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新規事業アイデアの参考になる!-2021年最新の新規ビジネス事例

こんにちは、CROHack編集長の松尾(@daisukemo)です。

これまでCROHackでは、新規事業立ち上げの成功確率を上げる方法や新規事業立ち上げの際に活用できるフレームワークなどをご紹介してきました。

そして今回は、新規事業のアイデアの元になる、最新の新規ビジネス事例をご紹介します。

未だ猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。昨年に引き続き、2021年のビジネスを語る上では切っても切れない関係といえます。コロナ禍での新規事業の立ち上げ事例から学べるものは、非常に多くあります。

また、新規事業のアイデア出しでなぜ事例を見るべきなのか、海外の成功事例を日本で取り入れるタイムマシン経営は可能なのか、などの関連する内容にも触れていきます。

- 「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせである」

新規事業を立ち上げる際には、競合他社やまったくの異なる業界も含めて多くの事例を見ておくべきと言えます。

1940年に出版され、80年経った今でも売れ続けている書籍「アイデアの作り方」の著者であるアメリカの実業家ジェームス・W・ヤング氏は、同書の中でこう述べています。

「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせである」

引用:ジェームス・W・ヤング氏 著書:「アイデアの作り方」

どれだけ革新的なサービスや独創的なアイデアも、元をたどると既存のサービスやプロダクトが存在し、多くはその既存の要素の組み合わせで成り立っています。

他社事例を見ておくことで、アイデア出しで最も大変で難しい”0→1”のハードルを低くし、より収益を生みだす事業アイデアの発想へと繋がることが期待できます。

そのため、新規事業の立ち上げに必ずしもアイデアマンがいる必要はなく、様々な新規ビジネスをインプットすることが新しいビジネスアイデアを生み出す助けになります。

アイデアの組み立て前である既存要素をより多く知っておくことで、既存要素を組み合わせたアイデアの幅はより広がるため、新規事業立ち上げ時には他社事例を見ることが重要なのです。

- 新規ビジネス事例集(国内/海外)

新規事業立ち上げで他社事例を見ることが重要であることを理解したうえで、以下では昨年(2020年)リリースされた事例を国内外あわせて7つご紹介します。

トレンドに乗るのが新規事業立ち上げにおける正解というわけではありませんが、世界中がコロナで例年とは異なる生活を余儀なくされるなかで、2020-2021年にリリースされた新規ビジネスは、きっと新規事業アイデアの元になるはずです。

国内外の事例を見るときには、JNEWS.comなどのサイトが非常に便利です。

■Safie Pocket(セーフィー ポケット)|セーフィー株式会社

このコロナ禍において、世の中はリモートワーク中心の働き方へとシフトしていますが、現場仕事など特定の業種ではリモートワークが現実的に不可能なこともあります。

そのうちの一つであると考えられていた建設業界ですが、セーフィー株式会社のSafie Pocket(セーフィー ポケット)を活用することで部分的にリモートワークが可能になります。

Safie Pocketは、国土交通省も指針を発表している現場監督や検査のリモート化(遠隔臨場)を可能にするサービスで、現場に設置したウェアラブルカメラを通じて遠隔で建設現場の管理を行います。

双方向の通話機能も搭載されているため現場とスムーズにコミュニケーションをとることが可能で、モバイルルーターやモバイルバッテリーなど必要な備品もすべてパッケージングされたレンタル方式のためスムーズに現場導入が可能です。

アフターコロナにおいても、現場と事務所を行き来して書類の整理などに追われがちな現場監督の働き方改革としての期待も受けています。

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Safie Pocket(セーフィー ポケット)|セーフィー株式会社

