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SFAの定着ができない原因はツールの種類ではなく「共通言語」にあった⁉

「SFAツール、使いこなせてますか?」

こんにちは、CROHackを運営しているリブ・コンサルティングの水谷です。
コロナによりデジタル化が叫ばれるようになったのをきっかけに、デジタル化を一気に進めた企業は多いと思います。そしてその中で、業務効率化・精緻化のために、数多くの企業がSFAツールを導入しています。

しかし、多くの導入とは裏腹に、うまく使えている企業はかなり少数派といえます。
SFAを導入してはみたが、期待したような業務の効率化や受注確度の向上といった成果は限定的」と感じている事業責任者は多く、それだけ多額の投資を回収しきれていないという現実があります。

そして、あまりSFAツールを使いこなせていない企業の営業活動の実態を分析していくと、失敗事例の中に”ある共通項”が見つかります。

今回は、そんなお悩みをお持ちの事業責任者の皆様に、システムツールを使いこなせない本質的な原因と解決策を、超具体的に徹底解説します。

-入力しない、アウトプットを使えない

データを入れればそれを整理・分析して綺麗に表示してくれる、それがSFAというツールです。
しかし、ツールは導入したものの、日報レベルでしか記入されないために十分なデータ蓄積ができないというのは、よくある失敗例です。

この原因は、入力してもマネージャーが営業結果・売上見込みを見るばかりで、受注確度向上のためのアドバイスができないことです。
アドバイスがないために、現場の営業にはSFA活用のメリットがなく、単なる工数増加になってしまっているのです。

「データ入力しない、分析結果を施策・アドバイスに活かせない」のでは、SFAの良さが活きないのも当然ですよね。

-システムツールと属人的な営業の矛盾

ではなぜ、マネージャーたちは分析結果を踏まえて効果的なアドバイスを行うことができないのでしょうか。
…それは、そもそも組織として最終的な営業の目標や結果しか見ておらず、営業も属人的でブラックボックス状態であるため、先行する数値的・定性的指標で管理できていないからです。
属人的な営業活動のまま、SFAなどのツールで管理しようとしても、営業活動のありかたとシステムツールがマッチせず、成果につながらないのです。

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システム導入を成功させるには、システムツールを最大限活用できるよう、営業手法を組織的なモノ、つまり営業手法自体を営業システムへと作り替えていく必要があります。
逆に言えば、営業手法がシステム化されていないと、システムツールを入れても威力は半減してしまうのです。

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-共通言語の必要性

属人的な営業とシステム化された営業の最大の違いは何でしょうか。
…それは、共通言語が存在するかどうかです。

「BtoBセールスにおける受注強化に重要なことは顧客との関係性強化である」という点については広く言われていることであり、社内でも共通認識だと思います。
しかしそこでポイントとなるのが、重要な顧客関係性の定義やレベル、管理などが営業個々の観点によるところが多く、共通認識化されていないという点です。
組織間連携、効率的な教育、統一的な活動のマネジメントなど、SFAが実現するはずだった組織的・効率的な営業の大前提となるのは、まさに共通言語が存在することなのです。

ちなみにあなたの会社では、顧客との関係性のレベルを表す共通指標はありますか?

なくても大丈夫。作っていきましょう。
先に前提の確認をしておくと、業界によって異なる部分もありますが、概ね関係構築は以下のような5つのフェーズを踏むことになります。

Phase0:開拓段階
1年以上会えていないなど、ターゲット選定・情報収集を行う段階です。

Phase1:面談可能段階
相手は興味があまりなく、質問にも限定的にしか答えてくれない中、何とか担当者とのアポを獲得した段階です。

Phase2:信頼関係構築段階
担当者がある程度関心のある事項を共有してくれるようになり、他社と同列で検討される土俵に立てている段階です。

Phase3:プロポジション段階
意思決定権者から定期的に相談があるなど、プロとしての信頼が非常に厚く、人間関係も親密になっている段階です。

Phase4:パートナー段階
ビジネスパートナーとして認められ、将来に向けた経営についての意見交換も発生する段階です。

まずはあなたの会社の業界・商品・顧客属性などに合わせてこの関係構築フェーズを定義づけましょう。

コツは、まずは各段階から1つ上の段階に上がったと判定するためのKPIを設定することです。
KPIとは必ずしも定量的なものでなくてもよく、「意思決定権者と4回以上面談できている」「意思決定権者から他社情報を収集できている」などのイメージです。

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そしてKPIを設定したら、各フェーズにおいて顧客について把握すべき情報や、取るべきアクションを明確にしていきます。

把握すべき情報というのは、KPIと一部重なるところはありますが、初期フェーズでは「役職」「出身大学・卒年」などの基本的な情報から始まり、フェーズが上がるにつれて「商品選定基準と理由」「製品ニーズ」などの深掘り・関係構築のための情報になっていくようなイメージです。
これは、運用上はヒアリングシートを作ってしまうのが早くて効率的です。

これができたら、各フェーズで取るべきアクションとして、それらの情報を聞き出すためにどのような話を出すのか、いつ事例などを紹介するのかを決めていきましょう。

ここは細かいので、ヒアリングシートと併せ、実際の例については資料の方でご紹介します。最後にご案内を記載しておりますので、ご興味のある方はぜひお役立てください。

以上は共通言語を作る作業でした。
実際の運用においては、下図のように各フェーズと取引額のマトリックスを作り、顧客名をプロットすることが多いです。これにより、各顧客に聞くべき情報と取るべきアクションが、優先順位とともに明確になります。

そしてポイントは、これを営業担当個人がわかるというだけでなく、上司が部下のものについてわかるようになるところであり、これが組織的な営業システムと言われるゆえんです。

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なお、関係構築フェーズの整理からさらに一歩進み、以下のように各段階で必要な営業スキルを定義づけることもできます。
これによって、数値状況を踏まえた研修を組むことも可能になります。

このような形で、関係構築フェーズの定義づけなどによって共通の理解の枠組みを作ると、それをマネジメントだけでなく教育の分野などでも活用することができるのです。

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-さいごに

この記事では、SFA導入に失敗する企業の多くが持っていない「共通言語」を組織的に構築する方法を紹介しました。繰り返しお伝えしているように、これはシステム導入などのオンライン化の大前提となる施策です。

しかしあくまで必要条件であり、これさえ行えば必ず成果が出るというものでもありません。
成果に結びつけるためには、この共通言語のもとで組織的にPDCAを回し、勝ちパターンの発見・型化・横展開を併せて行っていく必要があります。

実際はどのような施策のセットで成果を出していくのかについては事例を見るのが早いと思いますが、まさに私が普段働いているリブ・コンサルティングで、この関係構築の共通言語づくりと併せてターゲット選定・営業スキル強化を行った事例があります。

わたし自身も関わったプロジェクトなので、その全体感を資料にまとめてみました。ぜひご覧ください。

【図】営業支援事例

▶ダウンロードはこちらから

また、勝ちパターンづくりに関連する部分で、ツール導入や組織的な営業のシステム化よりもさらに根本的な、各個人が行う営業手法そのものについての最新の知見をこちらの記事でご紹介しています。
かなり骨太な内容ですが、こちらもぜひお役立てください。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。