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出版をマーケティング成果につなげるために

本日は、ブックマーケティング=書籍を活用したマーケティング戦略を考えるポイントをお伝えしていきます。

ブックマーケティングとは

ブックマーケティングの言葉は2つあります。

①書籍を売る目的の活動
 →書籍を”売るため”のマーケティング施策
②自社のサービスや商品を書籍出版を通して拡散する目的の活動
 →書籍出版を”マーケティング施策のひとつ”として使うもの

本日は②自社のサービスや商品を書籍出版を通して拡散する目的の活動
を行うポイントをお伝えします。

ビジネス書の読者ニーズをあらためて整理する

マーケティングに関わる方は、一度は聞いたことのある言葉

”ドリルを買う人が欲しいのは「穴」である” 

-『マーケティング発想法』セオドア・レビット著(1971)

50年ほど前の言葉ですが、現代でもマーケティング本質は変わっていません。

セオドア・レビットの言葉に当てはめて、ビジネス書のニーズを考えるとどのようになるでしょうか?

読者は、
・読書を楽しみたい(娯楽としての読書)
・知識を得たい(学びのための読書)
といった考えはあると思います。

しかし、上記は表面的なものであり、その根源に何があるのかを理解することが重要です。

ビジネス書を購入する方にとっての「穴」は
・成長したい
・成果を出したい
といったものだと捉えることが適切だと考えています。

実際ビジネス書などで手に入れたノウハウを実行に移す人は数%だとも言われています。

この、「実行できない」=成長できない・成果が出ないといった課題を解決することがブックマーケティングを考える上で重要となります。

なぜ、ノウハウ本を実行できないのか

『なぜ、ノウハウ本を実行できないのか』という面白い書籍があり、そこでは以下3つポイントがあると書かれています。

1. 情報過多
2. ネガティブなフィルター装置
3. フォローアップの欠如

書籍:なぜ、ノウハウ本を実行できないのか

1. 情報過多

①情報過多は言わずもがなですね。書籍だけでなくニュースサイト、新聞、TVなど多くの情報にわたしたちは触れています。どんどん新しい情報がわたしたちの中に入ってきて、情報の鮮度は毎秒落ちていき、せっかくの内容もすぐに忘れ去られてしまいます。

2. ネガティブなフィルター装置

ネガティブなフィルター装置、こちらは「著者だからできる、自分はできない」というフィルターがかかってしまうという事象です。著者の経験に基づいたノウハウ本が多く陥りやすいです。

3. フォローアップの欠如

最後にフォローアップの欠如です。わたしたちは少なからず『ストックセールス』でもキーワードとなっている現状維持バイアスを持っています。新しい情報を手に入れてもすぐに実践に移す、やり方を変えるというのは難しいのです。

つまり、書籍だけでは、読者は実行に移せない→成長につながらないといった「ニーズが満たせない」状態になってしまいます。

この3つのハードルを超えるための工夫をご紹介します。

アクション1. 基礎編|超簡単、直接やり方を伝える

リブ・コンサルティングが監修をしている『ストックセールス』を例にあげます。

神田さんが書いているまえがきにある言葉を紹介します。

そのためにも、本書を、2回は読んでいただきたい。
1回目は、イラストや図表をざっと眺めることで、全体像を理解してほしい。緻密な実証プロセスを理解しながらも、自分にとって、使えるポイントが見えてくるだろう。
2回目は、4つのメッセージモデルを、ノートに書き出してみよう。
そして必要に応じ、モデルを見返しながら、自分の仕事で活用するメッセージを書いてみよう。それを実際に使ってみると、あまりにもスムーズに変化が起こりはじめるので、驚くはずだ。
(引用:『ストックセールス』 まえがき)

