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【図解解説】ストックセールス-既存顧客を動かす「4つのメッセージモデル」を理解する

誰に何を伝えるか?

これはビジネスの基本であり、全ての人が意識して営業・マーケティング活動を行なっているはずです。

相手に合わせたメッセージをつくること。

これは当たり前のように聞こえますが、BtoBビジネスにおいて、相手に合わせたメッセージを選択できていないことによる機会損失が多く存在しています。

では、どのような考え方でメッセージを選ぶことが大切なのかを、中でも既存顧客向けのメッセージの選び方を体系化して示したのが「ストックセールス」の書籍です。

この記事では、ストックセールスの内容を即実践できるよう図解を用いながら解説していきます。

まずは、ストックセールスを理解する上での前提を解説していきます。

前提①現状維持バイアスを理解する

まずは、顧客は常に現状維持バイアスをもっていることを認識することが重要となります。

■現状維持バイアスとは?
人や組織に内在する変わりたくないという心理

現状バイアスには4つの要因があると言われています。

■現状維持バイアスの4つの要因
①安定を優先する傾向
②変化に伴うコストへの懸念
③選択の難しさ
④後悔や非難への恐れ

つまり、顧客は現状維持を望んでいるケースが多いということです。

営業・マーケティングのメッセージ選択において、現状維持バイアスとどのように向き合うかが重要となります。

前提②新規見込み顧客と既存顧客では伝えるメッセージが異なる

現状維持バイアスに対して、見込み顧客、既存顧客に対して異なるメッセージを伝えるの必要性を理解しておくことが大切です。

①新規見込み顧客に対して
現状維持バイアスを「打ち砕く」ためのメッセージを伝える
②既存顧客に対して
現状維持バイアスを「強化する」ためのメッセージを伝える

ここまでの話を図解します。

新規見込み顧客に関しては、現状維持バイアスを打ち砕くメッセージを伝えていきます。
・今のままで良いのか?
・変化することのメリットは?
・自社サービスと現状サービスのどちらがあっているか?
などを伝え、変化を促していきます。

この現状維持バイアスを打ち砕くメッセージは、イメージがつきやすいと思います。

既存顧客に新規顧客と同じメッセージを伝えてはいけない

ここがストックセールスの考え方を理解する上で大きなポイントです。

既存顧客に新規顧客と同じメッセージモデルを使うと、自社の強みを捨て、他社に乗り換えられるリスクを増やすことになってしまいます。

既存顧客に対しては、4つのメッセージモデルを使って顧客の現状維持バイアスを強化するアプローチが必要となるのです。

4つのメッセージモデル
1. 更新:契約を継続・維持する
2. 謝罪:ピンチをチャンスに変える
3. 値上げ:値上げを納得させる
4. アップセル:現状維持しつつ発展させる

顧客に合わせてメッセージモデルの使い分けが必要であることを示した図解はこちらとなります。

ここから、既存顧客に対するメッセージ選択の方法を解説していきます。

1. 更新:契約を継続・維持するメッセージ

既存顧客に取引の継続や契約更新を促す際は、「現状維持を促すメッセージモデル」で現状維持バイアスを強化することが重要となります。
取引開始の前から顧客と連携し、目標の明確化や評価指標の策定を一緒に行い、早い段階から頻繁に実績を示すことで、顧客に常に選ばれることを目指します。

ポイントを図解します。

2. 謝罪:ピンチをチャンスに変える

ビジネスでは失敗が避けられないが、うまく対処することができれば、失敗が起きなかった時より高評価が得られる可能性があります(サービス・リカバリー・パラドックス)。

謝罪は対応の順序が重要であり、最初と最後が印象に残りやすいという人間心理(初頭効果と親近効果)を利用して注意をひきつけ、感情に訴える説得力のあるメッセージを伝えることが重要です。これを「謝罪のメッセージモデル」と呼びます。

3. 値上げ:値上げを納得させるのメッセージ

値上げはビジネスに与える影響が大きいが、多くの企業は値上げの伝え方に自信を持てていないことが課題です。
そのため、既存顧客に値上げを働きかける際は、 現状維持促すメッセージモデルに加え、上乗せした金額を提示してから割引する、いわゆるアンカリング効果で値上げを受け入れやすくさせることのパワーを理解しておくことが重要です。

これを「値上げを納得させるメッセージモデル」と呼びます。

ポイントを図解します。

4. アップセル:現状維持しつつ発展させる

取引拡大、いわゆるアップセルを成功させるには、現状維持バイアスを強化しながら、変化を促すという、ハイブリッド型のメッセージモデルを用います。

これを「発展を促すメッセージモデル」と呼びます。
顧客との間に築いた実績や安定した関係性を強調し、感情に訴えるかけることで、現職の強みを活かしながら、顧客の目標達成のために変化を促していきます。

ポイントを図解します。

状況を読み、顧客にあったメッセージを伝える

上記で説明してきた4つのメッセージモデルを駆使し、ビジネスを拡大させるには「状況を読む力」が重要となります。

状況を読む力を身につけ、
①ナンバープレイと対比を用いたカスタマーストーリー
②イラスト
③顧客中心の言葉遣いに変える
といったテクニックを用いて顧客を中心としたストーリーを作成することで、メッセージを効果的に伝える準備を行っていきましょう。

最後のポイントを図解します。

まとめ

ストックセールス-既存顧客を動かす「4つのメッセージモデル」

  1. 現状維持バイアスを理解する

  2. 既存顧客と新規顧客ではメッセージモデルが異なる

  3. 4つのメッセージモデル(更新・謝罪・ 値上げ・アップセル)を理解する

  4. ビジネスの拡大に有効なメッセージを伝えられる仕組みをつくる 

この4つのメッセージモデルを理解することで、既存顧客との関係性を強化し、アップセル・クロスセルの創出や、顧客紹介などの可能性を生み出すことが可能となります。

さらに詳細が気になる方は、今回の図解要約を参考にしていただきながらストックセールスの書籍も読んでみてください!

今回にご紹介した図解は下記よりまとめてダウンロードして頂くことが可能です!

http://bit.ly/3OrR6Jp

最後まで読んでくださりありがとうございました!