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CRORadio_新規事業の罠シリーズ#4
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CRORadio_新規事業の罠シリーズ#4

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CRORadioは、CROHackの音声メインコンテンツです。
アドバイザリーの黒澤さん(@KurosawaTomoki)にモデレーターになっていただき、編集長の松尾(@daisukemo)との対談形式でお送りします。

この記事は、音声コンテンツをわかりやすく文字に起こした記事です。音声より文字で情報をキャッチしたい方におススメです。この記事では、最後に「収録後記」として収録の際の小噺や、時間の都合上編集でカットしてしまったお話なども紹介します。

ダイジェスト解説

YouTubeまたはSpotifyで、ラジオ音声を聞きながらお楽しみください。

黒澤 
ここまで、新規事業の罠シリーズで戦略、組織の罠を紹介し、前回は”風のヒト”である新規事業の責任者が”土のヒト”に対して、”水のヒト”という翻訳家を介してクイックウィンを作り、それを伝えていくことが重要である、というお話しをしてきましたね。

今回は新規事業の罠シリーズとうとう最終回<実行課題>です!

松尾
戦略→組織ときて、実行ー実際に動くフェーズまできました。よく実行の方法論が語られがちですが、今回のシリーズは罠に着目しているのでタイムリミットについてのお話です。

黒澤
新規事業におけるタイムリミットの話ですね。

松尾
そうです。「いつまでに答えを出すのか」が実行課題なんです。

黒澤
答えを出すのか?…それは具体的に何をいつまでにということなんですか?

松尾
このタイムリミットはモメンタムのようなものだと考えてください。なので、事業変革に対するテンションがいつまで持つのか、ですね。

結論を先に言ってしまえば、長くても2年です。さまざまな会社のコンサルティング支援や、話を聞く中で明確に見えてきた数字です。

黒澤
2年…!?なるほど…?(長いのか短いのか…?)

松尾
「事業開発のアイデア思考してまだ半年だよー」っていう人もいますが、そもそもスタートが違います。例えば中期経営計画や社内発信などで「事業開発をやる」と掲げた瞬間がスタート。そこから2年がタイムリミットです。

新規事業にあたって、一番最初に組織づくりから取り組むという会社もあります。その組織をつくっている間にもう1年経っている、なんてことも少なくありません。そうすると残り1年しかないんですよね。

黒澤
そういうことですね。答えが出てる状態というのはどういう状態ですか?

松尾
”目標売上を達成した”状態などではなく、社内が明確に成果に納得できる状態ということですね。前回、組織課題の説明でクイックウィンを作るという風にお伝えしましたが、まさにこれが2年以内に見えないとダメですね。

黒澤
クイックウィンを作れずに社内が「あの活動はなんだ?」と感じている状態が2年を越えている場合ですね。その状態になるともう何を変えても難しいよ、って話ですね。

松尾
なぜ2年でタイムリミットを迎えるのか、4つの理由があります。

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①オーナー(担当役員など)が変わる
組織変更などで担当役員が変わる/居なくなることで、方向性が途中で変わるなどうまくいかなくなる。

②アイデアだけが増え低生産性が低くなる
アイデアが増えていき、それぞれが分科会化。アイデアの数だけプロジェクトや検証が増え生産性下がり現場がひっ迫する。

③管理者が増える
長期間目に見える成果が出ていないと思われると経営層、マネジメント層の投下が増える、そのぶん実行者が減り、結果管理者ばかりの動きにくい組織になってしまう。

④社員の人がしびれをきらす
活動自体にネガティブな見方になり、「それ見たことか(やっぱり成功しないじゃないか)」と思われる。

黒澤
この4つを回避するために、時間を意識することが大事なんですね。まずは2年。人を増やしすぎず、アイデアを出しすぎず、クイックウィンといった小さな成功体験を作ることに集中する、と。

松尾
当然、初期成果だけではなく、事業化・収益化などの出口戦略や社外どうインパクトを与えるかを考えることも重要です。ただ、それまでに社内の方が大きなインパクトを感じているということを意識するべきですね。

外部に対して大きな成果や変化はないように見えても、組織変更や、事業変革は、社内にとって大きなインパクトが続いている状態です。

なので、組織の疲弊も考えて、タイムリミットを決め、時間意識を持ってPDCAを回していかなくてはならないんです。

黒澤
その時、具体的に押さえるポイントはありますか?

松尾
まったく新しいやり方があるわけではなく、事業開発や商品づくりでよく言われる、プロダクトアウトやマーケットインというような、内部的・外部的なアプローチを同時に行う、これに尽きるかなと!