■ビッグデータを可視化する動画グラフ作成サービス|合同会社KernelTribe

最近、縦に並んだ棒グラフが年月の経過でどのように変化しているのかを可視化した動画をSNSや提案資料で見たことがある方もいるのではないでしょうか。

これは「動画グラフ」と呼ばれるもので、時系列ごとにどのように世の中が変化していっているのかをわかりやすくまとめられているため、直感的な理解が可能です。

合同会社KernelTribeは、3万円〜という低価格で動画グラフを作成するサービスを提供しており、社内外のプレゼン資料として利用でき流のはもちろん、YouTubeなどのSNSやデジタルサイネージとしても利用できます。

動画グラフは「これから〇〇はさらに伸びていきます」「〇〇をモデルケースとして目指していきましょう」といった訴えかけに非常に有効です。

しかし、この動画を自身(自社)で作成するのは非常に高い編集技術が必要なため、このサービスの需要は今後高くなっていくものとして注目を集めています。

動画グラフ・データ可視化|合同会社KernelTribe

■SPACEE TAKEOUT|株式会社スペイシー

飲食店での感染防止、感染リスク軽減のため、フードデリバリーやテイクアウトの需要がこれまで無いほどに高まっているのは皆さんご存知かと思います。

しかし、飲食店が実際にテイクアウトを導入するのは、テイクアウトメニューの考案以外にも集客方法やトラブル防止(予約はしたが受け取りには来ないなど)など、考えなければいけないことが多くあります。

「フードデリバリーのプラットフォーム(アプリ)に登録すればすべてスムーズにいく」と思うかもしれませんが、日系、外資系問わず宅配サービスの手数料は30%以上のことが多く、その手数料の高さからテイクアウトのみ、もしくはテイクアウトも並行して実施したいと考えていることも少なくありません。

株式会社スペイシーがリリースしたテイクアウト専用のアプリ「SPACEE TAKEOUT」は、手数料5%と月1回の送金手数料450円で登録でき、アプリでの予約時に決済が行われるため受け取りに来ないといったトラブルも防止できます。

手数料の安さはフードデリバリーのアプリと比較すると非常に安く抑えられているため、店舗の負担がなく無いサービスとなっています。

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SPACEE TAKEOUT|株式会社スペイシー

■新型コロナウイルスによる中止イベント支援プログラム|READYFOR株式会社

クラウドファンディングのREADYFORでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止を余儀なくされたイベントの損失補填を目的とした「新型コロナウイルスによる中止イベント支援プログラム」を行っていました。

目標金額に到達していなかったり目標よりも多く集まったりしても集まった金額が受け取れるALL-IN形式で実施され、決済手数料5%のみで利用できます。

新型コロナウイルスが本格的に報じられるようになって1ヶ月程度で損失補填サービスをリリースしており、そのスピード感はどの企業も見習うべき点があるでしょう。

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新型コロナウイルスによる中止イベント支援プログラム|READYFOR株式会社

■ビデオストリーミングで行うオンライン結婚式|Wedfuly

「結婚式は結婚式場で行うもの」、誰もが疑うことのなかった概念ですが、これも新型コロナウイルスによって変化が訪れています。

Zoomなどのオンライン会議システムを利用して結婚式を執り行う「オンライン結婚式」が登場し、今後は結婚式以外の冠婚葬祭でも活用されるケースも増えていくことでしょう。

アメリカコロラド州にあるWedfulyは、Zoomなどの無料オンライン会議システムなどで起こりがちなトラブルを排除し、円滑な結婚式になるようにプランニングや進行までもサポートするオンライン結婚式サービスを提供しています。

結婚式場での挙式をより忠実に再現するために、参加者の音声をミュート操作したり新郎新婦をライトアップしたりするといった、オンライン結婚式ならではのサポートをWedfulyでは行っています。

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オンライン結婚式|Wedfuly

■盗難防止駐輪設備「Bikehangar(バイクハンガー)」|Cyclehoop

ロンドンは地下鉄が非常に発達している国で、コロナ禍においても電車内の混雑が問題視されていました。

その地下鉄の利用を避けるべく自転車の人気が高まっていますが、駐輪場の整備が間に合っていないとして、新たな問題が発生しているようです。

そこで、イギリスの交通局や自治体、病院などのインフラを支える会社や官庁を取引先として抱えるCyclehoopは、駐車場のスペースを駐輪場に変えるBikehangar(バイクハンガー)の提供を行っています。

