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『モンスター組織』書籍全文公開-CASE08,終章-

【モンスター組織CASE08 業績第一パワハラ組織】

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▼登場人物
①第一営業部長:大澤勇樹(51歳)

・営業現場一筋のたたき上げで部長に昇進
・営業最前線時代にはトップセールスを連続で記録
・上司から厳しい言葉や詰めを受けても屈せず跳ねのけて成果を出してきた
・部下に対してのマネジメントも業績成果第一で、なぜできないかを問い詰め行動させ、圧力を掛けながら徹底的に管理して達成させる手法しか持ち合わせていない
・部長となった今、パワハラを気にして部下たちを詰められない現状に不満を抱いている
・役員陣に蔓延る、問題を起こすなという事なかれ主義に苛立ちを感じている
・今の若手はやる気がない、要求が多いと感じている

②人事課長:永島敏明(34歳)

・営業を数年経験した後に人事部に異動、新卒採用に携わり、現在は組織制度設計を担当する人事課長となる
・自分が採用した若手社員からの信頼は厚く、会社からは若手代表の声として受け止められている
・第一営業部に配属された若手社員が、軒並み退職や休職に追い込まれている現状に不信感と危機感を抱いている
・与えられた使命に対して一直線で考えるため、上下関係や規律をないがしろにしてしまいがち

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―イントロダクション

小売店向けにキッチン用品や簡易家電を製造・販売する大橋製造は、業界大手の空白を狙った商品を出し、絶妙な品質と価格のバランスでシェアを伸ばしてきた。

業績成果第一主義(歩合制を主軸とする評価制度)で厳しい職場環境だったが、給与水準が高いため、若くして稼ぎたい社員が多く集まっていた。

だが、売上650億円、社員数400名の規模となり、大橋製造も業界大手の一角を占めるほど成長した現在、成長のひずみが現れ始めている。

具体的には、業績拡大を急ぐあまり、大橋製造でもパワハラが表面化するようになり、裁判沙汰となったケースも出るようになった。

そのため、ブランドイメージの毀損を恐れた役員陣は、パワハラ型のマネジメントを禁止するようになった。

マネージャー陣はパワハラを恐れて部下に対して厳しく接することができず、逆に甘やかしてしまう現状も発生しており、それに伴い売上など数値も徐々に伸びなくなっていた。

また、近年採用された若手社員は、採用時の価値観が異なり、部長世代の業績一辺倒の目標設定にはついていけないと感じていた。

人事課長の永島は、自身が採用した若手世代の離職率や休職率が高止まりしていることに危機感を持ち、営業の本丸である第一営業部にメスを入れようと変革の一歩を踏み出そうとしていた。

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―変革前の大橋製造

◆たたき上げ部長の苛立ち
「一体どうしろっていうんだよ。若手には厳しく指導するな、でも業績は達成しろって……。そんな矛盾したことを言われても、どうしたらいいんだよ」

第一営業部部長の大澤勇樹は毎日のように、同じ悩みに直面していた。大澤は大橋製造で、営業現場一筋のたたき上げで部長に昇進した。

営業最前線に立っている時代にはトップセールスを連続で記録するほど優秀な営業社員だった。

部長に昇進するまでになったのは、上司に徹底的に鍛えられてきたからだ。だからトップセールスも記録できたのだ、と大澤は思う。

実際、上司からは厳しい言葉や問い詰めをひんぱんに受けてきた。それに屈することなく跳ねのけ、ばねにして成果を出してきた。

そんな自分の経歴があるから、部下に対しても業績成果第一で、なぜできないかを問い詰め行動させ、圧力を掛けながら徹底的に管理して達成させるマネジメントが良いと思っていたし、手法としてはそれしか持ち合わせていない。

ところが部長になった今になって、「そういうやり方は良くない」と会社は言うようになった。「とにかく問題を起こさないでくれよ」、役員クラスはそう言う。なんでも、パワハラにあたるからだそうだ。

