見出し画像

SaaS事業向けマーケティングガイド-リード獲得したいなら押さえておくべき手法

こんにちは、CROHackです。

BtoBのSaaSにおいて、特定の悩みや課題を抱えたリードを獲得することは非常に重要なポイントです。

顧客獲得におけるtoB・toCの違いとして、toCは広告などで広く取りに行くことが多いのに対し、toBはリード獲得~ナーチャリングによって顧客獲得へと繋がる点が挙げられます。

そこで今回のnoteでは、SaaS事業者の方向けに、マーケティングにおけるリード獲得に焦点を当て、有効なマーケティングの手法やWebマーケティングについて解説していきます。

-SaaS事業におけるマーケティングの目標と指標

まずは、SaaS事業におけるマーケティングの目標と指標について解説していきます。

SaaSビジネスにおける目標は大きく分けて4つあります。
1つ目が成果の元となる“リード獲得”、2つ目が獲得したリード顧客に成約してもらうための“リードナーチャリング”、3つ目が獲得した顧客に日常的にサービスを利用してもらうための“顧客定着化”、そして4つ目が顧客により長くサービスを利用してもらうための“LTV最大化”です。

最終的な目標は"顧客定着化"と"LTV最大化"の2点、その中でもマーケティングは前者の新規MRR(マンスリーリカーリングレベニュー、月額経常収益)、後者の追加MRRに関与します。
そして、前者において追うべき指標が、"リード獲得数"と"各ステージの転換率(リードナーチャリング)"となります。

マーケティング戦略を立てる際や施策を打つ際には、どのフェーズに向けた戦略・施策なのかをはっきりとさせたうえで、それが有効であるかを判断しなければいけません。

-SaaS事業に有効なマーケティング手法とは

ここからは、本題であるSaaS事業において有効なマーケティング手法について解説していきます。

マーケティング手法が主に2種類あります。
1つ目が情報を公開してリードより手前の潜在層からの接触を待つインバウンドマーケティング、2つ目が広告やテレアポなどで企業からユーザーに接触を図るアウトバウンドマーケティングです。

<2種類のマーケティング手法>
インバウンドマーケティングは、リード獲得だけではなく、リードナーチャリングや顧客の安定化、LTVの向上にも寄与するため、SaaS事業に適していると言われております。
インバウンドマーケティングは、ブログやホワイトペーパーでの情報発信はもちろん、最近であれば動画やSNSなどでコンテンツを公開するといった、Webを活用したアプローチが主流となります。
なお、Webマーケティングの手法については、記事後半で詳しく解説してきます。

一方でアウトバウンドマーケティングは、情報発信が一方通行でコミュニケーションの余地が少ないため、SaaS事業のマーケティング手法としては相性が悪いと言われています。
ですが、企業のフェーズによってはコストをかけても、主体的にアウトバウンドでリードを取りに行く必要があり、SaaSだからこそ、CAC(カスタマーアクイジションコスト、顧客獲得費用)を一定数かけられるという側面もあります。

SaaS事業において、成約を獲得するためのポイントは、課題を抱えているユーザーに対して適切に情報提供を行なうことです。リード手前の潜在層であればブログやホワイトペーパーなど、課題解決に役立つ情報を検索エンジン経由で届け、リード顧客なのであればメルマガなどで多くの企業が抱えている課題を解決するための情報提供など、顧客の求めている情報を提供することが重要となります。
また、SaaS事業においては、CACを下げることが非常に重要となります。

SaaS事業を成功させるうえでどちらのマーケティング手法も重要と言えますが、今回は検索エンジンなどから安定して集客できるインバウンドマーケティングに注目して解説していきます。

-リード獲得に効果的なSaaS事業向けWebマーケティングとは

ここからは、SaaS事業で有効とされているインバウンドマーケティング、そして実際にメインで行っていくことになるWebマーケティングの手法について解説していきます。

SaaS事業のインバウンドマーケティングでは、主に以下の6つのWebマーケティングが効果的です。

・オウンドメディアによるコンテンツマーケティング
・ホワイトペーパーによる製品案内
・検索エンジン最適化(SEO)
・紹介マーケティング
・共同マーケティング
・リターゲティング

<オウンドメディアによるコンテンツマーケティング>
まずは、情報発信の元となるオウンドメディアによるコンテンツマーケティングです。

まだサービスやソリューションを必要とはしておらず、悩みや課題を解決するためにはどうすればいいのかを検索しているユーザーとの接触を持つには、オウンドメディアによるコンテンツマーケティングが最適と言えます。

