見出し画像

ニューノーマル時代のインサイドセールスとフィールドセールスの役割とは

こんにちは、CRO Hack編集長の松尾(@daisukemo)です。

近年、コロナの影響もあり時代の変化とともにフィールドセールス一辺倒の営業方法から、インサイドセールスへと移行する重要性が広く論じられるようになってきていると改めて感じます。

画像1

直近では「テレワーク7割」の要請もある中、直接の商談を避ける流れは加速し、今後はさらにインサイドセールスの重要性は高まっていくことでしょう。

そこで今回のnoteでは、ニューノーマルが注目され始める以前と以後では営業活動にどのような変化があるのか、インサイドセールスとフィールドセールスはどのようにあるべきなのかを解説します。ウィズコロナ、ニューノーマルが求められる時代に適した営業方針の策定に役立てていただければと思います。

-「インサイドセールス」と「フィールドセールス」とは?

インサイドセールスとフィールドセールスは、どちらもセールスと名の付く営業方法ではありますが、目的や手法はまったく異なります。
まずはインサイドセールスとフィールドセールスとはなにか、それぞれの違いや目的について簡単にまとめておきます。

▼フィールドセールス(訪問型営業)
フィールドセールスとは、既存取引先、もしくは新規取引先を直接訪問して商談につなげる営業の方法です。従来の日本では、営業活動=フィールドセールスというのが一般的な認識でした。

フィールドセールスは顧客のもとまで直接訪問しなければならないため、1人の営業パーソンが担当できる企業数が限られています。そのため、多くの人員を必要とするので効率が悪いといわれることも少なくありません。

しかし、フィールドセールスはうまく運べるといきなり直接の商談に持ち込めるため、非効率とは理解しつつも多くのコストを投入して実施している企業も未だに多いのが事実です。

▼インサイドセールス(内勤型営業)
インサイドセールスは従来の営業のイメージであるフィールドセールスとは異なり、自社オフィス内から非対面でリード(見込み客)にアプローチをおこなう営業の方法です。

受注確度の高いリードは営業に引き継いで商談へと移行し、受注確度が低いリードに対してはメルマガやメールなどの営業ツールで接触をおこない、リードを顧客に育てていくのがインサイドセールスの役割です。

▼インサイドセールスとテレアポの違い
以前まではテレアポ=インサイドセールスという認識も強く、今でもインサイドセールスと称してテレアポをおこなっている企業もありますが、インサイドセールスとテレアポでは目的がそもそも異なります。

テレアポの目的は名前の通り電話でアポイントを取ることにあることに対し、インサイドセールスは顧客を育てることが主な目的です。契約の検討段階に入っていないリードへのテレアポは嫌悪感を買うだけのことが多く、電話対応に時間が取られることから企業からは避けられるのが一般的です。

つまり、テレアポで数をこなして契約を取るのではなく、獲得したリードと適切なコミュニケーションをとり続け、リードが求めるタイミングで自社サービスを検討のテーブルに乗せられるようにリードを育てるのがインサイドセールスです。

-営業一人ひとりが担ってきた「インサイド」+「フィールド」セールスの時代

これまでの国内の主な営業スタイルは、営業担当が1人で「インサイドセールス」と「フィールドセールス」を一貫しておこなっていました。

具体的には、リードの受注確度の設定・架電などによるアポ取り・訪問・契約手続き・顧客ケアなど、その内容は多岐にわたります。もちろん、対応する顧客が1社のみであれば緻密なケアも可能ですが、多くの営業パーソンは複数の顧客対応をしなければいけません。

結果、忙しくなればなるほどひとつのアクションに対する精度が低くなりがちで、それが機会損失を生む原因ともされていました。

そこで求められるのがインサイドセールスとフィールドセールスの分担です。しかし、現実問題としては「じゃあやろうか」と言って明日からできるものでもありません。

特にフィールドセールスで一定の成果を出していた企業の場合、そうした分担が望ましいということを理屈としては分かっていても動きが鈍くなるのは理解できる話です。

そのような背景がありながらも、冒頭でもふれたように新型コロナウイルスの感染拡大によってテレワークなどの働き方が急速に広まったことで、インサイドセールスの考え方も急浸透していきました。

対面営業ができない中で1人の営業パーソンがすべてを担うことが難しくなり、営業活動を分担する重要性が改めて認識され始め、動きも加速しだしています。

-高まる「インサイドセールス」の重要性

海外では以前からインサイドセールスの考えが取り入れられていたため、外資系企業を中心にインサイドセールスの担当部署を置く動きが先行していました。ネットやオフラインイベントの場で、それらの事例をベースに有用性が啓蒙されるようになったことも、インサイドセールスが今現在注目を集めている理由としては無関係ではないはずです。