実際、パワハラをめぐる裁判も起きたし、世の風潮もあるだろうが、「どうしたらいいんだよ」という悩みに戻ってきてしまう。

自分だけじゃない、マネージャーはマネージャーで、パワハラになるのを恐れて、部下に厳しく迫ることができなくなっている。

「でも問題は、今の若手にもあるんじゃないか」と大澤は思う。どうにもやる気が感じられないのも問題だし、その割にはやたらと自己主張をする。

この前もそうだ。ちょっと業務を頼んだら、「すみません、その日は残業できないので」と断ってきた。昔なら、上司に言われたら「はい、やります」と二つ返事で引き受けたのに。だからといって、ちょっと厳しいことを言うとすぐに辞めてしまったりする。

この前もマネージャーにぼやかれた。「部長、ちょっと注意しただけで、『それ、問題じゃないですか。パワハラって知ってます?』と返してくるんですよ。どうやって指導したらいいんですかね?」と泣きそうな顔をして言ってきた。

昔は良かった、と大澤は思う。大手に負けないよう、大手の牙城を崩すぞ、市場を取ってやるぞ、会社を成長させるぞ、という強い思いが全社員にあった。

だから、上司がどれだけ厳しくても、社員全員で一致団結していた。「でも今は違う。誰一人として、同じ方向を向いていない」と思う。

人事もうるさいことを言ってくる。永島人事課長は「評価制度を改訂しませんか」と提案してきた。

「業績、成果が第一でどこが悪いというんだ?変えるのなら、何を基準にするんだ?」と疑問しか浮かばない。

もし、評価制度が変わったら、これまでの制度で昇進してきた人間の評価はどうなるんだろう。先日も「僕らの給料、どう変わるんですかね?」と聞いてきた部下がいたが……。自分も含め、心配だ。

それだけではない。「教育やコミュニケーションにもっと時間を割くようにしてください」と人事は言ってくる。

でもそんな時間を費やす暇があったら、少しでも営業の数字を取るように時間を使わせたい。大澤は「営業目標は変わらないのに新しいことをやれなんて、現場のことが分かっていないのではないか」と会社にも不満を抱いていた。

◆板ばさみの中で苦しむ人事部
「営業部、だいぶ不満を持っているようですよ。営業にいる同期とこの前、昼ご飯を食べたんですけど、大澤部長をはじめ、上の方の人が、人事の文句をかなり言っているらしいです」部下の一人が言う。

その言葉に、人事課長を務める永島は「そうか」と短く答えて、もう少し話したそうにしている部下に対し、話を切り上げた。

「そんなことは十分分かっているよ」、心の中でつぶやいた。

部下に聞かされるまでもなく、この前も大澤部長の不機嫌な顔を見たばかりだ。「部下とももっとコミュニケーションを持ってください」と言ったら
「そんな時間があったら業績を上げるために使いたいね」と言われた。

営業一筋のたたき上げ、これまでのやり方が身に染みいているのだから無理もないとは思うが、変わってもらわないと困る。

今、会社が最も問題にしているのは離職率の高さだ。それが相まって、学生からの人気も低下傾向にある。だから役員からは、離職率の低下と採用プランドイメージの向上を課題として期待されている。

そればかりではない。「全盛期の業績を取り戻せるよう、管理体制も再構築して欲しい」とも言われている。実に難問に直面しているのが今の人事だ。

なぜなら、業績を上げようと言っても、かつてのような厳しいマネジメント手法をとるわけにはいかない。パワハラだけは許してはならないからだ。

うちの会社は、今の営業部が象徴だが、とにかく業績第一、厳しいマネジメントでやってきた。でもそれがパワハラとされる今日は絶対に禁止しなくてはいけないし、昔からのやり方が、採用において人気低下傾向を招いてもいる。

厳しい会社というイメージを薄めて、キャリアの多様性ややりがいを押し出す採用戦略をとらないといけない。

そうした方針をこの数年、打ち出してきた。ところがそれが新たな問題を生んでいた。

以前からいる社員と、ここ数年に入社した社員とでは意識にかなり差があった。新入社員が受け身かつ温室育ちの傾向に見えることに、現場は良い印象を持っていないようだった。

