

開発、マーケティング、セールスなど、プロダクト全体において、成約獲得するためには、「どのようなアプローチが必要なのか」という観点を持っておくことは重要です。
潜在顧客・見込顧客・顧客、この3つを分類し、顧客化するまでのチャートを「セールスファネル」と呼び、段階に応じてアプローチを確立しておくことで、対応が漏れるこなく効率的なセールスが可能となります。

今回のnoteでは、セールスファネルで顧客を育成する方法について解説していきます。集客前にセールスファネルについて理解しておくことで、それぞれの段階でのベストプラクティスが見えてきます。

-セールスファネルとは

セールスファネルとは、「セールス活動の漏斗(ろうと)」という意味で、潜在顧客の獲得、潜在顧客から見込顧客、見込顧客から顧客に至るまでの過程を分解して形にしたものです。
潜在顧客・見込み顧客・顧客の順番で数が絞り込まれていくため、漏斗(ろうと)を意味するファネルと名付けられました。

<潜在顧客>
潜在顧客とは、自社、もしくは自社サービスを知らない状態で、広告や検索エンジン経由でWebサイトに訪れてきたユーザーのことです。また、潜在層といわれることもあります。

潜在顧客に分類されるユーザーは、自社やサービスについては理解していませんが、広告や検索エンジン経由でWebサイトに訪れたということは、何かしらの課題や問題を抱えています。
そのため、すぐに顧客化するわけではないものの、自社のサービスによってその課題や問題を解決することができる場合は顧客化する可能性があるため、「潜在的な顧客」という意味で潜在顧客といわれています。

<見込顧客>
見込顧客は、潜在顧客が自社や自社サービスについて認知した状態のことを指します。また、顕在層といわれることもあります。

課題や問題を抱えたうえで自社サービスへの認知しているため、顧客化する可能性が高い状態にあります。ただし、顧客を自社のファンにできているわけではないため、適切なアプローチによって信頼を獲得していく必要はあります。

<顧客>
顧客とは、すでに成約獲得し、顧客化した状態です。顧客化したあとは、いかにLTV(ライフタイムバリュー、顧客生涯価値)を高くしていくかという点に注力していきます。

なお、LTVについては、以下の記事で詳しく解説していますので、この記事と合わせてご覧ください。

【関連記事】
LTV(ライフタイムバリュー)の概念-計算方法と最大化に必要なポイントとは

-セールスファネルを構築するメリット

次に、セールスファルの必要性と構築するメリットについて解説します。

<セールスファネルの必要性>
そもそも、セールスファネルが構築できていない場合、顧客の状態を各営業パーソンが理解することができず、やみくもにセールス活動を行うことになるため、非常に効率が悪い組織となってしまいます。
効率的にセールスを行っていくためには、潜在顧客と見込顧客をはっきりと分類し、見込顧客にのみセールスを行い、潜在顧客はリードナーチャリングで見込顧客へと育てていく必要があります。

そのため、セールスファネルを構築し、顧客情報を分類・管理しながら分析することで、セールス機会の価値を最大化することが可能です。

<セールスファネル構築のメリット>
セールスファネルを構築するメリットには、以下のような点も挙げられます。

■ユーザーとの関係性を構築しやすい
セールスファネルを構築して、潜在顧客・見込客・顧客を適切に分類することで、ユーザーに対して適切なアクション・アプローチがとれるため、関係性を作りやすくなります。
関係性の構築は顧客化するうえで非常に重要なポイントです。関係性構築ための最初のステップは、ユーザーが今どのようなステータスなのか把握することです。

■成果を予測できる
セールスファネルを構築すると、潜在顧客と見込顧客が今どれだけいるのか具体的な数値としてハックできるため、成果(売り上げ、利益)をある程度予測できるようになります。

■現状把握や改善がしやすくなる
「潜在顧客はたくさんいるのに見込顧客はあまり多くない….」
この場合は、リードナーチャリングがうまく機能していないことが考えられます。また、本来は潜在顧客>見込顧客>顧客の順に絞られていかなければいけないが、潜在顧客と見込顧客がほぼ同数の場合は、直近で潜在顧客を獲得できていないことが考えられます。
このように、セールスファネルを構築することによって現状を把握し、見直しや改善に生かすことが可能になります。

■顧客化の機会に拡張性が生まれる
潜在顧客と見込顧客を定義することで、見込顧客のなかでもより成約に近いユーザーを見つけることが容易になり、これまでよりも顧客化の機会に拡張性を持たせることが可能です。
顧客化の機会に拡張性を持たせることにより、ユーザーへのアプローチ手法に幅を持たせることができます。

