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売上成長率2倍は"ツール"で達成? ヤフー秘伝の営業マネジメントツール「逆算くん」を徹底解剖!

4年間で売上成長率2倍を実現したヤフーとその背景にあるセールスイネーブルメント


4年間で売上成長率2倍を実現したヤフー
ヤフーは、競争が激しい市場においても、着実に売上アップを実現しています。
※今回はヤフーショッピングの事業を取り上げて解説していきます。

売上アップの要因は、「ヤフーには非常に優秀な営業人材がそろっているからだろう」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実情としては、ヤフー広告の営業メンバーの8割が非正規社員であり、営業経験が非常に豊富で、最初から実力があるメンバーがそろっているわけではないのです。

・高校卒業以降に就職をして、営業を経験したことがない
・業務でパソコンを使うことがなく、エクセルやパワーポイントのスキルがまったくない

このような方々も多く在籍されており、その方々の活躍により、ヤフーの売上の成長が実現されています。
その秘訣を本記事では読み解いていきます。


ヤフーの営業の強さは次の3つに集約されます。

1. とことん動く(圧倒的稼働率)
2. とことん調べる(潜在課題の発見)
3. とことん顧客成果にこだわる(最適なソリューション提案)

そして、この3つの強さを、圧倒的なマネジメントとマネジメントの仕組みによって実現をしているのです。
この3つの強さと、その背景にあるマネジメントについて、セールスイネーブルメントの観点から読み解いていきます。

最初に:ヤフーってどんな会社?

ヤフー(Zホールディングス)は①イーコマース事業②会員サービス事業③メディア広告事業④金融決済事業を展開しています。
そして、前年比120%以上の比率で、売上成長を果たしています。

ヤフーショッピングの営業は、ヤフーショッピングを利用している顧客に対して、有料広告を提案する役割を果たします。

強さ①:とことん動く

ヤフー営業の強さの一つに「圧倒的稼働率」が挙げられます。
極限まで付帯業務を減らすことで、本来の営業に集中できる環境が整えられています。

この圧倒的稼働率を支えるのは、「KPI/KDI」です。
そして、「KPI/KDI」の確認を決まったサイクルで行うというマネジメント体制があります。

1.期初:KPI/KDI設定
2.日次:メンバー個人によるKPI/KDIの確認と修正
3. 週次:上司との1on1によるKPI/KDIの確認と修正

強さ②:とことん調べる

2つ目は、「徹底した現状分析によるお客様の本質的な課題の発見」です。
「現状の問題」から「なぜお客様が広告を使う必要があるのか」「どのように使う必要があるのか」を分析します。

強さ③:とことん顧客成果にこだわる

3つ目は、お客様に合わせた「ソリューション型の提案」です。
本来はなくても良いもの(nice to have)を、欲しいと感じていただくための働きかけを行うのです。


なぜヤフーの営業メンバーは高水準の営業ができるのか?


営業未経験のメンバーも一定の割合で存在するヤフーの営業組織で、このような高水準の営業が実現できているのはなぜでしょうか。

その秘密は「徹底したマネジメント」にあります。

営業計画の策定から実行の状況の管理まで、マネージャーが深く関わり、活動の量および水準を担保しているのです。

では、何が、このマイクロマネジメントを支えているのでしょうか?

マネージャーに対するサポートツールとして、次のようなものが存在しています。

今回は、営業計画(KPI策定)に関わる「逆算くん」について紹介をします。

各営業メンバーの営業計画を管理する「逆算くん」


営業計画の管理をするためのツールに「逆算くん」というものがあります。

このシートを用いて、マネージャーと営業メンバーは、各期間における目標と目標を達成するためのプロセスをすり合わせます。

そして、シートにすべてが可視化された状態で1on1を行い、目標達成に必要な行動を一つずつ確認していくのです。


逆算くん

このシートでは、「過去の実績」を基に、メンバーごとに必要な活動量が割り出されるようになっている点がポイントです。

全メンバーを同じコンバージョンの基で管理をするのではなく、各メンバーに必要なプロセス数値をあてて管理をしています。そして、1on1ミーティングで達成進捗を随時確認しながら、進捗を管理していきます。

「逆算くん」を活用したミーティングは下記のように行われます。

マネージャー「現在の売上金額は〇円、着地見込みは〇円、目標にGAP〇円ですね。GAPの埋め方の営業戦略は考えていますか?」
営業メンバー「A方法で〇円、B方法で〇円を埋めようと思っています。特に後者については金額が大きいので企業ごとにお伝えします」
マネージャー「わかりました」

まず、現状生まれているGAPに関する内容から会話を始めます。
その上で、達成に向けて、必要なアクションをアカウントベースで細かく確認していきます。

営業メンバー「まず、企業1にはA方法で〇〇円を販売します。そして、企業2に対しては前回の施策とは異なる内容で、1.5倍の〇〇円を提案します。そしてて今月の目標金額を達成する見立てです。」
マネージャー「企業2は問題なさそうだけど、企業1はA方法よりもC方法のほうが良いかもね。あと、この2つの提案の成約確率が100%とは言えないから、企業3~6の中でも案件を作れないか次回の面談で必ず確認してください。」
営業メンバー「承知ました。そうします!」

このように、実際に成約確率から、どのお客様にどのような提案をすべきか、マネージャーが1on1を通じて確認します。

この会話内容自体は、特別なものではないと思われるかもしれません。
しかし、営業経験が少ないメンバーでも、確実に、そして自然と、目標達成のためのアクションまで明確にできている点は特徴的だと言えるでしょう。

ヤフーでは、このように、各メンバーの本来の能力に頼ることなく、特に、「ワーク領域」「ナレッジ領域」を強化して、営業成果につなげるイネーブルメントを実現しています。

ヤフーのセールスイネーブルメントから学ぶ:ワークやナレッジ起点の営業力強化


「売上成長を遂げるために営業力を強化したい。しかし、メンバーの実力が追いつかない」ということでお悩みの方も多いのではないでしょうか。

優秀な人材の採用によって解消しようという企業も多いかもしれませんが、優秀な人材の採用の壁にぶつかる企業も多いです。

とはいえ、売上成長をさせなければならないという場合には、「ワーク」や「ナレッジ」を起点としたイネーブルメントによる解決が一つの解となりえます。

その具体的な方法の一つが「逆算くん」のようなツールでもあります。
自社にあった「ワーク」や「ナレッジ」のあり方について検討する際に、ぜひヤフーのイネーブルメントの仕組みを参考にしてください。

ヤフーの営業の仕組みについてより詳しく知りたい方は、下記よりセミナーのアーカイブ視聴の登録をいただけます。

https://forms.gle/ssVFg2xMocp89Vq68

最後までお読みいただき、ありがとうございました。