その筆頭が、大澤部長の第一営業部だ。あそこは従来のやり方からなかなか変わろうとしないから、第一営業部に配属された若手からは「採用時とのギャップが大きい。話が違う」という声を聞く。

変わろうとしない営業部には困ったものだ、と永島は思っていた。

大澤部長からはこんな文句も言われている。

「最近の若手は積極性がなく、自身で仕事を取りに行かないサボリーマンでやりたいことしかやらない。なんでこんな人間ばかり採るんだ?」

永島は、そんなつもりはなかった。「採用したときは意識も高く自主性もあり活躍できると確信したのだが、なぜこうなってしまっているのだろう……」、それも悩みの種だった。

考えていくと、一つの仮説につきあたる。「現行の評価制度も問題なんじゃないか」

現在は業績評価の全体の8割を占め、業績に表れない努力や貢献はほとんど評価されていない。それが若手のやる気を低下させているんじゃないか……。

評価制度の見直しを考えたいと永島は思っていたが、マネージャー陣の反発が予想されると思うと、憂鬱だった。

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―解決すべき課題と対策の方向性

◆対立構造の整理
大手に「追いつき追い越せで、パワハラ型のマネジメントのたたき上げで育った世代の現在のマネージャー陣。

だがそのやり方が時代に合わなくなり、改革に踏みきろうとするが、なかなか変わらない現場、というのはありがちな構図だ。

一方、現状を変えたい人事部は、評価制度を変えることで、考え方も変わるのではないかと考えているが、現場の抵抗は強い。

営業部門である以上、業績成果で評価されるのは当然であり、「頑張れば給与が上がる」ことをモチベーションに頑張っているメンバーも多いという。評価制度を変えることは、むしろリスクではないかと感じているのだ。

営業部門としては、業績目標を達成するために、ある程度厳しく育てる必要があるのに、厳しくすると若手人財はすぐに辞めると言い出す。

会社からは「もっと大事に育てろ」と言われるがむしろ人事部の人財採用が間違っているのではないか、とさえ思っている。もっとやる気が高く、タフな人財は採用できないものなのか、と考えているのだ。

こうして、お互いが問題意識を抱えながらも、どう解決してよいか分からない状況に陥っている。

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◆「5つの成果」の考え方を取り入れる
第一の問題点は、過度に業績目標達成に偏ったマネジメントである。

「契約」といった結果指標と「どれだけ顧客のところに足繁く通えているか」といった行動量の管理ばかり行ってきた習慣が根付いていることである。

もともと営業管理とはそういうもの、という経験の上でやってきた大澤部長は、それ以外のマネジメントの手法を持ち合わせていない。

営業は常に結果が求められる厳しい世界なのだから、多少の厳しさは必要だろうという考えがあるがゆえに、パワハラと受け取られがちな相手を詰めるコミュニケーションになってしまっていた。

そうした習慣から、営業を科学し、質を高めるマネジメントにどう脱却できるかが最大の課題といえる。

中長期的に成長発展していくためには、短期的な業績成果だけでなく、仕組みづくりや人財育成に注力する必要があり、それが業績一辺倒の風土を変えることにもつながる。

業績目標の達成意識は大事だが、そのことイコール「詰めるマネジメント」では決してない。異なったアプローチで、成果を上げるためのマネジメントのあり方を取り入れるべきだ。

そのための一つの考え方として、組織・会社の成果を「業績」「より良い仕組み」「人財」「育成」「CIS(顧客感動満足)」「EIS(社員感動満足)」という「5つの成果」で捉えることを取り入れたい。

5つがバランスよく強化されることで、組織に真の実力が伴ってくるだろう。

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また、もしマネージャー陣にマネジメントスキルが不足しているならば、営業マネジメント体制の再構築プロジェクトを発足させ、新たなマネージャーを外から引っ張ってくるか、コンサルタントなどの外部を入れてマネジメント体制の変革を図ることが望ましい。

