最新グロース戦略と評価制度づくりを話題のベンチャーが語る-ICCサミット FUKUOKA 2021 プレイベントレポート
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最新グロース戦略と評価制度づくりを話題のベンチャーが語る-ICCサミット FUKUOKA 2021 プレイベントレポート

こんにちは、CROHackです。

国内最大級のベンチャーイベント「ICCサミット FUKUOKA 2021」が今年2月15日~18日に、福岡で開催されます。

弊社リブ・コンサルティングでは、2つのテーマでセッションを持つ予定です。16日は『Jカーブ成長の落とし穴 -スタートアップ事業拡大フェーズにぶち当たる課題と対策を徹底議論』と題して、グロース戦略についてお話します。

翌日17日には『組織の魂は「評価」に宿る - ベンチャー企業の成長に欠かせない、最強の組織戦略』をテーマにセッションを進めます。

グロース戦略と組織戦略は、いずれもベンチャー企業の成長の“かなめ”であることは言うまでもありません。ということで、2月の本編開催に先立ち、昨年12月に各テーマにそったプレセッションが、ICCアカデミーにて行われました。本編の予告編とは思えないほど、大変な盛り上がりを見せたプレセッション、その様子を少しご紹介しましょう!

-Jカーブ成長を実現する“ブリッツスケーリング”とは?

12月15日に行われたのが『Jカーブ成長の落とし穴 -経営者が押さえるべき「見極め」「速度調整」「組織態勢づくり」』。ベンチャー企業にとって、Jカーブ成長は理想である一方、必ずそれに立ちはだかるのが“死の谷”です。これをいかに早く切り抜けるか、それを説いたのが、昨年に日本でも話題となったリード・ホフマンの著書「ブリッツスケーリング」です。

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さて、日本市場において、ブリッツスケーリングを成功させる必要条件とは何なのか?パネラーには、2月の本編同様、OYO LIFE菊川さんとLIFE IS TECH讃井さんにご登壇頂きました。

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(画像ICCご提供)

-【OYO LIFE】スピード以外考えるな!徹底したデイリーマネジメントで一気に拡大

菊川さんは、OYO LIFEの事業責任者として、同社のJカーブ成長をリードしてこられました。OYOがインド本国のホテル事業でブリッツスケーリングを成功させた頃、同じく日本では賃貸事業で同戦略が実行にうつされる直前でした。

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(画像:ICCご提供)

菊川航希 さん
OYO Japan AVP / ソフトバンク株式会社 事業開発統括


菊川:「業界トップの大東建託が物件数100万戸、売上1兆円、利益1000億円、これをどうやったら2~3年で作れるかを死ぬ気で考えていました。」

スケール、プロフィットは一切考えず、スピードだけに注力し、今決める“いまカルチャー”が全社員に徹底されていたと言います。売上、物件獲得、採用など、すべてにおいて規格外の高い目標を立て、実質1期目で年商50億円を達成、チームは1000人を超える凄まじい勢いでした。

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菊川:「成長できた一番の要因は、デイリーマネジメントの徹底です。目標は常に3か月スパンで決め、ひたすらそれを乗り越えていく。日常の業務では、やり方と基準と行動指針を決め、誰がやっても間違わないくらい、シンプルな稼働だけを毎日繰り返していました。」

-【LIFE IS TECH】事業スピードに緩急がつけられる“変化に強い組織”をつくる秘訣とは?

一方、LIFE IS TECHの讃井さんは、学校向けプログラミング教材の拡販で、今まさにブリッツスケーリングの最中にあります。ギガスクール構想、新型コロナによる現場のオンライン化、学習指導要領改定など、“150年に一度の大変革”を前にして、創業から10年、じっくりと築かれてきた同社組織は、どのような形で今、この好機をとらえているのでしょうか?

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(画像:ICCご提供)

讃井康智 さん
ライフイズテック株式会社 取締役 最高教育戦略責任者(CESO)

讃井:「この10年間、サマーキャンプの販促や自治体の開拓など、あらゆる形で、小さなブリッツスケーリングを何度も繰り返してきたからこそ、今、風に乗れていると感じています。」

カルチャーフィットする人だけを慎重に採用してきたという讃井さん。以下の表でも同社は企業文化、戦略においてはブリッツ型組織である一方、人材、マネジメントに関してはファスト型組織であると言います。

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讃井:「モチベーションクラウドでは、均質さに欠ける結果が出つづけているものの、『理念』と『事業』の2項目だけはいつも強烈な一致が出ています。職種や立場は違えど、メンバーの団結力はあるんです。」

“教育を変える”という共通理念のもと、多角化する中でも、いい意味での人材のバラつきが、緩急のついた事業推進に耐えられる強靭でしなやかな組織を生んだと、讃井さんは分析します。

-課題が顕在化してからではもう遅い。シード期から人事評価制度を入れるべき理由とは?

そして、12月17日に行われたのが『ベンチャー企業の成長に欠かせない、最強の組織戦略~組織の魂は「評価」に宿る』です。なぜ、このテーマを取り上げるのか?

