インサイドセールスの2つのコツ-意思決定者への効果的なリーチ方法とは
こんにちは、CROHackです。
この1年で改めて注目を集めているインサイドセールス。しかしインサイドセールスはフィールドセールスに従来型の営業活動の型をそのまま当てはめると、通用しないどころか大きな失敗につながることも少なくありません。特にコミュニケーションにおいては十分な注意が必要になるでしょう。
前提として覚えておくべきなのは、基本的にインサイドセールスによって得られたリードは、意思決定者ではないことがほとんどです。そのためインサイドセールスでは、リードを獲得した「窓口担当者」を足がかりに、「意思決定者」へリーチしていくことが求められます。
つまり、下の立場のリードから、上の立場の意思決定者にリーチする必要がある点で、従来型の営業活動と大きな違いがあるのです。
今回のnoteでは、インサイドセールで意思決定者や管理者に効果的にリーチする方法を2つご紹介します。
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-従来型の営業電話ではアポは取れない
従来型の営業活動では、意思決定者へのセールストークを行い、訪問アポを取ることが求められます。
しかし、そのような“テレアポ”トレーニングを受けた営業スタッフがインバウンドで獲得したリードに電話しても、アポが取れるばかりか、マイナスとなってしまうケースが多々あります。
これには原因があって、意思決定者を狙って電話をかけるアウトバウンドの電話と、インバウンドで獲得したリードへの電話とでは、意味合いがまったく異なるからです。
そもそもインバウンドリードの多くは、情報収集や調査を目的に自社のブログ記事や資料をダウンロードしてくることによって得られるリードです。このアクションを行う人物は、多くの場合、意思決定者ではありません。そのような見込客に対して意思決定者向けのトークをしても、当然うまく行くはずもありません。
例えば、次のようなトークはふさわしくないでしょう。
A社の担当者「もしもし、安藤様。いつも大変お世話になっております。A社の佐藤です。少しお時間をいただけますか?」
リードの担当者「お世話になっております。はい、大丈夫です」
A社の担当者「ありがとうございます。弊社は最新のシステムによって、御社の集客コストを平均20%縮小し、効率的に集客数を増大させることができます。その詳細をお話する機会をいただきたいのですが。来週お時間はございますか?」
リードの担当者「はあ…(いや自分に言われても…)」
リードの担当者は、ただ上司から調査を依頼された社員かもしれませんし、もしかしたら入社したての新入社員や中途採用社員かもしれません。
インサイドセールスのリードに対して、このような意思決定者に響くようなトークをしても成果は出せないどころか、リードを惑わせてしまうだけです。
-インサイドセールスで意思決定者にリーチする2つの方法
インサイドセールスにおいて最も重要なのは、意志決定者にリーチすることです。そのために有効な方法が次の2つになります。
(1) リードの窓口から得た情報をもとに、意志決定者に直接電話する
例えば次のようなトークが良いでしょう。
「初めまして、三浦様。A社の佐藤です。御社より、システム導入によって集客率を上げる方法について、多くの問合せをいただいています。実際に御社の複数のECサイトを査定しましたが、もっと集客率を上げるためのアイデアがいくつかありますので、それをメールでお送りしたいと思います。ご興味がございましたら、ぜひお気軽にお電話ください」
このようにリードの行動履歴をもとに、意思決定者に直接アプローチして有益な情報を提供します。
このようなインサイドセールスも有効ですが、さらに良い方法があります。それは次の方法です。
(2) リードの信頼を獲得したうえで収集した情報をもとに、意思決定者に連絡を取る
リードが関心を持つテーマについて、できるだけ多くのヒントを無料で提供し、相談に乗ることで信頼を獲得。その後リードからさまざまな情報を収集し、それらの情報をもとに意思決定者に連絡を取ります。この方法であれば、さらに意志決定者の興味を惹くインサイドセールスが可能になります。
初めてリードに電話するときには、担当の人が興味を持つ方法で価値を提案します。ただし、それは必ずしも意思決定者に最適な提案とは限りません。
例えば、次のようなトークが良いでしょう。
「安藤様、いつも大変お世話になっております。A社の佐藤です。集客率を上げる方法に関する弊社の資料をダウンロードしてくださりありがとうございます。資料の内容について、何かご不明点やご質問はございませんか?」
このトークであれば、リードが関心を持つテーマについて会話ができます。
会話の中では、リードにできるだけ多くのヒントを無料提供して相談に乗ることが重要です。そしてこのやりとりを繰り返すことで、営業スタッフはリードから信頼を獲得することができます。
そうなれば、相手企業のニーズや、ニーズはどこからくるのかについてこちらから聞くことができるようになる関係性を築きやすくなります。そうなると、インサイドセールスによって意思決定者が抱える課題をうまく探り出すことができるでしょう。
例えば、リードに次のような質問をしてみるのも有効です。
・ 資料のテーマに興味を持ったのはなぜか。またどのような経緯でそのテーマを実施しようとしているのか。
・ このテーマについて調査するよう、社内の誰かに指示されたのか。
・ 誰に報告するのか。
・ 自分の上司が最近、関心を持っていることはどのようなことか。
大切なのは、リードに内部の状況を教えてもらえるような関係づくりをしていくことです。
そうすれば、やがて意思決定者へ連絡できるチャンスがめぐってきやすくなります。
そして意思決定者へアプローチできるようになれば、次のようなトークをするといいでしょう。
「はじめまして、三浦様。A社の佐藤です。私は御社の安藤様と一緒に、集客率アップの戦略に取り組んでまいりました。御社は最近、集客率アップのためにECへのSEO対策に積極的に取り組まれているとお伺いしております。弊社の顧客に、御社と同じ業界でECにおける集客を成功させ、御社の目標値を大幅に上回る売上をあげた企業様がおります。その会社が成功している戦略の詳細をご紹介差し上げるべく、少々お時間をいただけませんでしょうか」
このトークには、すでにリードとのコミュニケーションが深まっていること、自社の課題に通じていること、そして有効な解決策を知っていることなど、意思決定者の興味の惹かれる内容が詰まっています。
忙しい意思決定者に対して留守電に残すとしても、この内容であれば取り合ってもらえる可能性はグンと高まります。
-まとめ
ここまでインサイドセールスのコツとして、意思決定者へアプローチする方法や、効果的なトーク内容についてご紹介しました。
従来の営業手法と効果的なインサイドセールス手法は異なるということを再度認識のうえ、今回ご紹介した2つの方法をヒントに、意思決定者へ連絡できるチャンスがめぐってきやすくなるような関係づくりを心がけましょう。