その中で営業戦略から逆算したKPIを設定し、結果しか見ないマネジメントからプロセス重視のマネジメントへの転換を図る。

具体的には、「訪問数」や「提案数」といった行動の「量」だけでなく、「提案率」や「リードタイム」「継続率」といった「質」に注視するように転換していく。

◆若手人財の早期戦力化に必要なこと
第二の問題点は、きちんと若手を育てる教育の仕組みがないことである。それが若手人財のモチベーションの低下や離職につながっている。

昨今の若手人財の特徴として、やるべきことが明確であれば真面目に取り組む傾向があるため、やり方を標準化し、属人的なスキルに委ねない営業の仕組みづくりとトレーニングが欠かせない。

「上司や先輩の背中を見て覚えろ」では、いつまで経っても若手は育たないことを理解しなければならない。

そこで、営業の質を高めるための仕組みづくりと人財育成を同時に進めたい。自社にとってのベストプラクティスをベースにやり方を標準化し、
それを実践しKPIを定点観測することで新たな課題を見出し、仕組みをブラッシュアップしていく。

そういった「営業を科学する」習慣が、着実なスキルアップと成果創出につながるだろう。

また昨今は、人財育成にも有効なデジタルツールが多数開発されているため、生産性の高い育成を進めるために、そうしたツールの活用もおすすめしたい。

◆評価制度は共同でつくり上げる
三つ目の問題点は、ライン部門とスタッフ部門の連携不足である。

スタッフ部門は自分たちの考えだけで制度をつくり変えようと先走る傾向があり、そのため、ライン部門との連携が欠けてしまっている。
ライン部門の課題を理解した上で、評価制度など全社に関わる制度設計を考えていく必要がある。

従って、営業マネージャーや営業社員の評価制度の見直しにおいては、お互いが意見を出し合い考えていくことが大事である。

その上で、マネージャーの評価には、人財育成の評価項目を新たに設定し、営業社員は業績成果に加えKPI達成度やスキルの向上も評価項目として設定するのがいいだろう。

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―変革への取り組みフェーズ1:営業マネジメント体制の再構築プロジェクトの発足

◆外部からの指摘で実感した組織変革の意義
営業部長の大澤は、実はこのまま変わらなくていいと思っているわけではなかった。若手の意識について不満はあるもの、時代が変わればそれも仕方ないことだ、とも感じていた。

だから人事が言っているように、営業部門のマネジメント体制を見直す必要があるとは認識していた。

ただ、自分は自分が育ってきたやり方しか知らない。それを押し隠すために、永島人事課長に対して不満げな態度を取ってきた面があるのも否めない、と自覚していた。

何をどのように変えればいいのか見当がつかない。思い余って、社長に相談することにした。

「社長、実は相談したいことがあります。」

すると社長は「そうか。労いもかねて、一席設けるか」と、ゆったりと話せる小料理屋の個室を予約してくれた。

その席で、大澤は社長に、自分の抱えている悩みを打ち明けた。

すると社長は「人間、誰にでも持ち合わせている知識や経験には限界があるよ。そういうときは人の知恵を借りるといい」と言いつつ、あるコンサルティング会社を教えてもらった。

「そうだ、分からないことは人に頼るべきだ」

大澤はそのコンサルティング会社に相談することにした。

コンサルティング会社の人の話は新鮮だった。話を聞く中で、自分たちの組織における一番の課題は、営業メンバーの行動量に偏ったマネジメントであり、質の改善に注力してこなかったことだと気づかされた。

「もっと顧客のところに足を運べ、新しい顧客を開拓してこい、とは口酸っぱく言ってきた。けれど、受注率を高める上でセールスステップのどこに問題があるかは細かく分析できておらず、具体的な改善策も示せていなかったな」

自分たちのやり方を反省すると、「凝り固まった自分たちのやり方から脱却するためにも、外部の力を借りてみるのも良いかもしれない」と考えるに至った。

◆プロジェクトをスタートさせ、KPIの再設定に着手
大澤は、コンサルティング会社のコンサルタントとともに、二人タッグでプロジェクトをスタートさせることにした。

まずはじめに取り組んだことは、セールスステップの再構築と、それに則ったKPIの設定である。

具体的には、リピート受注や受注額の拡大を目的とした既存顧客向けのセールスステップと、新規顧客の開拓のセールスステップをそれぞれ見直すことだった。

第一営業部の中でも安定して好成績を残していたメンバーにインタビューを行った。

「インタビューさせてくれよ、」冗談交じりに頼むと、「え、インタビューですか?緊張するなあ」と照れと戸惑いを見せながら、彼らは真剣に、どのような営業活動を行っているのか、その中でポイントとなっていることは何かを喋ってくれた。