インサイドセールスの部隊を配置して顧客アプローチを最適化することで、ビジネスパーソンの負担が減って効率的なアプローチができ、最終的な売り上げ向上が期待できます。また、多くの企業で問題視されている生産性の向上や業務効率化(残業減)など、働き方改革へもいい影響が出ることでしょう。

加えて、細やかで綿密な対応をとってくれる担当者がつくことによる満足度の向上や、担当部署への引き継ぎによる適切な製品保証など、顧客側としてもメリットがあります。

しかし、営業フローにインサイドセールスを本格的に取り入れるためには、「インサイドセールス⇔フィールドセールス」での役割認識や連携が非常に大切です。インサイドセールスを導入したにもかかわらず、成約数が伸びないのも主にそこに原因があることが多いです。

どうして成約数が伸びないのか?
結論からお伝えすると、企業のマーケティング担当がリードナーチャリングに成功したものの、コールスタッフから顧客情報を引き継いだ営業担当が、成約レベルに乗せるセールス活動をできていないことにあります。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

-これから求められる「インサイドセールス」×「フィールドセールス」の在り方

ここまではインサイドセールスの重要性についてご紹介してきましたが、これから我々が歩んでいくニューノーマル時代(未曽有の事態後の生活)におけるインサイドセールスとフィールドセールスの役割についてここからは見ていきます。

すでに導入している企業も少なくありませんが、これからのニューノーマル時代に理想とされる集客~成約までのフローは以下のようなものが挙げられます。

Webサイト・SNSによる集客・リード獲得

メルマガ・セミナー・などによるリードナーチャリング(インサイドセールス領域)

提案・商談(フィールドセールス領域)

成約

アフターフォロー(カスタマーサクセス領域)

これまで営業担当が1人でインサイドセールスからフィールドセールス、さらにはカスタマーサクセスまで担当していた際には、すべてが足し合わせた結果が利益になるイメージでした。

しかし、これからは「インサイドセールス」と「フィールドセールス」、そして「カスタマーサクセス」の在り方を明確にして働くことで、掛け合わせで高い利益を生み出していくことができるようになります。

それぞれミッションが異なるチームがひとつの顧客の利益を最大化するために動くのは、口で言うほど簡単なことではありませんし、今すぐ簡単に成果や成功に導けるわけではありません。加えて、営業担当とは別に、インサイドセールスの担当者を採用する、チームを編成するとなると人件費などのコストも必要となります。

分業型の営業組織への移行やインサイドセールスの立ち上げの際には、事前に設計すべきポイントがあります。無計画な組織・体制の変更は現場のいたずらな混乱を招くばかりでなく、結果として生産性を下げてしまう可能性もあるのです。

上記は導入前に考えておくべきポイントとして、『安易なインサイドセールスの導入前に考えたい-今再考する「THE MODEL」の本質』の内容より引用しました。

今からでもしっかりと打てる手立てもありますし、今後は多くの企業がこの体制に移り変わっていくことが予想されますので、早め早めに体制を作り上げていくことが必要といえます。

-確かな正解のないセールスの形を模索・実践していくことの重要性

ここまでお伝えしてきた「インサイドセールス」と「フィールドセールス」の役割・在り方は、一概にどの業界、どの仕事にも適応する正解ではありません。業種や商材、会社規模や今の人材比率によって、比重をおくべき業務は変化しますし、担うべき役割にも確実に差が出てきます。

ニューノーマル時代においては、それぞれがこれまでには踏み出していなかった働き方や体制を模索して実践することが大切です。誰もが明確な答えをもたないからこそ、立ち止まっていては会社としては業界から、個人としては社内競争から置いていかれ、業務員の意欲も低下、生産性や利益も伸び悩むという悪循環に陥る可能性があります。だからこそ、新しいチャレンジが必要なのです。

繰り返しになりますが、新しい「インサイドセールス」と「フィールドセールス」の働き方を、すぐに実践して成功に導くには時間や手間がかかりますし、体制の変更はリスクも伴います。

そのため、まずはインサイドセールス・フィールドセールスどちらかの機能の一部を外部化してテストをおこなっていくのも有効です。営業機能の一部外部化は、リスクを抑えながら成功のモデルを構築し、内部化へ移行するのに適した手段のひとつです。

加えて、ウィズコロナにおけるリモートワークでは新たに部門を立ち上げて育成するのは難易度が高いこともありますので、まずは外注からスタートして環境構築を進めるという選択肢をとっている企業も少なくありません。

CRO Hackを運営する私たちリブ・コンサルティングでも、インサイドセールスやフィールドセールスの体制・体系化についてサポートを承っておりますので、もし課題感を感じたらお気軽にご相談いただければと思います。(DMからでも歓迎です!)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!