効果的な読み方を紹介しています。とくに「ノートに書き出してみよう」というとても簡単な、でも読んだだけで終わらせない実行の一歩を促すという内容になっています。

また、あとがきでも『ストックセールス』のノウハウを組織に落とし込むための方法を紹介しています。

弊社では様々な方法を試行した結果、CS(顧客)アンケート取得によるステータス管理が最も効率的に狙った効果が得られる方法論だという結論に達した。2019年に弊社がBtoB商材を提供している1,000社に実施したサーベイによると「約75%の企業が定期、もしくは非定期でCSアンケートを実施している」ことが分かった。(引用:『ストックセールス』 あとがき)

さらにこの後に、そのアンケートをどう分析して、どのメッセージモデルを活用するのかというところまで具体的に記載しています。(このあとは本を読んでのお楽しみ…)

このように書籍のなかで直接伝えてフォローアップをするという方法がひとつです。

アクション2. 応用編|セミナー(読書会)を開く

応用として、セミナー(読書会)を開くこともお薦めです。書籍とセミナーの場合、たとえ同じ情報を伝達するとしても、情報の濃さ、情報の伝達が双方向であるという点が大きく違うポイントとなります。

・参加者が限定されることにより、より参加者に最適化された内容を伝えるため、書籍の内容がより理解しやすい環境になる
・セミナーでしか聞けない(不特定多数に発信できない)具体事例を聞ける
・インタラクティブなやり取りができる(不明点や心配を直接解決できる)

書籍は、どんな方に読まれるかわかりません。そのためどうしても誰に読まれてもいい内容に情報を薄めたり、ぼかしたりしています。

また、情報は著者→読者へ一方向です。著者が考えもしなかったポイントやハードルで読者が立ち止まっていたとしても、それを書籍だけでは知ることができません。

それに対してセミナーの場合は、セグメントもでき、著者(主催)側で参加数や参加者層の調整などもできるため、より具体的かつ不特定多数には話せないよというような内容を聞くことが可能です。

また、参加者の疑問点や悩みも、その書籍やテーマに一番詳しいであろう著者から直接解決策のヒントを貰うことができるため、書籍を読んだだけでは超えられない「実践」へのハードルを超えることができるのです。

『ストックセールス』は、著者リブ・コンサルティングとしてではなく、GMXとしてプロモーションを行っています。GMXは神田さんとリブ・コンサルティングが設立した「マーケティング・セールス」の研究組織です。

そのため、そのわれわれの活動は①の意味合いが強いです。が、GMXの母体であるリブ・コンサルティングとしては②として『ストックセールス』を使う=「コンサルティング支援」の顧客獲得という目的もあります。

ストレートにお伝えすると

「この書籍の内容をぜひわが社でも実践したい!いや、でもで自分たちだけじゃできないなあ…そうだ、この本を書いたリブに相談しよう」

となるわけです。

しかし、いくら書籍の知識が役に立っても、全員が「よし!すぐ相談しよう」とはならないですよね。そこで効果を発揮するのがセミナーです。前述したポイント3点は、主催側のメリットでもあります。

申込みしてくれる=そのテーマについて関心が高い層や、セミナーの中で反応、課題感を直接把握する機会となります。

ちなみに、本を買ってもらう・読んでもらう前の興味づけ目的というパターンのセミナー開催もできます。

セミナーは30分、60分程度の開催でも、ポイントだけをお伝えするのであれば、参加者はおそらく書籍を読みきるより短い時間で情報を得ることができます。なので「この本は買う・読む価値があるか?」という悩みを解決する手段としてもセミナーは役立ちます。

まとめ

ブックマーケティングを実践する上で、下記のポイントを押さえることをオススメします。

ブックマーケティングの考え方
顧客が求めているのは「書籍の内容を実行に移して、成長する・成果を出すことである」

読者の課題
本を読んだだけでは実行ができない

推奨アクション

アクション1. 基礎編|超簡単、直接やり方を伝える
アクション2. 応用編|セミナー(読書会)を開く

ぜひ参考にして頂けましたら幸いです!

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