それらを吸い上げてみたところ、いくつかの「なるほど」と思える共通点が見つかった。

例えば、好成績を残しているメンバーはいずれも、顧客の課題をしっかりと把握した上で、それに合わせた提案をしている。

決して自社が売りたい商品を売り込むのではなく、目の前の顧客が求めていることは何か、顧客の顧客(エンドユーザー)のニーズは何か、といったところに目を向け、それを引き出す能力が高い。

「なるほど、こうして分析してみると、面白いもんだな」

大澤はそうした点に着目し「顧客の課題ヒアリング数」を新たなKPIの―つに加え、またそのやり方を標準化することに努めた。

◆仕組みづくりと人財育成
セールスステップの再構築に伴い、一つひとつのステップにおけるセールスシナリオの標準化も進めた。

「そのためにはツールの見直しも必要」とのコンサルタントのアドバイスを受け、iPadを活用した新たな営業アプローチブックが整った段階で、営業メンバーヘの落とし込みを進めることとなった。

もちろん、誰もが改革にもろ手をあげて焚成しているわけではなかった。かつての大澤がそうであるように、ベテランメンバーの中には、「なんで今まで通りじゃ駄目なんですか」と不満をもらす者もいた。やり方を押し付けられることを好まず、反発するものは決して少なくはなかった。

一方で、これまでまともに営業のやり方を教えられずにいた若手メンバーには、有り難い機会と前向きに捉える様子が見て取れた。

ただし、ただツールを与え、やり方を示唆するだけで成果が出るものではない。しっかりと一人ひとりが新しいやり方を習得できるようにするには、どうすれば良いかを考える必要がある。

そこで、セールステックの一つとして広がりつつあった「ロープレ動画アプリ」を活用したスキル学習を進めることとなった。

この「ロープレ動画アプリ」を使うことで、セールスステップごとのお手本動画を誰でも見ることができたり、お手本動画を参考に自分でも実践してみた動画をアップし、それを上司や先輩がアプリ上でフィードバックすることができた。

なんといってもメリットは、わざわざ全員が集まって大々的にロープレトレーニングをやる必要がなく、移動中などの隙間時間で動画をチェックし、フィードバックできるため、効率が良いことだった。

「余計なことに時間を取られたくない」と考えていたベテランたちも、何とか受け入れてくれた。

また若手にとっては、「自分のトークのどの部分を具体的にどう改善すればよいか、ピンポイントでコメントをもらえるため、改善がしやすいです」
という声が多く見られた。変わろうという機運が若手から起こり始めた。

こうした仕組みづくりと人財育成の甲斐あって、これまで受注がほとんど取れなかった若手メンバーが新たな顧客開拓に成功するなど、徐々に成果が見え始めた。

◆営業会議の変化
プロセス、行動の質を重視したマネジメントと仕組みづくりに注力し始めたことで、最も大きな変化をもたらしたのが営業会識の雰囲気だった。

これまでは結果の報告と、未達成者を問い詰める場と化していたため、メンバーたちにとって営業会識は、一番モチベーションが下がる場でもあった。「できれば参加したくない」というのが誰もが抱いていた気持ちだった。

そこで、まず営業会議の場においては、個人を問い詰めることを一切禁じるルールを明確化した。あくまでも、個人にスポットライトを当てるのは成功事例の共有に限ることとした。会議に出る際のプレッシャーを軽減したのである。

その上で、営業会議で議論すべきは、さらに改善すべきプロセスは何か、という点にあることを明確化した。KPIの進捗を見ながら、プロセスの改善の新たな課題を抽出し、それに対する策を皆で意見を出し合う形にした。

