ダウンロード資料の動画化で1週間で2件の有効問合わせを創出したはなし
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ダウンロード資料の動画化で1週間で2件の有効問合わせを創出したはなし

こんにちは、CROHackの菅です。

表題にもありますが、最近皆さんは動画広告を見ない日はありますでしょうか?
YouTubeやSNSを筆頭に、今ではweb上の様々なところで当たり前のように動画広告を目にします。筆者も当たり前すぎて、無意識にYouTubeの右下をタップしています。(プレミアム会員ではありません)

そして、皆さんもお気づきだと思いますが、多くの広告は消費者向けの食品や美容/健康商品などの広告だったと思います。
過去にさかのぼっても、テレビCMを筆頭に消費者向けの広告は動画という形態をとっていたのに対し、法人向けの広告はテキストやイメージが中心であり、ホワイトペーパーなどが主流だったと思います。しかし、近年徐々にBtoBの動画広告、動画マーケティングの存在感が強まっております。

そこで、本記事では、近年の動画マーケティングのトレンドを簡単に解説したうえで、実際に自社で動画マーケティングに取り組んだ事例を参考に動画マーケティングのポイントと進め方についてお伝えできればと思います。

-動画マーケティングを制すものはマーケティングを制す

 当然ですが、動画でのマーケティング自体は新しい試みではありません。
「テレビCM」をはじめ、これまでも動画という手段を用いたマーケティングは多くありました。

多くの場合は、消費者向けの商品やサービスが中心でしたが、近年は動画サービスの広がりや通信環境の進化により、いつでも、どこでも日常的に動画に触れる機会が増えました。それに伴い、法人向けのマーケティングにも動画を取り入れる企業が増え、今では多くのBtoB企業がYouTube広告を出したり、HP上で動画を公開しています。

下記は、今年の2月に電通から発表された『2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析』にて発表されている日本のインターネット広告媒体費の広告種別構成比となります。

インターネット広告_構成比

2020年はコロナの影響もあり、総広告費が前年比で88.8%と大きく落ち込んだ年になりました。一方で、インターネット広告費は前年比で105.9%の成長を見せ、ついにマスコミ4媒体広告費とほぼ同水準になりました。
そして、好調なインターネット広告市場の中でも前年比で最も伸びた広告がビデオ(動画)広告で、前年比121.3%の伸びとなっています。その結果、インターネット広告のおおよそ2割を占めるまでになり、今後も更なる発展が見込まれています。

このように、動画マーケティングは今やBtoBでも当たり前になっており、
欧米諸国においても、多くのBtoB企業が動画マーケティングの重要性を主張し、注力しています。
これまでのテキストやイメージを中心としたコミュニケーションから、動画へ変わっていくことで受け手の受け取れる情報量も増え、より効果的で、かつ効率的なコミュニケーションへとシフトしています。

-なぜ、動画マーケティングを始めたのか?

こうした時代のトレンドの中、弊社(リブ・コンサルティング)では、セミナー等は開催しておりましたが、動画マーケティングについては、特段力を入れておらず、従来通りのホワイトペーパーやお問い合わせを中心としたマーケティング活動をしておりました。

過去_HP2

過去のHPしかし、コンサルティングというサービスの性質上、何が提供されるのかが分かりにくいという点、そして、コンサルタントの雰囲気が掴みにくいという点がマーケティング担当(大﨑)の課題感でした。

 実際に面談でお話をすると、「なるほど、こんなに色々とやってもらえるのか」といった反応をいただけることが多いのですが、HPからお問い合わせをいただいたクライアント様であっても、面談を経て、解像度が上がったというパターンがほとんどなのです。
そうした状況もあり、昨年末ごろから、面談前により我々を正しく知ってもらうにはどうすればいいのかという議論を重ねていました。

そんな中、弊社と神田昌典氏で立ち上げたGMXのミーティングにて、神田氏から「時代はムービーファースト」という話がありました。
その話を受けて、「確かに、動画であれば、普段の面談と近いコミュニケーションを取ることができ、かつクローズドな印象のあるコンサルタントの顔が見えるのではないか」と思いました。

 加えて、上述した通り、近年はBtoBにおいても動画マーケティングが当たり前に使われているということもあり、まずは、弊社の注力領域である事業開発コンサルティングにて、動画マーケティングを試してみることになったのです。

動画マーケティングを実施していくにあたって、まずは進め方の整理からしていきました。大きく分けると、下記の6つのステップに分けて、実装までのステップを固めていきました。

① 戦略の策定
② シナリオの策定
③ 演出の策定
④ 資料の作成
⑤ 撮影
⑥ 編集

ここからは、各フェーズでの具体的な検討内容や実施事項を振り返りながら、当時、どんなポイントに悩んでいたのか、そしてどんな工夫をしていたのかをまとめていきます。

-動画マーケティングもまずはマーケティング戦略の策定から

まずは、「戦略の策定」ですが、手法は動画であっても、その本質はマーケティングですので、基本的にはマーケティング戦略の立案に則った形で「Who-What-How」の解像度を高めるところからのスタートになります。

