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新規事業開発に求められるスキル-事業を生み出せる人材に必要なマインドとは

こんにちは、CROHackです。

企業が生存競争で勝ち残っていくためには、既存事業の成長はもちろんのこと、時代に合わせて新規事業を展開していくことも重要な要素の一つです。
しかし、新規事業開発というのは、斬新なアイデアや、既存アイデアからの発想転換などが求められるため、誰でもできる業務ではありません。

そこで今回のnoteでは、新規事業開発にはどのようなスキルが求められるのかをご紹介します。

新規事業開発を担当される方はもちろん、これから新規事業開発を任せる担当者候補選択で悩んでいる経営者の方もぜひご覧ください。

-新規事業開発は今や重宝される時代に

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冒頭でも触れたように、新規事業の立ち上げは、会社がこれからも社会から必要とされるため、欠かすことのできない要素の一つです。

「イノベーションを起こして会社を飛躍的に成長させるため」だったり、「既存事業より利益率の高い領域に進出するため」、「進めている事業のピボットのため」など、会社によって新規事業を立ち上げる目的はさまざまですが、既存事業の継続・成長のみに注力することなく、新しい領域で自社が活躍することができないか、模索していかなければならないのは、どの企業においても共通して言えることでしょう。
特に、中小企業においては、新規事業の立ち上げを常に模索し続ける重要性は高いです。

近年の有効求人倍率の向上、新型コロナウイルスによるニューノーマル時代に合わせた働き方改革が求められるといった背景もあり、新規事業を生み出すことのできる人材は非常に重宝される時代となっています。しかし、新規事業の立ち上げ経験や実績を持つ人材は慢性的に不足しています。

<新規事業開発の難しさ>
事業企画は1を10まで伸ばす役割に対し、新規事業開発はいわゆる「ゼロイチ」で0から1を生み出す役割です。新規事業開発では、新規顧客へのコンタクト、新製品の開発・投入、セールスチャネルの開拓など、これまでの事業で培ってきた経験が通用しないケースが多く存在します。そのため、通常の事業開発に比べて難易度が高い職務といえるでしょう。

-新規事業開発が上手くいかない理由とは

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新規事業の立ち上げは、成功よりも失敗するケースの方が多く、継続的に利益を生み出すことのできる“アタリの新規事業”を開発できる確率は非常に低いのが実情です。

新規事業はそもそもリスクが高く、「失敗がつきもの」といえます。構想不足やリソース不足といった内的要因の他にも、市場環境の悪さやタイミングの悪さなど、外的要因が原因で失敗してしまうことも多々あります。新型コロナウイルスの感染拡大などは顕著な例として言えるでしょう。

"人財難"の深刻化による新規事業のリスクについては以下の記事で詳しく解説しています。

<新規事業開発が上手くいかない理由>
外的要因は市場調査や顧客調査をどれだけ年密に行ったとしても失敗を防ぐことのできないケースもありますが、人材の能力不足などによる内的要因に起因する失敗は、失敗理由を熟知することで防ぐことができます。

新規事業開発が上手くいかない理由には、以下のようなものが挙げられます。

社内に新規事業のノウハウや知見を有した人材がいない
新規事業の立ち上げは、新たな事業アイデアを生み出すため、毎回0から思考を重ねていくイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、どんな新規事業でも活かすことのできるスキルや考え方は存在します。
社内に新規事業のノウハウや知見を有した人材がいない場合は、全くの0から事業アイデアを生み出さなければいけないため、失敗する可能性は高くなります。

新規事業に割くリソース自体が既存事業によって賄われるため、人材のシフトが難しい
新規事業の開発を任せられるのは、既存事業からの横展開や真新しいアイデアを生み出せる人材ということで、相対的に優秀な人材である可能性が高くなります。
優秀な人材ほど、既存の高利益率のサービスや事業で活躍してもらった方がメリットが大きいと考えられるため、新規事業を任せるには思い切ったアサインが必要となります。

しかし、その思い切ったアサインができなければ、新規事業開発を成功させるのは難しいでしょう。

■優秀な人材をアサインしたからといって成功するわけではない
優秀な人材のアサインが新規事業開発には必要とお伝えしたばかりですが、優秀な人材をアサインしたからといって開発が成功するわけではありません。

このあとご紹介しますが、新規事業開発には情報収集スキルや要約スキル、セルフモチベートスキルなど、さまざまな能力が必要となるため、それらを持ち合わせた優秀な人材であることが、いい成果を生み出すための条件となります。

