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脱・低価格競争-高付加価値企業に学ぶ営業戦略の秘訣とは?

こんにちは、CROHackの萩原です。

2021年もいまだにコロナの影響が続いており、モノが売れない状況が続いており、そんな状況に頭を悩ませている企業も多くいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、モノが売れない時代における法人営業に頭を悩ませている方に「1円でも高く価値を感じていただく営業戦略」についてコンサルタントの視点からお伝えできればと思います。

本記事では、私が製造業の企業様を支援をさせていただく中で検討してきた「BtoB営業におけるソリューション営業を浸透させるためにはどのようなことを実践するべきか」について事例を交えつつお伝えできればと思います。

-製造業におけるBtoBソリューション営業

ソリューション営業や課題解決型営業という言葉は十分に浸透してきており、営業力強化という文脈では必ずといっていいほど上がってくる話ですが、多くの企業はまだまだ導入ができていないという印象を持っております。

そもそもソリューション営業ではどういったことを目的とし、進めていくにあたってどのような障壁があるのか、またその解決方法について簡単に述べさせていただきます。

-ソリューション営業の目的

① 顧客が必要とするものを見極め、営業リソースを注力するため

顧客が必要と口にするものは実際に課題として顕在化してきたものばかりです。そのような課題に対しては様々な企業が提案を行うため、似たような価値が提供できる製品では差別化がしきれず、価格競争となってしまいます。
そうした状況を避けるため、真に顧客が必要となるボトルネックを見極め提案を行うことが大切です。

② 多様化したニーズに対応していくため

近年、顧客のニーズはますます多様化・複雑化していく中で「課題の解決ができるものは何か」という判断が難しくなってきております。そのような状況の中、自社商品の価値を最大化させるためには顧客のニーズの整理・深掘りを行い求められているものに対して直接的に解決ができる製品が求められます。

③ 顧客に価格以上の価値を感じていただくため

モノには相場がありますが、体験には相場がありません。顧客の課題解決という体験に対して顧客がいくら払うかというのは企業によって様々です。そういった課題解決に向けたコストとして捉えさせることにより、単純なモノ同士の比較ではなく、体験を購入いただくという価値訴求を行うことができます。

-ソリューション営業の3ステップ

① 事前準備(情報収集/課題仮説設計)

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顧客の事前情報や過去の商談内容、他業界の事例や抱える課題などを洗い出し、今回の商談相手の課題仮説を作り、商談の場においてぶつけることが大切です。

この仮説の精度が高ければ高いほど顧客は「自社の理解をしてくれている」と心を開き、仮説がややずれていたとしても真の課題を話してくれるようになります。

また、この段階において商談のストーリーを構築しておくことも大切です。商談における「目的」「ゴール」を設定し、その商談の流れに沿ってヒアリングや提案を行うことで再現性の高い商談を実現させることが出来ます。

② ヒアリング

顧客が抱えている課題については、質問の流れで「競合他社の関心事項」や「業界における一般的な課題」などをぶつけることが重要です。

今はまだ商談相手では顕在化していないが、対応すべき課題であると認識していただきその課題に対して提案を行うというフェーズへ持ち込むことが可能になります。

③ プレゼンテーション

最終のご提案の場において大切なことは常に主語を”顧客”に置くことです。顧客が自社商品を使うとこんな変化がある、こういったいいことが生まれるなどを提案することで、商品の導入によってどのような顧客体験が生まれるかにフォーカスをして提案を行うことが大切です。

よくありがちな例としては自社商品の説明やメリット、差別化ポイントなどに話が集中してしまいますが、あくまで顧客が導入した後のイメージをプレゼンテーションにて持たせることが重要になります。

-導入における課題と解決策

上記でソリューション営業におけるよくある課題としては下記があげられます。

① なかなか課題を話してくれない

まだ顧客との関係性が構築されきれておらず、「この人に課題を話してよいか」「この人は課題を解決してくれるか」という点について疑心を持っている状態になります。このフェーズにおいてはしっかり顧客が抱えているであろう課題を解決するプロとしてのポジションを確立するために、競合他社での事例や同業界における課題を紹介することにより、「この人に相談すれば解決してくれるかも」と思わせることが重要となります。