具体的には、ペルソナを明確にし、彼らのペインとインサイトの仮説を立て、動画での訴求内容と落としどころを決めていくという流れになります。当然、ここで決めたことが後の工程で迷った際の判断基準になりますので、これまでの経験も踏まえて議論をしていきました。

第一に「ペルソナの明確化」ですが、事業開発というテーマにおいては、大きく2つのペルソナ像を策定しました。
1つは「事業開発が上手く進んでいない企業」、そしてもう1つが「事業開発の必要性は感じているが、取り組めていない企業」です。

 前者は、過去の成功者であり、そして現在は業界の市場が縮小し、少しずつ業績が傾いていく中、様々な新規事業を模索しているものの、既存のビジネスモデルの成功パターンから離れなかったり、あるいは既存ビジネスとの兼ね合いによって新規事業が上手く進められない企業です。

 そうした企業には、「外部の視点」として業界の常識にとらわれない視点、そして他業界のスタンダードやベンチャー企業のスタンダードを取り入れられる点からコンサルティングの介在価値が高いということが過去の支援を通じて見えていたこともあり、ペルソナとして設定しました。

 そして、後者は、ある商品やサービスで成功し業績は安定しているものの、底が見えてしまい、そこから先に進めない企業です。
今のままではこれ以上は成長できないという認知はしているものの、探索ではなく深化を続けていく中で、どうやって事業を立ち上げていくのかが自社のナレッジとして蓄積できていないため、結局何から手をつけたらいいのかが分からないといったケースです。

 こうした企業もこれまで多く、事業開発をプロジェクトとして推進することはもちろん、体系立てた事業開発の進め方を自社にインストールするという点でもコンサルティングの成果が出るため、2つ目のペルソナとしました。そのうえで、これまで各社の新規事業担当者の方や経営企画室の方との面談を通じて聞いたことを基に各ペルソナのペインを整理しました。

まずは「事業開発が上手く進んでいない企業」です。この場合はある程度、外部活用を視野に入れているケースが多いため、信頼のできる外部パートナーが見つけられない、実行のイメージが持てない/実行のイメージを持つのに時間がかかるというペインを想定しました。
 ですので、訴求する内容としては、「コンサルタントの顔と雰囲気を感じてもらい、そのうえで実行段階の解像度を上げる」という部分に定めたのです。

次に「事業開発の必要性は感じているが、取り組めていない企業」ですが、こちらは抽象的な話は分かるが実際に何から着手すればいいのか分からない、でしたり、最初の一歩を踏み出す理由が欲しいといったペインを想定しました。
なので、訴求する内容としては、「手触り感のある事業開発の進め方が分かる」こととし、実際のコンサルティング支援の提案に近い形を見せようという方針にしました。

世の中には、事業開発・新規事業に関する書籍やセミナーは数多く存在しますが、どうしても応用可能な形に落とし込もうとすると抽象度が高くなってしまいます。そのため、実際の現場の担当者にとっては、イメージが湧きにくくなってしまうと思います。

 そこで、実際に弊社が実施している事業開発コンサルティングの進め方を基に、新規事業に関わる方々が実践に使える学びを得られるようなコンテンツを提供することとしました。

LP_要件

-動画マーケティングならではのシナリオと演出づくり

戦略策定の後は、「動画のシナリオの策定」になります。
その中でも、特に議論をしたポイントは下記の5つです。

① 動画に盛り込む情報量と質
② CVポイント
③ 動画の尺の長さ
④ 初めの掴み/導入
⑤ 最後の終わり方

①動画に盛り込む情報量と質
そもそもどこまでの情報を開示して良いのかという部分から始まります。
なるべく情報量を抑えて、イントロダクションだけを見せ、詳細はお問い合わせへというパターンにするのか。あるいは続編コンテンツのような形にするのか等を議論しました。

しかし、結論としては、ペインに立ち返って、見て学びを得られるようなコンテンツにしようということになり、「0回目の支援」という形で、弊社の取り組みやナレッジを変に隠すことなく、提供することに決めました。

②CVポイント
「0回目の支援」という方針が固まったことにより、CVポイントも動画視聴後に設定することに決めました。
元々は動画を見る前にCVポイントを設置して、リード情報を得てからコンテンツを提供するという方針もありましたが、大﨑から「まずは見てもらうことが最優先。しっかりと情報のギブを意識しよう」という話があり、最後に設置することにしました。

③動画の尺の長さ
次に動画の尺の長さについても議論を重ねていきました。
仮説として、ある程度HPにアクセスする層は、事業開発というテーマに関心があり、自身の関心のあるテーマであれば、ある程度の尺であっても動画を見ることができるだろうと考えました。

とはいえ、セミナーのような長さでは視聴側の負担が大きく、他社の事例を見ても1分~5分程度におさまるケースがほとんどです。そこで、仮説検証の意味合いも含めて、2本の動画の長さを変え、1本は5分程度、もう1本はより情報のギブを重視して、10分程度の尺にすることにし、「0回目の支援」の方針をブラさずに進めました。

