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新規事業開発の成功率を10倍高める「事業開発スタディ」

こんにちは、CRO Hackの酒井(@yossypon)です。

普段から事業開発の支援が多いリブ・コンサルティングですが、私は特に大手、中堅企業が行う新規事業開発を中心に取り組んでおります。
(以下のホワイトペーパーは既にご確認いただけましたでしょうか?新規事業に取り組む方はぜひ!)

さて、本日は、「事業開発」をテーマに自社が取り組むべき事業開発とは何なのか、他社の事例をうまく取り込んで自社で活用するにはどうすればよいのかという点についてお伝えしていこうと思います。

われわれは、コンサルファームなので外部パートナーという形になりますが、数多くの事業開発案件をお任せいただいております。それは、当然実績としてのプロジェクト数が多いこともありますが、実はそれ以上に「事業開発スタディ」をたくさん保有していることも理由です。

こちらの記事では「事業開発スタディ」についても理解できるものとなっているので、ぜひ最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 

●この記事はこのような方におすすめです。
・事業開発担当者・事業開発という言葉にピンとこない方
・事業開発を通じて何をするのかよく分からない方
・他社の事業開発事例を自社に取り込むにはどうしたらよいか困っている方


-事業開発の定義、合っていますか?

皆さん、普段から「事業開発」という言葉を使っていると思いますが、事業開発の定義はチーム内で共有、一致していますでしょうか?

事業開発(Business Development)とは、様々な捉え方をされています。
企業が描く目指すべき未来(ビジョン)を実現するために事業が存在しているとすると、その事業を前進させることは全て事業開発だと考えることができるからです。

われわれは、コンサルティング支援を通じて様々な事業開発に関わる機会がありますが、
・企業サイズは、中小・ベンチャー企業、中堅・準大手企業、大企業
・事業のフェーズだと、立ち上げ期、成長期、成熟期、衰退期
・手法としても、新規事業立ち上げ、既存事業を伸ばす、パートナー・アライアンス戦略、M&A戦略など…
組み合わせていくと本当に多種多様です。

さらに、ここに都度取り組むテーマが加わってきます。

【CROHACK】事業開発スタディ記事_page-0001

つまり、「誰が(どのサイズの企業が) × いつ(どのフェーズで) × いかに(どういう手法で) × なにを(何のテーマか)」事業開発していくのかという点をチーム内で共通認識にしておくことは、コミュニケーションの面でも、エグゼキューションの面でも非常に重要となります。

さて、あなたのチームが取り組みたい事業開発とはどのようなものでしょうか?ぜひこの機会に一度立ち止まって整理してみてください。

-チームメンバーが取り組みたい事業開発について共有してみよう

事業開発に取り組むための新設チームを作ったクライアント企業にオススメしていることがあります。それは、それぞれのメンバー各自がどのような事業開発をしたいと考えているのかの共有です。

・どのフェーズ?
・どのような手法?
・何のテーマ?

シンプルに上記のような問いでメンバー間の意見交換を行うと、多くのマネージャーの方は驚かれます。みんな、やりたいことがバラバラなのです。

既存事業を世の中へインパクトを与えられるレベルにグロースさせたいという人や、新たな商品を開発して自社の商品ポートフォリオの組み直しをしたいという人、テーマは関係なしに自分がこのマーケットを作ったと語れるような事業開発をしたい人などなど。

世の事業開発に取り組むチームの大多数は同じような状況なのでしょう。

ちなみに余談ですが、私の場合は、企業サイズは問いませんが、社会課題解決に寄与するようなテーマの新規事業の立ち上げ、0→1を行うような事業開発に関わりたいと考えています。(過去起業してプロダクトを作っていたので、なおさら新規事業開発に関心が強いのです)

このように各自の想いを共有しておくことは、チームビルディングの観点からも非常に重要です。


-「事業開発スタディ」を通じて他社事例を取り込む

お待たせしました!
それでは、数々の企業の事業開発力を高めてきた「事業開発スタディ」についてお話します。

「事業開発スタディ」とは、様々な企業の事業開発事例を持ち寄ってのディスカッションです。狙いは、他社の事業開発事例のエッセンスをスタディとして蓄積することで、自社の事業開発の引き出しを増やすことにあります。

あなたの会社も同様の取り組みをすることで、他社の事業開発事例のエッセンスを自社に取り込むことが可能です。

私がオススメしている手法としては、新規で事業開発に取り組んだ企業の事例に絞り、下記5点の視点から各自ピックアップして持ち寄る。(5~10事例程度)
そして、3時間程度のまとまった時間を確保してみっちりと意見を言い合う場をもつことです。

1. なぜ選んだのか?
(その企業が好きだから等、主観的、定性的なことでOK)
2. その企業における事業開発の背景や課題は何だったか?
3. 既存の事業はどのようなものか?
4. 新規の事業でどのようなことを行ったか?
5. そこから得られる示唆は何がありそうか?

持ち寄った事例についてはチーム内ディスカッションを行うことで、自分たちなりの解釈をしてフォーマットに落とし込んでいきます。

【CROHACK】事業開発スタディ記事_page-0002

このとき重要なポイントは3点です。

① 事実として正しいかではなく「○○と解釈した」ことを重視すること
② その企業が事業開発によって何を実現し、企業に何をもたらしたのか考えること
③ 企業はどのアセットを活用して事業開発を行ったか考えること

このようなスタディを考える際は、どうしても正しいことを捉えたくなります。しかし、自社のことではないので真相は分かりませんし、正しいかどうかはあまり重要ではありません。

事業開発によって、その企業に何が起きたのか自分たちなりの解釈を考えることが重要であり、これがなければ他社事例のエッセンスを自社に取り込むことはできないのです

また、事業開発を推進するに際して、各企業は自社アセットを活用しているケースが多いです。私たちは、新規事業のタネとして活用できる自社アセットの単位のことを「バリューカプセル」と呼んでいます。

各企業が保有するアセットをどのような単位に分解して活用しているのか見ることで、自社とは違う業界の事業開発事例もどのように自社に取り組むべきか見えてくるはずです。

バリューカプセルについては、こちらの記事をご覧ください。新規事業開発に欠かせないバリューカプセルの見つけ方は以下の記事にてご紹介しています。

-事業開発スタディのすすめ

いかがでしたでしょうか。
早く「事業開発スタディ」に取り組みたくてウズウズしている方もおられるかもしれません。

組織として事業開発力を持つことはVUCAと言われる今の時代において非常に重要です。
質の高い事業開発スタディや、事業開発スタディを実際の事業開発に活かすアプローチに関しては、お気軽にご相談ください。

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■この記事を書いたひと
酒井 芳樹(さかい よしき)
大手銀行、大手総合広告代理店、ITスタートアップ起業を経てリブ・コンサルティングへ。多様な経験を活かした事業開発支援を得意とする。