② 顧客ニーズが読めない

実際問題として顧客のニーズというのはなかなかつかむことができません。そこで客ニーズを正確にくみ取っていくためには仮説検証のフェーズをいかに踏み、仮説設定の精度を上げていくことがソリューション営業においては重要となります。顧客が欲しいといっているものだけではなく、発言が出てきた背景や業界背景を考え、ヒアリングを行うことによってより精度の高い仮説設定を行うことが可能になります。

-高付加価値企業事例:キーエンス

最後にベンチマークとなる企業(キーエンス)のご紹介をさせていただきます。

高収益企業としても有名なキーエンス。
キーエンスでは単に商品を売るといった営業スタイルではなく、真の顧客課題を把握し、真の顧客課題解決が出来る商品を提案することによって、モノ売りによる価格競争にも負けず高付加価値な商品を提供し続けることが可能となっております。

そしてその営業スタイルをキーエンス営業全員が精度高く実践できているという点が非常に重要なポイントとなります。この徹底的なソリューション営業を生み出しているキーエンスの仕組みの一端をご紹介させていただければと思います。

① ロープレによる疑似演習

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研修期間だけでなく営業所に配属されてからも行われるのがロープレです。内容としては「訪問の練習」「新商品の訴求方法」「デモでの見せ方」「動画や販促品の使い方」など様々なロープレが用意されています。こういった様々なストーリーを事前に染み込ませることによって実際の訪問においても精度高くヒアリングを行い、顧客課題にダイレクトな提案を行うソリューション営業の実現がなされています。

② 営業シナリオ設計のブラッシュアップ

キーエンスではすべての訪問の前後に上司との入念なシナリオ設計をするMTGがあります。各顧客のアポにおいて「目的」「ゴール」「ヒアリング予定内容」など訪問に向けた準備がしっかりなされているかどうかのチェックを行います。
また同時にこれまでソリューション営業を続けてきている上司からのフィードバックを直接得る機会にもなるため、「顧客課題をヒアリングする上で気を付けるべきこと」「追加で考えるべき観点」「既存案件の発注までの物件の進め方」など様々なアドバイスを聞く機会となり、若い営業マンでも精緻な営業シナリオを設計できる仕組みがあります。
※ちなみにこのMTGでシナリオの設計があまいな訪問やアポの意義がない訪問についてはこの時点で精査され、翌日の外出が中止になることもあるとか。

③ 圧倒的な事例集と活用の仕組み

製造業のクライアントでよく伺う話として、個人や拠点毎での情報共有や事例共有は円滑に行われているものの、全国を通じた情報共有がなかなかうまくいっていないという話があります。

その点、キーエンスでは過去に同様の業界においてヒアリングした課題を共有する仕組みがあります。その他社事例を活用することによって精度の高い仮説設計を行うことができ、クライアントの課題に対して確実に的を射た回答をすることが可能になります。になります。

そして、他社では成し遂げられない顧客の潜在的な課題解決への提案を行うことで、課題が顕在化してからコンタクトをする競合を出し抜くことが出来るのです。

-まとめ

本記事ではソリューション営業のあり方について解説してまいりました。
記事をまとめると下記3点となります。

1.「製品を売る」のではなく「導入後の変化を感じていただく」こと
2.営業時の提案に向けて入念な準備を進め、顧客を理解した上で商談に臨む
3.業界や製品におけるプロを演出し、「課題を解決してくれるパートナー」と認識していただくこと

上記の徹底により、顧客の真の課題に対して提案を行うソリューション営業が実現され、少しでも価値を感じていただく営業活動を行うことが出来ます。

-最後に

高収益企業の営業のあり方についてご紹介させていただきました。「高く売ることが悪」とされる日本では「安く高性能な製品を市場に出すこと」を求められてしまいます。

しかし、これからの時代に求められる営業戦略は「現状に対してどれだけの差分を生み、付加価値を生むことが出来る製品か」ということを認識させることであると考えております。この考え方は製造業だけでなく、ITやベンチャー企業など他の業界においても言えることです。

ある製品に対しての違いを生むだけでなく真に顧客が求める製品を提供し、そこに価値をのせていくことが今後の日本の製品が海外で勝っていくために必要な思考法になると考えております。

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