また、自転車利用が増えると問題になる盗難問題にもバイクハンガーは一役買っており、屋根付き・施錠機能付きのため大切な自転車を盗まれるリスクは非常に低くなっているようです。

イギリスでは、自治体に申請して審査に通るとバイクハンガーが設置してもらえる制度が整備されており、これからさらに普及していくものと考えられます。

交通局や自治体と取引のあったCyclehoopだからできるサービスと捉えることもできますが、こうしたサービスを展開できると国や自治体からの利用者への支援により、サービスの普及を加速させられます。

Bikehangar(バイクハンガー)|Cyclehoop

■自宅ライブを収益化するプラットフォーム|Stageit

新型コロナウイルスの感染拡大、感染防止のため、大人数の集まるイベントが帰省・自粛される中、オンライン(ライブストリーム)でライブを行う動きが出始めています。

これまでも、スタジオライブなどを生配信したりフェスの中継などは行ってきていたものの、それはファンサービスであったり来場するファンがいる前提の”サービス”としての側面が大きなものでした。

しかし、大人数を集めてのライブが難しいコロナ禍において、オンラインでのライブは収益を得るための手段にしなければミュージシャンの収入が確保できないのが現状です。

そこで、当初は投げ銭機能で収益を立てる方式が多かったのですが、最近では電子チケットを購入し、ライブ会場ページへとアクセスする方式のプラットフォームが登場しています。

Stageitもその一つで、チケットの価格をアーティスト側で自由に設定でき、早期購入者には割引を設定できるなど、その自由度の高さが人気を呼んで有名アーティストなども活用しています。

ライブ会場を使った通常のライブでは、アーティストの収益は全体売り上げの10〜20%ほどになると言われていますが、Stageitでは63~83%が収益として受けられる収益性の高さにも注目が集まっています。

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ライブ会場プラットフォーム|Stageit

- 「タイムマシン経営」の難しさ

一昔前では、海外で軌道に乗った事業を日本でも展開する「タイムマシン経営」が流行し、大きな収益を生むことが可能でしたが、インターネットの普及や外資企業の参入増などから今では難しいというのが現実です。

人は育ってきた環境の中で考え方や感性がついていくもののため、仮にアメリカで大流行したとしてもそれが日本で流行するのかは実際に日本に上陸してみないとわかりません。

そして多くの場合、アメリカのサービスを日本向けにチューニングしなければ日本で大流行とまではいきません。

海外の事業をそっくりそのままクローンとして輸入するよりも、日本の商流や文化、生活様式に合わせてカスタムし、生活に馴染むようなサービスに変化させることが重要です。

- まとめ

成功する新規事業のアイデア発想は、運否天賦ではなく打率を高めるためのアプローチがあります。

アイデアは既存要素の組み合わせで成り立っているため、まずは他社事例のインプットから始めるといいでしょう。

新規事業のアイデアを出す際の注意点として、事業単体での収益性を見るのであればLTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)が低いSaaS事業にはそもそも手を出すべきではありません。

SaaS事業は、SaaS事業自体がトレンドになっていますが、LTVがなかなか伸びないためずっと使い続けるサービスを埋めない限りは着手しないことをおすすめします。

また事業化のプロセスにおいては、ユーザーインタビューを行うことが顧客インサイトを掴むためにも重要です。

実際の利用者象であるペルソナを固めることが、新規事業の立ち上げを成功させるポイントです。

新規事業開発のことでお困りのことがありましたら、ぜひリブ・コンサルティングにご相談ください。経営理念にフィットしたアイデア創出・事業化検証・数多の実績から打ち出された独自メソッドをもとに新規事業開発のご支援をさせていただきます。

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