④初めの掴み/導入
やはり、情報過多の時代ですから、情報に対する人々の判断は非常に早くなっています。だからこそ、初めの10秒でグッと顧客の関心を掴む必要があるのです。
そこで、まずは動画を見て欲しい人をあえてこちらから提示し、そのうえでどんなベネフィットが動画を通じて得られるのかを先に伝える形で、動画の構成を組み立てていきました。

 ⑤最後の終わり方
また、終わり方も非常に重要です。顧客に学びを得てもらった後にどんなアクションを取って欲しいのかという一連の動きをデザインし、シナリオに落とし込むことを意識して、CVポイントへの導線がスムーズにつながる構成にしました。

シナリオが完成したことで、次は「演出の策定」に移ります。アニメーションだったり、ワイプ形式だったり、色んな見せ方がありますが、クローズドなコンサルタントを表に出していくというトライをするため、コンサルタントと説明用のスライドが画面の半々になるような形にしました。

そして、演出における最大のポイントですが、それは「出演者」です。
メラビアンの法則ではないですが、「何を伝えるのか」以上に、「誰がどのように伝えるのか」が動画においては重要になります。
そのため、話すことに慣れていて、聞き取りやすいトーン/スピード感、そして適切な緩急の付け方などが出来る話し手を選ぶことを意識しました。

また、出演者を決める際に、大切にしていたポイントは、「講師らしくないこと」でした。大﨑からも、「いわゆるコンサルタントの講義みたいな形ではなく、もっと肩の力を抜いて楽しく見られるものにしよう」という方針が掲げられ先生/教える側という見られ方ではなく、一緒に手を取り合っていけるようなイメージを持ってもらおうと思い、出演者の人選をしました。

サムネ④

シナリオが完成すると、次は「資料の作成」になります。
当たり前のことですが、資料はわかりやすく作成し、せっかくの動画の強みである受動性を損なわないように考慮しました。
読まなければいけない資料では、従来のホワイトペーパーと変わりませんので、あくまでメインはコンサルタントのトークであり、資料は視覚的なサポートとして位置づけ、作成をしていきました。

 普段の支援資料は丁寧に細部まで作りこむことも多いので、ラフな資料を作るのは、意外と難しい印象でした。本来はもっと、視覚的な要素を強調できるようにしたいところです。
また、視聴者の視聴環境も重要なポイントです。人によってはスマホで視聴するわけですから、そのサイズ感を想定し、資料を作成する必要があります。

シナリオと演出と資料が揃ったら、次は「撮影」のフェーズに入ります。
これは、動画マーケティングならではですが、次に編集のフェーズがありますので、1回勝負のウェビナー等とは違い、何度でもやり直したり、失敗した箇所の修正を後から実施することが出来ます。 
ですので、撮影の際は極力リラックスをして、言い回しを複数パターン試してみたり、パート分けで撮影したりすることで、コンテンツの質を向上させることが出来ます。

 前述した通り、どうしても人のトーク力がコンテンツの魅力を大きく左右しますので、飽きずに見続けられるような緩急のついたトークや特徴的な言い回しを意識しますが、それが難しい場合は編集のテロップや資料上で緩急をつけてバランスを取るのがコツです。

いよいよ、最後は「編集」フェーズになります。
が、こちらは制作会社に依頼をしているので、工夫したポイントは伝えられませんが、完成した動画を見ると、画角の切り替えや、テロップの強調等意識して確認することで、普段は気づかない工夫を感じられました。

普段、何となく見ている動画の中にも編集上の工夫は多く散りばめられていると思いますので、編集まで内製化をする場合は、アンテナを張って、動画の内容だけではなく、見せ方もチェックすることをオススメします。

-初期成果は結局どうだったのか?

 以上が、弊社での一回目の動画マーケティングの全貌です。
どうしても、動画マーケティングとなると、「動画」という部分が先行して、演出や編集の部分にフォーカスされがちですが、弊社では、あくまでも「マーケティング施策の一つ」として、こんな進め方をしておりました。 
今後、動画マーケティングにトライしようと思っている方、内製化を検討している方の参考になれば嬉しいです。

そして、完成した動画は下記LPに掲載しておりますので、本記事で書いた内容がどんな形で反映されているのか、チェックしてみてください。

株式会社リブ・コンサルティング:新規事業開発コンサルティング

最後に、今は動画のリリースに合わせてHippo Videoという動画分析ツールを用いて動画の反響を得ています。実際に動画を公開した4/12から、HP来訪者のうち10%程度が動画を視聴し、そして2件のCVが発生しています!
また、おおよそ4割程度の視聴者の方に最後まで動画を見ていただいており、参考になる情報のギブが出来ていれば幸いです。

今後は、取得したデータを基にPDCAを回し、より成果に繋がる動画マーケティングを進めていく予定です。次回の記事執筆の際には、更に良い結果が得られていることを祈りつつ、今回の記事はここまでになります。

最後まで、お読みいただいた皆様、ありがとうございました。次回を楽しみにしていてください!

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