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黒澤
内部と外部を同時に??

松尾
立ち上げ期の段階は、「まず自分たちで考える」という考えになるのが、あるあるなんです。まず自分たちで考えるのは悪くないし当たり前なんですけど、ある程度出来上がった段階で外部の意見を聞いても、前述のとおりタイムリミットは2年しかないんですよ。

本来であれば、何度も何度も検証活動をやりたいじゃないですか?であれば、最初から外も巻き込む。

それは決して戦略立案から外部任せにするという話ではなく、きちんと外の声を聞きにいくということ。外部を活用することと、内部で動くということは別軸で、かつ同時進行でやれるように、となんですね。

黒澤
たしかに、まずは内部からなら進めやすいから…ってありがちですよね。

松尾
最初は時間があるように見えるので。でも内部だけの活動を半年とか続けていたらもうすでに4分の1終わってますよ。

黒澤
1年思考できるなら長いと思ったけど検証活動や初期成果を作るまで考えると短いですね、2年って。それを認識するかしないかで変わってきますね。

松尾
過去に戦略面でお話した、内部のアセットを探すバリューカプセルのアプローチも、バリューカプセルを探し続けるだけじゃダメなんですよ。同時に市場機会の探索もしないといけないんですよね。

この同時進行というのは組織にも言えます。最初に”風のヒト”が進めていってもどこかでは”土のヒト”を巻き込みながら、クイックウィンを作っていかないといけない。

インサイドのアプローチ、アウトサイドのアプローチを両方をコントロールしながら自分たちの事業活動の設計を組むことが重要なんです。

ウォーターホール型で一個ずつ仮設検証して次に進む…という活動をしていると、どうやっても2年以上時間はかかっちゃいますよ。笑

それに、「うちはアジャイル型です」っていう方もいるんですが、実はウォーターホール型を超短期でやっていることをアジャイル型と勘違いしている場合もあるんです。

外部と内部を交互にではなく同時に行う仕組みを設計することがすごく大事かなと思います。

黒澤
最短はどれぐらいの期間でクイックウィンを出しているものなんですか?

松尾
早いところは3か月でクイックウィンを出してますね。

黒澤
なるほど、じゃあ、もうそこを狙いにいったほうがいいですね。2年というタイムリミットを考慮したうえで、3か月目で社内の合意形成をして、もう一歩進んだクイックウィンを果たしていく、というような。

松尾
この2年のタイムリミットは、常に更新されるものだと思ってください。社内で”事業が進んだ感”が達成できれば、そこが起点になって次のリミットの2年が始まるんです。

新しいアクションに移るたびに、2年間のリミットのタイマーがリセットされてまた回り始める、というよう考えておくとスピードも落ちなくなると思いますね。

黒澤
なるほど。改めてタイムリミット認識すると、プロジェクト全体、特に初期のプロジェクト設計も変わってきますね。

松尾
そうですね!

黒澤
このシリーズ全3回の戦略・組織・実行のそれぞれの罠を認識しておくだけでも、事業開発の動き方は変わる、成功確率を上げにいけますね。

松尾
実際、事業開発に特効薬はないと思っています。紹介してきた3つの罠すべてを回避することも難しいです。なので3つの罠すべてに陥ってしまったらアウトだと思ってください。さすがに3つの罠に陥って成功している企業は見たことないので。笑

まだ未然に回避できるところから取り組んでいくことが重要だと思いますので、でぜひこの機会に見つめなおしていただければと思います!

黒澤
では3つの罠シリーズのお話はここまでで、次はどんなお話をしましょうか?

松尾
どうしましょうか…まだ決まりきってないですが罠のお話をしたので、次のとっかかりを考えると「事業アイデア」かなと思ってます。世の中に事業アイデアの出し方のノウハウって溢れているんですが、それだけ皆さん悩んでいる、ニーズのある課題だと思うんです。

黒澤
アイディエーションですね。わたしも楽しみです!次回は年明け1月末~2月頃からのお送りになると思います。皆さんもまた次回もお楽しみに!

編集後記

2年というタイムリミットは、おそらく今後はどんどん短くなっていきます。ただ、ある一定サイズ以上の企業であれば、これがじゃあ3ヶ月とか6ヶ月で結論を!とタイムリミットありきで目標設定したり、無理な活動計画を立てることは逆効果です。

使える時間は、最大限使った方が良いことに間違いはありません。

大事なのは自社にとってのタイムリミットがいつかを的確に読むチカラです。そして、事業責任者にはそのタイムリミットの中で最終的には「何とかする」能力、どんなことをしてでも最後は結果を出すという意志が求められます。




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