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デジタル時代の営業手法3つのポイント-トップセールスの特殊スキルに依存しない組織づくり

こんにちは、CROHackです。

従来の営業手法は、個人の特殊能力を駆使した営業スタッフの活躍が有効とされていました。良くも悪くも、個人の力に依存していたと言えるでしょう。

しかしデジタル時代には、特殊能力に依存しない営業手法が求められているのです。見方を変えると、「再現性のある」営業手法が構築できるようになったことで、営業スタッフ個々人の能力以上に営業組織としての教育能力が求められるようになったと言えるでしょう。

今回のnoteでは、デジタル時代の営業手法における3つの構成要素をご紹介します。

-「特殊能力」に依存しない営業手法が求められている

多くの企業において、営業手法は個々の営業スタッフにゆだねられているところがあります。そして多くはトップセールスや先輩営業スタッフに「同行する」OJT形式の研修スタイルによって受け継がれていくものです。しかし、この従来からの方法には問題があります。

なぜなら、個々の営業スタッフの「特殊能力」に頼った営業をベストプラクティスとしてしまうと、たまたま同行して研修を受けたトップセールスの「特殊能力」を持っていない営業スタッフが、仮に他の分野で優秀であったとしても “成果が出ない”営業スタッフになってしまうことがあるためです。

特定の「特殊能力」に偏った営業手法ではなく、企業・組織として特殊能力に依存しないベストプラクティスを提示しなれば、本来優秀な営業スタッフの能力を引き出せず、会社としても本人としても”勿体ない”状態が続いてしまう可能性があります。

-優れた営業手法の3つの構成要素

優れた営業手法には、「カスタマージャーニー」、「営業プロセス」、「リードを絞り込む手法」の3つの構成要素があります。そしてこの3つの要素は、成功する研修プログラムの軸となるベストプラクティスになります。(そのため我々では、研修プログラムの作成を含めて営業組織の仕組み作り4つのステップと呼んでいます)

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それぞれについて解説していきましょう。

・カスタマージャーニー
営業戦略の設計は、最初にカスタマージャーニーを作ることからはじめるべきです。
カスタマージャーニーとは、顧客が商品を購入する際にたどるステップの全体図を指します。例えば、顧客が何かの課題に直面すると、その解決策を調査し、候補リストを作成して評価します。そしてそれぞれの候補を選択することによるROI(費用対効果)を算出し、いずれかを選びます。

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この顧客がたどるすべてのプロセスがカスタマージャーニーのいずれかのステップによって表されます。

・営業プロセス
営業戦略の設計をカスタマージャーニーから始めることで、営業スタッフは顧客のニーズを最優先にして思考・行動ができるようになります。また、カスタマージャーニーのそれぞれのフェーズに対して、営業がどうサポートするかを設定すれば営業プロセスを作成することができます。

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例えば、カスタマージャーニーで見込客が「サービス選定」フェーズにあるとき、見込客から「商品についてもっと知りたい」という問い合わせがあれば、「関連情報をメールする」、「電話をして分からないところを掘り下げる」などの営業サポートをすればよいなど、ケースごとの営業活動を定義することが可能になります。

・リードを絞り込む手法
カスタマージャーニーに対して営業プロセスを定義することができると、次はリードを絞り込むための指標を定義し、手法を決めることができるようになります。指標とは、営業プロセスのさまざまな段階で集めてきた情報です。

一般的には「BANT」という指標が使用されています。「Budget(予算)、Authority(決裁権)、Need(必要性)、Timing(導入時期)」のことです。このBANTの指標は古い方法ではあるものの、スタートとしては適しています。もし見込客の背景をより深く理解することができれば、BANTよりも役立つ指標へと進みましょう。ただし、指標はシンプルで分かりやすいものにすることが大切です。

-営業手法を中心とした研修カリキュラムを作る

営業手法が明確になれば、研修カリキュラムは比較的簡単に作成できます。なぜなら、営業手法の要素を、その営業手法を作ったときと同じ順序で導入すればいいからです。

まずはカスタマージャーニーの研修から始め、見込客が各段階で検討することで生じる疑問の例を深く掘り下げ、研修を受ける社員が深く考えられるようにします。その後、営業プロセスの研修に移ります。これは個別の講座がいいでしょう。テーマは「リードの開拓」「初めての電話」「ニーズを探り出すための電話」などです。

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研修を実施する社員には、優秀な営業スタッフを選ぶのが良いでしょう。特にそれぞれのテーマについての特殊能力を持った人が担当すれば、持ち前の特殊能力を駆使して営業を行っている営業スタッフたちの能力をつぶすことなく、むしろ役立たせることができます。

このような研修カリキュラムを設計することは、営業同行研修と比べて予測可能、測定可能な再現性の高い営業育成方式を確立することにもつながります。

-まとめ

今回は、デジタル時代の営業手法に求められる3つの要素と、それを踏まえた上での育成プログラムの作成についてご紹介しました。冒頭にもお伝えした通り、これからの時代に求められる特殊能力に依存しない営業手法は、言い方を変えると育成プログラムを整備すれば多くの営業スタッフを「優秀」と呼ばれるレベルまで引き上げやすい環境にあると言えるでしょう。

営業スタッフの特殊能力を活かしつつ、予測可能な育成につなげるためには営業”組織”としての基盤強化が必要です。