スタートアップの事業グロースには“成長痛”が伴います。それが急成長であればあるほど、組織にはいろいろなところで“ひずみ”が生じます。問題がおこってからでは遅く、実際に評価制度を作るだけでも、最低半年~1年はかかり、その間、組織へのダメージは重なっていく一方です。

スタートアップであるからこそ、将来の急成長を見据え、先回りした人事評価制度を導入しておくべきなのです。

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さて、プレセッションで登壇頂いたのは、3名の人事のスペシャリストです。

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(画像:ICCご提供)

-【Macbee Planet】人事評価制度はいかに組織にわかりやすく伝えていくかが鍵

Macbee Planetの岸井さんは、ポーラやPwCなどでオールラウンドに人事キャリアを積んでこられ、昨年3月にマザーズ上場した同社へ8月に入社されました。同社は6期目に入り、社員数は50名を超え、これから非連続成長を目指すにあたり、組織体制を根本から見直したところです。

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(画像:ICCご提供)

岸井 隆一郎さん
株式会社Macbee Planet 人事・広報部 部長(CHRO)

岸井:「経営陣が思っていることが、チームの末端にうまく伝わっていかない。日常業務のあらゆる場面でそれが表出してきている、典型的な組織課題がありました。」

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組織課題を解決するために、新たな報酬制度、評価制度、等級制度を作っていく中で、実は制度設計にはあまり時間をかけなかったと、岸井さんは言います。

岸井:「大事にしたいのは、どう伝え、どう運用していくかです。プロジェクトにかける工数全体を100とした時に、最初のコンセプトづくりに30~40、制度設計には20、残りすべてはどう伝えるかに心血を注ぎます。中途半端に伝わらないように、ラストワンマイルをどうやって組織にわかりやすく伝え、丁寧に擦り込んでいくかが重要なんです。」

-【ネットプロテクションズ】マネージャー職を廃止しTEAL組織をいかに作ってきたか?

ネットプロテクションズの秋山さんは、自社のTEAL型組織づくりについて語ってくれました。

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(画像:ICCご提供)

秋山 瞬 さん
株式会社ネットプロテクションズ 執行役員

秋山:「“あるある”な組織課題があがっていた中、2018年に2度目の人事評価制度改定をしました。人事評価制度がある理由は、「社員の成果・成長・幸福の最大化のため」という共通の認識もち、それをブレイクダウンさせたときに出てきたのが、この3つの特徴でした。」

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どうしても人事評価制度をつくる際は「報酬をどう分けるか?」ということに、頭が行きがちだが、どう評価するか、どうメンバーを成長させていくかということが最も大切だと、秋山さんは言います。

そこで、先の図に示されているとおり、①役割のフラット化により、MGR職を廃止し、固定的な意思決定ヒエラルキーをなくしました。②メンバーの成長支援につながる評価軸にシフトし、そして③フェアな報酬ポリシーにより、ある程度、報酬の透明性を持たせることで、評価に対するフィードバックの場ができる仕組みをつくったのです。

-【ワークスヒューマンインテリジェンス】人事評価制度は創業者の想いが詰まったものであるべき

ワークスヒューマンインテリジェンスの野田さんは、多彩な人事キャリアをお持ちです。

新卒入社で三菱銀行に在籍後、100人のベンチャー企業に籍を移し、社長と二人三脚で人事部門を立ち上げられます。その後、当時500人から1万2000人になる成長期の楽天で2度の人事制度改定に取り組まれました。
そして、世界一の従業員数をもつウォルマートを経て、現在の職務につかれています。
また、現在は東証一部のIDOM、社食惣菜のスタートアップOKANの社外取締役も務めています。

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(画像:ICCご提供)

野田公一 さん
株式会社Works Human Intelligence 最高人財責任者(CHRO)

野田:「人事評価制度は創業者の想いが詰まったものであることをお伝えしたい。

組織が10名を超えれば人事制度を作るべき。この時点ですでに、経営者のあなたが思っているほど、社員はあなたのことをわかっていない。」と野田さんは言い切ります。

どうしてこの評価になったのか、誤解を防ぐためにも、人事評価制度づくりには、経営者が自分の思考を研ぎ澄ませて、どういう人を採用し、どんな処遇をして、どう育成していくのか、これらを3つほどの要点に絞り込み、それをシャープに言語化していくプロセスが必要だと伝えます。

(以下は楽天の三木谷さんが創業2年目に書いた成功の5つのコンセプト。25年を経た今も評価の軸として大切にされている。)

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さらに評価は、年に一度の通信簿ではなく、毎週、毎日のようにメンバーへのフィードバックを明確な言葉で伝えていくための道具として活用すべきだとも言います。

全社員が、日ごろから自分に対する評価を把握できていて、期末の評価結果が出るタイミングでは一切驚きがないという状態をつくるのが、成長ステージの会社にとってベストだと言及されました。

-いよいよ来週ICCサミット FUKUOKA 2021が開催!

さて、実に多彩なパネラーが登壇されたICCアカデミー、その一部を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
今年2月に開催される「ICCサミット  FUKUOKA 2021」の前哨戦とするにはもったいなほど、盛りだくさんな内容だったことが伝わったかと思います。

Jカーブ成長を目指すスタートアップが、日本市場において、ブリッツスケーリングを敢行する時、そこにはどんな落とし穴があるのか、そしてそれに耐えられる組織づくりとはどのようなものであり、さらに具体的な人事評価制度づくりをするには、どのような思考、スタンスで取り組んでいくべきなのか、各領域で豊富な経験をもつパネラーの皆さんに語って頂きました。

ICCサミット FUKUOKA 2021は、いよいよ2月15日スタートです。両セッションとも当日の本編では、それぞれ75分ずつ、さらに詳しく語られる予定です。是非ふるってご参加下さい!

なお、今回のICCアカデミーのプレセッションは、イベント主催ICCのWebでも別途詳細がレポートされています。本編開催までにもっと知りたい方は以下リンクからご覧ください。


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