超一流フットボールプレイヤーにCEO就任して頂いたことの振り返り
なぜイニエスタ?
最初にリリースを出した当時、多くの方から「なぜイニエスタ?」という質問をいただきました。
なぜ、経営コンサルティング会社が一流のフットボールプレイヤーをブランドアンバサダーとして起用したのか。
経営コンサルティング会社がタレントやスポーツ選手を起用するケースは一般的ではありません。
社内外からもらった意見で多かったのが、
経営層がイニエスタ選手のファンだっただけではないか…
という内容です。
(その側面があったことは否定しません、リブ・コンサルティングの組織づくりには、イニエスタ選手や所属されていたFCバルセロナの考え方に大きな影響を受けています)
今回の記事では、自社のブランド戦略の振り返りの意味も込めて、「なぜイニエスタ?」の質問への回答を残しておきます。
これからタレント・ブランドアンバサダー活用を検討される経営者・担当者の皆さんにとって、少しでも参考になる情報をお伝えできればと思っています。
ビジョンの達成手段としてのアンバサダー起用
そもそも、なぜ経営コンサルティング会社が一流のフットボールプレイヤーを起用するに至ったのか。
一番の理由は、ビジョンの達成手段として有効と考えたためです。
私たちは、中期目標として「日本発祥の経営コンサルティング会社として日本市場、そしてアジア市場でナンバーワンシェアを実現する」を掲げています。
現状の課題として、業界トップのコンサルティング会社との規模・認知率などの差は大きいです。
また、経営コンサルティングの市場は人材獲得競争も激化しています。
大手外資系コンサルの、ボストン コンサルティング、アクセンチュアなどと比較された際に選ばれる会社になる必要があります。
顧客側からの認知、求職者からの認知、どちらも課題がある状況でした。
新市場を創るアプローチを研ぎ澄ます
競合が厳しい中でも、勝ち筋も見えてきています。
当社が新しく生み出してきたベンチャー向け経営コンサルティングの市場は日本だけでなく、アジアでも急成長している為、ナンバーワンとなるチャンスは大いにあると考えていました。
我々が創り出そうとしている、ベンチャー向け経営コンサルティングの新概念をより多くの人に伝え、ビジョン達成に最短で近づく方法を探っていきました。
ブランドアンバサダー起用を選ぶ
複数の手段の中で、ブランドアンバサダーを起用するアイデアが社内で上がりました。
社内の企画整理をした時の図解がこちらです。
複数の企画案をテーブルに並べる中で、認知度の課題を解決するためには「著名人起用」のアプローチが有効であるという結論に至りました。
ここまでのお話しが、経営コンサルティング会社がブランドアンバサダー起用を意思決定した背景です。
一度まとめます。
追求したいブランドイメージを固める
著名人を起用することが決定した後は「誰に依頼するか」の選定に入ります。
誰にブランドを語ってもらうか?は5年後、10年後のブランドイメージを決めると考え慎重に検討を進めました。
ブランドの想起イメージを整理する
続いて、ブランドアンバサダーを通じて何を伝えたいのかを整理していきました。
このようなブランドイメージを体現してもらうために、最も相応しいのは誰か…
企画会社から複数の著名人を提案してもらいながら比較検討を進めました。
企画会社からは、スポーツ選手(大リーガーやオリンピック選手)からお笑い芸人まで広く提案をもらいました。
選定基準としては大きくは一つだけでした。
タレントの知名度重視で選ばない
一般のタレントや俳優などの有名人は、知名度は高くてもリスクとしてブランドイメージを下げることに繋がると考えました。
認知率が高まれば良い、マーケティングのリード獲得効率が高まれば良いといった妥協的な選択はせず、自分達が大切にしている価値観や目指している姿を体現してくれる人に依頼を進めたことは、いま振り返っても妥協しなくて良かったと思える点です。
投資金額が多少上がったとしても、本物の人に語ってもらうことはブラさないことには、こだわって決めていきました。
答えは、必然的にイニエスタ選手一択となりました。
しかし、この時はイニエスタ選手に依頼が可能なのかはまったくわからない状況でした。
イニエスタ選手に直接メッセージを送る
こちらは、イニエスタさんに直接メッセージとして出した文章の一部です。
約4,000文字の長文メッセージを送りました。
そして交渉や調整の結果…
このような経緯から、ブランドアンバサダーとしてイニエスタ選手の起用が決まりました。
イニエスタ選手×リブ・コンサルティング
イニエスタ選手にご協力いただいてのコミュニケーション戦略の一部をご紹介します。
コアメッセージを伝える対談動画では、イニエスタ選手からベンチャー企業に対するアドバイスをもらいました。
こちらはNewsPicksに出稿したブランドコンテンツです。
イニエスタ選手のフィロソフィーとリブ・コンサルティングの共通点を対談形式で紹介させていただきました。
ブランドアンバサダーの選定には「軸」が必要
最後に、ブランドアンバサダーを選定をする際に大切にしていて良かったこと、これから同じような仕掛けを検討される皆さんにメッセージをお伝えできればと思います。
私がブランドアンバサダー選定時に最も大切にしていたのは「一流」であることでした。
正直にお伝えすると、スタートアップ界隈でタレントを起用し、タクシーや TVCMでブランド名を連呼する表現には違和感を感じていました。
特に、BtoBビジネスで大企業の支援をするような業界では、面白く出て認知を獲得することはリスクも大きいと考えています。
これは、求職者に対しのイメージでも同様です。
ハイキャリア志向をもっている方にとっては、品があるイメージがあることは大切となります。
我々のタレント起用プロジェクトは認知獲得が目的ではあったものの、ブランドの品格を絶対に失ってはいけないと考えていました。
この考えは今でも間違っていなかったと思っています。
アンバサダー選定の軸がブレなかったからこそ、派生した効果も生まれました。
印象に残っているエピソードをご紹介します。
海外企業との商談の中で、提案資料で「イニエスタ選手がCEOであること」を紹介しました。
海外では、サッカー選手は神のような存在であり、その中でイニエスタ選手に対するリスペクトは世界共通です。
イニエスタ選手とあわせて、リブ・コンサルティングの核となる要素を理解してもらえた瞬間でした。
「日本発祥の経営コンサルティング会社として日本市場、そしてアジア市場でナンバーワンシェアを実現する」
ビジョンの達成に、妥協しなかったからこそ近づけたと感じています。
最後に
ブランドアンバサダーの選定は、10年後、100年後に「その人にブランドアンバサダーを依頼したことを後悔をしないか」で選ぶこと。
これが最も大切だと考えています。
私は、数十年後に、リブ・コンサルティングの最初のブランドアンバサダーがイニエスタ選手であったことは、後悔を絶対にしないと言い切れます。
ブランドアンバサダー選定は、短期のマーケティング成果だけで判断をしないこと。
これからブランドアンバサダーやタレント起用を考えるスタートアップ経営者の皆様に、少しでも参考にして頂けましたら幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。