すると、メンバーの納得度も高まり、意識や行動の変化がより進んでいった。そればかりではなく、会議で発言する者も増えていった。

「部長、会議に出ることが前みたいな嫌な気持ちじゃなくなりました。」

今までだったら気軽にそんなことは言えなかっただろう若手から、正直な言葉が出るようになった。

これまで参加することにストレスしかなかった営業会議が、新たな気つきが得られる場として前向きに受け止められるようになったのである。

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―変革への取り組みフェーズ2:人事制度評価の見直し

◆人事部としての変革の後押し
人事課長の永島は、第一営業部の組織風土が変わりつつあることを感じていた。

以前ほど、若手メンバーから愚痴を聞かなくなったのだ。最近は、辞めると言い出すメンバーも見当たらない。

「大澤部長がプロジェクトを立ち上げたと聞いた。ようやく変わろうとしているんだな」と思うと、ほっとするとともに嬉しくもあった。

しかし一方で、短期的な業績成果だけで給与が大きく乱高下する評価のあり方に、不満の声は上がり続けていた。

「今のように短期的な結果ばかりが評価されると、結局僕も前線に出て数字づくりに奔走しなくてはなりません。仕組みづくりや人材育成に力を入れる余裕なんてないですよ」、マネージャーたちからそんな不満が聞かれた。

そこで永島は人事部長に相談し、役員たちに人事評価制度の見直しを提案することにした。

「短期的な業績成果は大事かもしれません。でも、より継続的に成果を出し続けるために、もつ少し多面的に評価できる仕組みにすべきではないでしょうか」と主張した。

その必要性として、若手メンバーが定着しづらい現状や優秀人財の確保が年々難しくなっている採用市場の厳しさも訴えたことで、役員の理解を得ることができた。

◆営業部との連携による評価項目の設計
人事評価制度の見直しは、主張した永島がプロジェクトリーダーとなって進めることとなった。

全体の人件費、すなわち労働分配率は、経営上、大きく変えるわけにはいかない。そこで、評価項目と項目に応じた給与原賓の分配方法を変更することにした。

永島は、営業部門のマネージャーを集め、当面の営業戦略と目標、それを達成するためのKPI、またどのような組織づくりが必要か、意見を述べてもらった。同時に、マネージャーに求められる役割についても、きちんと定義しなおした。

業績目標の達成は当然ながら、営業構造づくりや人財育成についても、評価されるべきとの意見が多かった。そうなることで、もう少し中長期的に必要な施策にも注力しやすくなるというのが理由だった。

こうした意見をもとに、評価制度の大枠となる骨子を固め、具体的な項目を設計し、複数回の議論を繰り返し、細部まで固めていった。

マネージャーにおいては、業績給に加え、営業構造づくりや人財育成の実績をもとにグレードづけをする役割給を設けることとなった。

一方、営業メンバーは、チームの業績給に加え、KPIの達成度やチームへの貢献などを行動評価項目として設定し、評価することとなった。

さらに、これらの新たな評価項目にもとづいた仮評価と、給与のシミュレーションを繰り替えしながら、約半年がかりで新しい人事評価制度が完成した。

長年社にいる営業部のメンバーなどからは、「どうして評価制度を変える必要があるのか」と不満を持つ者も当然いた。

だが、「これでやりがいが出てきます」「多面的になったので、いろいろな面で評価してもらえる」という声も多く、「全体的には納得度の高い評価制度ができたのではないか」と、永島も満足することができた。

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―終わりに

大橋製造の変革においては、外部のコンサルティング会社にアドバイスを求めて改革へと踏み出し、現場の中に歓迎ムードを築くことができたこと、それに合わせて人事も行動に移したことが大きかった。

ただし、このようなステップを踏む際には、大橋製造の事例を踏まえ、以下の三点が重要となる。

①リーダーシップの重要性
長らく日本の営業組織に根付いていたパワハラの文化は、昨今の若手人財を中心とした採用市場では、敬遠される要素の最たるものとなっている。

しかも、今や企業風土すら既存社員や元社員らの口コミによって丸裸にされる時代ゆえ、どれだけ採用担当者が取り繕ってもパワハラを隠しきることはできない。

とはいえ、「イマドキの若手は……」などと嘆いているマネージャーたちに、ただパワハラを止めろというだけでは、何も解決しない。かえって「正しく叱れない文化」がはびこるだけで、マネジメント機能不全に陥ってしまう。