■マーケティングを自動化できる
セールスファネルでユーザーを分類することで、全てのユーザーを対象としたマーケティング施策ではなく、潜在顧客・見込顧客・顧客にそれぞれ適したマーケティング施策を打てるようになります。
その結果、ある程度マーケティングを自動化することができ、事業のリソース削減や成約に近い顧客へのアプローチに注力するなどのメリットがあります。

上記のように、セールスファネルを構築するメリットとして、セールスのアプローチが適正化できる、予測や見直しに活かすことができるといった点が挙げられます。

顧客によって、それぞれ抱えている課題や問題は異なるものの、組織として潜在顧客・見込顧客を顧客化していくためには、効率も意識しながらアプローチを行っていく必要があります。
セールスファネスを構築し、ある程度は体系的に顧客に対してアプローチすることで、効率的なセールスを可能とします。

-セールスファネルに重要な3ステップ

ここからは、セールスファネルにおける顧客との接点を、「認知」「検討」「決断」の3ステップに分類して解説していきます。

業種やサービスによって細かくは異なってくるものの、大まかには以下の3ステップで顧客との接点を作り、成約へとつなげていきます。

① 認知の獲得、および認知してくれたユーザーを見込み顧客とするため、次の施策でさらなる興味・関心を持ってもらう
② 無料オファーに応えてくれた有力見込み顧客に、さらなるニーズを引き出して購買を促す
③ 実際に自社の商品やサービスを購入・契約に至ってもらう

「認知」「検討」「決断」のそれぞれのステップで、具体的にどのような施策を行っていくべきなのかについてご紹介します。

<認知(潜在顧客)>
潜在顧客の獲得、および複数回にわたる初期接触をユーザーと図るためには、ターゲット顧客を定義したうえで、コンテンツマーケティングを行っていくのが有効です。

コンテンツマーケティングというと、Webサイト上でブログ記事を公開していくイメージを持たれる方が多いかと思いますが、広告やSNSでの発信などもコンテンツマーケティングの一つの手法です。

インターネットが発達・普及した現代において、企業から発信する情報はすべてコンテンツとして消費されます。企業はユーザーに情報を届けるために、導線を適切に作ったうえで、上質な情報をコンテンツとして発信していきます。そうすることで、課題や問題を抱えているユーザーとの接触を図り、潜在顧客として獲得することが可能です。

なお、潜在顧客を獲得するためのWebマーケティングの手法については、以下の記事でも詳しく解説しています。

【関連記事】
SaaS事業向けマーケティングガイド-リード獲得したいなら押さえておくべき手法

<興味・検討(見込み顧客)>
コンテンツマーケティングによって認知を獲得できた潜在顧客は、リードジェネレーション(見込み顧客情報取得)やリードナーチャリング(見込み顧客との関係構築)によって見込み客へと育てていきます。

重要なのは、認知を獲得したユーザーに対して、すぐにセールスのアプローチやクロージングをかけないことです。
あくまで、この時点でのユーザーは自社に対しての認知は薄く、問題や課題を解決するための情報を収集している段階のため、過剰なセールスやクロージングはかえって逆効果となり、自社から離れていってしまう可能性もあります。

そのため、確度の低い見込み客に対しては、セールスではなくホワイトペーパーによるサービスの情報提供や、ヒアリングやアポイントによる信頼獲得を積み上げていくことが、顧客化へとつなげるためには必要です。

<決断(顧客)>
そして、確度が高まってきた顧客に対しては、セールスやクロージングをかけて決断を求めます。ここまでの過程を経たうえで初めてセールスやクロージングとなるため、セールファネルを構築して、顧客を分析することの重要性がお分かりいただけるかと思います。

また、成約顧客化したあとも、カスタマーサクセスによって顧客の満足度が低下しないように努め、メールやプッシュ通知を活用して継続的に利用してもらえるような仕組みを作ることが重要です。

特に、SaaS事業などの課題解決型営業の場合は、信頼を獲得した状態で成約させ、その信頼を長く維持していくことが、チャーンレート(解約率)を低くし事業を継続させるためのポイントです。
「顧客化したからOK」ではなく、チーム全体で顧客の課題や問題を解決していく姿勢が大切といえます。

【関連記事】
チャーンレートを徹底解説!-計算方法や下げるための施策とは?

-まとめ

セールスファネルを構築することは、セールス活動の効率化と成約率アップにつながります。セールスファネルを構築しないセールスは、ただやみくもに潜在顧客や見込み顧客、もしくは認知も獲得できていない一般ユーザーにアタックしていることと同義で、前時代的な効率度外視のテレアポなどと同じ施策と言っても過言ではありません。

セールスファネルによって顧客を分類し、より成約に近づけていくためにはどのような施策が必要なのかを分析、そしてファネルごとに適切にアプローチをしていくことで、成約率は高くなります。
まずは、どのように潜在顧客・見込み顧客・顧客を定義するか決めて、セールスファネルを構築してみてください。

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