コンテンツマーケティングとしてよく上がるのが「すぐに効果が出ない」という点ですが、コンテンツマーケティングは事業の成長とともに成果が出るものという前提を持ったうえで、コツコツとコンテンツを積み上げていくことが重要です。
一度作成したコンテンツは、適切にメンテナンスしていく必要はあるものの、継続的にリード獲得やリードナーチャリングに寄与します。

<ホワイトペーパーによる製品案内>
続いて、コンテンツマーケティングによってオウンドメディアに訪れたユーザーに自社のサービスやソリューションを知ってもらうための、ホワイトペーパーによる製品案内です。

製品案内を全面に出して押し出すPUSH型ではなく、あくまで「必要な方はどうぞ」という一歩下がったPULL型となるため、製品に興味を持ってホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーからのCVR(コンバージョンレート、成約率)は高くなる傾向があります。

ユーザーが製品に興味を持ったタイミングで、スムーズに案内ができるようホワイトペーパーのダウンロードリンクは、適切な箇所に設置するのがポイントです。

<検索エンジン最適化(SEO)>
コンテンツマーケティングにも共通して言える点ですが、製作したホームページやコンテンツが検索エンジンに最適化されていなければ、検索エンジン経由でユーザーに届けることはできないため、SEO対策は必須です。

コンテンツの中身を最適化するのはもちろんのこと、カテゴリページや内部リンクの最適化、そして被リンクの獲得など、総合的にSEO対策は行っていかなければいけません。

<紹介マーケティング>
BtoBとBtoC、どちらにおいてもCVRが高いのが、既存ユーザーによる紹介で獲得したリード顧客です。紹介マーケティングの有用性を証明した調査も複数あります。

月額課金が基本で、初期費用を抑えて導入のできるSaaSは、特に紹介されたユーザーの導入ハードルが低く、紹介マーケティングを活用することで多くのユーザーを獲得することが可能です。

紹介マーケティングにおけるポイントは、インセンティブの付与とそのバランスです。
インセンティブがない場合、よほど良いサービスやソリューションでない限りは既存顧客が知り合いに紹介することはありません。
しかし、紹介されたユーザーが「インセンティブ目当てで紹介してきたんだな」と感じるほどのインセンティブを設定している場合はCVRの低下に加え、ブランドイメージも損なう可能性があります。

既存ユーザーに紹介のメリットを与えるためにも、インセンティブは設定しつつ、あまり全面に出しすぎないなどのバランスをとっていく感覚が紹介マーケティングにおいて重要です。

<共同マーケティング>
自社のサービスと抱き合わせて使うことでより便利・効果的なサービスを提供している親和性の高い企業と協力し、共同マーケティングを行っていくのも効果的です。
具体的な共同マーケティングの手法としては、ウェビナーの共催やコンテンツの製作、共同でのデータ調査などがあります。

お互いの既存顧客にお互いのサービスを知ってもらう機会となることに加え、共同マーケティングによって新規のリードを獲得できる可能性もあるため、SaaS事業との相性は非常にいいと言えます。

<リターゲティング>
最後に、一度自社のサイトに訪れたユーザーに対して、違うサイトでも広告によって接触する機会を作ることにできるリターゲティングです。

昨今のインターネット広告は、ほとんどがリターゲティングを伴う広告配信となっているため、インターネットのみで広告を配信するのであれば問題ありませんが、インターネット以外で広告を打つのであればそれはもう一度よく検討すべきかもしれません。

SaaSは、インターネットを介してサービスを提供するため、インターネット以外での広告はなかなか成果が出づらく、ROI(リターンオンインベストメント、費用対効果)が悪くなってしまいがちです。
それに引き換え、インターネット広告であれば少額からでも配信できるため、PDCAが回しやすく、スタートアップでも利用しやすいと言えます。これから広告を始めるのであれば、まずはリターゲティング広告から着手することをおすすめします。

-まとめ

すべてのフェーズで適切なマーケティング施策を打っていくことが、SaaS事業を成功させるためのポイントとなります。

リードの獲得、リードナーチャリング、顧客の定着、LTVの最大化、これらを分けて考え、インバウンドマーケティングを中心に行っていってください。
特にSaaS事業の場合は、Webマーケティングとの親和性が高く、コンテンツマーケティングや紹介マーケティングを活用することで、より幅の広いユーザーにサービスを利用してもらうことができます。

自社のステージやリソース状況に合わせて、最善な手法を考えてみてください。