大事なのは、部下や組織の問題解決をバックアップしながら、正しい戦略へと組織を導いていくリーダーシップである。そのためには、あるべきセールスステップを描き、そのステップ一つひとつの質を高めるための対策を指示することである。

②自ら考えさせる
①に関連して、ただ指示を出すだけでなく、自ら考えさせ、工夫させることも忘れてはならない。そうしなければ、「やらされている」というやらされ感が残り、行動が前向きにならない。

ただ、この文化を組織に根付かせるには時間がかかる。トップダウン型、指示命令型の組織運営の方が、簡単かつスピードが速いからだ。

しかし環境変化の激しい現代においては、上層部にいる人間が必ずしも正しい判断、意思決定ができるわけではない。現場で動く一人ひとりが、考え、意見を出し、よりベターな解を導き出していかなければならない。

②「5つの成果」を組織の共通言語化する
業績一辺倒のマネジメントが部下を過度に追い詰めるパワハラにつながりやすいことは解説で触れた通りである。

そうした組織風土の背景には、市場が右肩上がりだった時代、とにかく行動量を高めることで成果を上げてこられた成功体験があるのではないかと推察する。

しかしこの大橋製造のように、成熟した市場で成果を上げようとしている組織の場合、旧態依然とした組織風土からいかに早く脱却できるかが、業績低迷状態から抜け出す上で重要なカギを握る。

成熟した市場で勝負するには、組織も成熟しなければならない。そのために必要なのが「5つの成果」の考え方であり、これが組織の共通言語として根付き企業文化となっている組織は、成熟市場においても成長を維持し続けられている。

「5つの成果」は、一つひとつの成果が”連鎖して”成果につながっていることが大事である。

なぜなら、いかに「人財育成」や「仕組づくり」が進んだとしても、それが「業績」や「CIS(顧客感動満足)」「EIS(従業員感動満足)」につながっていなければ意味がないからだ。

一つひとつの成果を連鎖させるためには、一部門(営業部門)だけでその価値観を共有しても成果につなげることは難しいだろう。企業全体で共通の目標を持ち取り組んでこそ、強い連鎖と大きな成果につながるのである。

したがって、この「5つの成果」の視点を組織全体の共通言語として浸透させることをお勧めしたい。

リブ・コンサルティングでは、この「5つの成果」の考え方を企業に浸透させ、クライアントを持続可能な成長へと導くことを使命として活動している。

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【終章】

8つの変革ストーリーを読み終えた皆さんの反応を予想してみたい。

「え~、このX番目のケースってうちの会社そっくりなんだけど……、それにこのY部長もうちの部長のことなんじゃないの」ではないだろうか。

序章では「組織のコンテクストは千差万別で万能薬がない」といった内容を記載した。

しかし、業種も規模も一つとして同じものがないケースにおいて、いずれにも既視感があるから面白い。「フリーライダー増殖組織」も「低体温デジタル組織」も「ロスト・アイデンティティ組織」も「業績第一パワハラ組織」においてもその基本構造は同じである。そこには組織メカニズムの原理原則が存在していると言わざるを得ない。

そしてそれはいつの時代も形を変えながら繰り返していることによって、その会社のことを直接的に知らなくても想像力がおよぶのだろう。

システムやツールといったハードの進化とは裏腹に、人や組織の内面(ソフト)の課題はそれこそ何千年も前から同じところをぐるぐるまわっており、それがゆえに組織の悩みは尽きない。

実際に組織の課題は解決された途端に、次の課題が降って湧いてくるというのは、人事に関わる皆さんの共通の感覚ではないかと思う。

弊社リブ・コンサルティングにおいてもまた新たな組織課題にぶち当たっている。序章を書き終えた頃には、一つの組織ストーリーが完結したように思っていたのだが、この終章の原稿を書いている今、次の章がすでに始まっていることを自覚せざるを得ない出来事が次々と舞い込んできている。