なお、新規事業立ち上げの狙い目や参入障壁については以下の記事でも詳しく解説しています。

-新規事業開発に求められる7つのスキル

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ここまで、新規事業開発には優秀な人材のアサインが必要とご紹介してきましたが、具体的には、どのようなスキルが必要になるのかを7つご紹介していきます。
細かく挙げていくと、ここでご紹介する以外にも必要なスキルは巨万とありますが、なかでも優先順位の高い必須スキルに絞ってご紹介します。

①情報収集スキル

新規事業の立ち上げにおいて、情報収集スキルはかなり重要なスキルです。
インターネットや書籍から必要な情報を収集する能力はもちろんですが、足を動かして生の情報を取得することも欠かすことができません。
誰でも知ることのできる情報以外を取得することができるか否かが、事業アイデアを生み出すうえでのポイントになります。

ただし、この現代社会においてインターネットを駆使した情報収集を無視することはできません。
検索エンジン経由で探すことのできる情報はインターネット上で取得して時間を短縮し、核となる情報は生の声を収集して精度を高めていきましょう。

②要約スキル

新規事業は、アイデアの具現化の作業です。思考を深めて作り出したアイデアを言語化し、上司や経営陣、更に言うと融資者に正しく事業アイデアを伝える必要があります。そのためには、要約スキルが欠かすことができません。

また、新規事業の立ち上げにおいて、収益が見込めるデータの裏付けなどもちろんですが、担当者の熱意によってプロダクト化するケースもあります。そのため、新規事業の目的や世間に与えたい影響といった事業のビジョンも要約し、言語化しておく必要があります。

③応用スキル

新規事業の立ち上げに際して、使えるリソースや情報はすべて活用していく必要があります。「新規事業=真新しい事業を作る」ではなく、既存事業で得た知見や経験といったアセットをフル活用し、他社事例・他業界事例なども活かしていくため、アセットや事例を咀嚼してアイデアに落とし込む応用スキルが重要となります。

④シミュレーション(事業計画)スキル

新規事業を社内外でプレゼンするにあたり、必要不可下越なのが「この事業によってどれだけの利益を作り出すことができるのか」というシミュレーションです。
投資期間・回収期間・利益の積み上げ期間といった事業フェーズの見込み、LTVやCACなどの指標などを活用しながら、シミュレーションを立ててデータの裏付けをしなければ、プレゼンが通ることはないでしょう。

事業計画を成功させるための指標については、SaaS事業におけるビジネスモデルを中心に以下のnoteでご紹介しています。

⑤プレゼンテーションスキル

新規事業の立ち上げにおいて越えなければいけない壁が、社内外へのプレゼンテーションです。要約・熱意・シミュレーションなどの要素が必要とここまでご紹介してきましたが、プレゼンにおいてはこれらの要素を適切に使い分けながら進めていかなければいけません。
新規事業開発という観点では本質的なスキルではありませんが、会社という組織においてはプレゼンテーションスキルも必要となります。

社内外へ向けた新規事業企画書の作り方については、以下のnoteで詳しくご紹介しています。企画書作成の際には、ぜひお読みください。

⑥コミュニケーション、マネジメントスキル

社内外へのプレゼンが通りプロジェクト化してから必要となるのが、コミュニケーションスキル、およびマネジメントスキルです。

新規事業アイデアを作り出し、実行に移った時にはプロジェクトメンバーにすべて丸投げをしてしまっては、どれだけ勝ち筋のある新規事業アイデアだったとしても成功させることは難しいでしょう。
実務を行わないとしても、プロジェクトの中心には自分がいるようにし、メンバーと適切にコミュニケーションを取りながらチームをマネジメントしていくことで、新規事業を成功させることができるでしょう。

⑦セルフモチベートスキル

そして最後に重要となるのが、自分自身のモチベーションをコントロールするセルフモチベートスキルです。新規事業は失敗や頓挫など、挫折の繰り返しです。
そのため、度重なる挫折に心を折ることなく、粘り強く開発を進めていける図太さや切り替えの速さなどが、新規事業開発には重要となります。
他の業務と兼任している場合は、このモチベーション管理が難しく、新規事業の開発が進まないというケースも少なくありません。

-まとめ

新規事業開発においては、その業務の特性上どうしても必要となるスキルが多くあります。そういった理由もあり、新規事業開発を担当できる人材は多くありません。

企業としては、このnoteでご紹介したようなスキルを持ち合わせた人材を採用・育成するか、複数人でチームを組んで事業開発を進めていく必要があります。
また、社内で新規事業開発に精通した人材がいない場合は、外部リソースを活用するのも一つの手です。

使えるリソースと予算を確保し、新規事業の開発を進めていきましょう。

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