逆説的に考えるならば、その繰り返される課題のパターンを把握すれば、モンスター化する組織を食い止める一助になると考え、終章では8つのケースに共通する本質的な組織課題を「モンスター組織における3つの病」としてまとめることにする。

はじめの病は、「二元論の幻覚病」である。いずれのケースにおいても対立構造は存在しているのだが、本来はAさんとBさんのどちらが正しくてどちらが間違っているといった類いの対立構造ではない。

本質的には置かれている立場や見ている時間軸、対処のアプローチ方法によって違いが起きているだけである。よくよく整理すれば分かることなのだが、人の性なのだろうか、内情はもっとドロドロしていることが多い。

組織課題の解決を難しくさせる理由の一つとして、被害者が加害者にも、加害者が被害者にもなることである。

被害者のようにしている人が、実は組織を悪くしていたり、加害者だと思われる人が本当は被害者だったり、傍観者が加担していたり、被害を広げていたりする。そして犯人を見つけて、正義感を振りかざしたり、救世主面をしていたりすれば、いつか犯人扱いされる側にまわることが起きたりする。

○○派△△派とか、たしかにフラグをつければ整理はしやすいのかもしれないが、その二元論で見ているうちには実は組織の本質は見えてこない。

これは企業だけの話だけではなく、コミュニティやサークルやクラスルームという、あらゆる組織にも言えることだろう。組織課題を二元論で単純化させて、対立構造が創作されることでモンスター組織は創り出される。

二つ目の病は、「武勇伝の陶酔病」である。いずれの事例も未来に向かって進んでいかなければならない緊迫した状況にもかかわらず、その一歩を踏み出す邪魔をしているのは顧客でも競合でもなく、実は自社(自己)の内面にあることが多い。組織は生き物のように刻一刻と変化している。

実際は外部環境からも内部環境からも変化を要求されているのだが、その変化を妨げるのは往々にして過去の成功体験や失敗体験である。自覚症状があればまだいいのだが、実際は無意識に過去の体験に縛られていることが多い。

どこの組織においても、多かれ少なかれ新旧の対立が起きるのもそのような事情からである。

新しく入社した社員は過去のしがらみがないため未来志向で物事を考える一方、ベテラン社員は過去から踏襲してきた経験や伝統を重んじる傾向にある。

賢い新参は「なぜ旧来のやり方を引きずっているのか」と訝しがり、稼ぐ古参は「そんなやり方で上手くいくはずがない」と背を向ける。

何度も同じ武勇伝が繰り返される中で、組織の未来を創っていくことを期待された新参社員たちは、次第に重たい組織を諦めて外に出るか、中で静かに息を潜めることを選択するようになる。

過去に縛られ、環境適応しないことでモンスター組織は増殖されていく。

三つ目の病は、「ゴシップ蔓延病」である。その場で当事者同士話し合えば、すぐに解決しそうな内容もケースの中には多く見受けられる。

しかし、その場では本人への遠慮や気まずさから呑み込み、後になって周囲に相談したり、愚痴をこぼしたりすることを選んでしまう。

当初は仰々しくするつもりはなく、同僚との会話の潤滑油くらいのつもりだったのが、噂話として尾ひれがついて広がって、いつの間にか誤った情報による認知のひずみから対立軸ができあがることも少なくない。

同僚との会話で「~らしいよ」といった会話が増えてきた際には注意が必要である。人から人へと情報が流れ、もはや情報の発信元が誰か分からないままに一人歩きして制御不能になってくると、組織の信頼関係は大きく崩れる。

誰がどこでどのような話をしているのかが信じられなくなり、人間不信になることもある。コミュニケーションを迂回させて、噂が一人歩きすることで、モンスター組織は肥大化していく。

さて、「モンスター組織における3つの病」は、あなたが所属している組織にあてはまるだろうか。程度の差こそあれ、思い当たる部分があるのではないだろうかと推察する。

正直に申し上げて、弊社においても少なからずあてはまる部分がある。
だからこそ異なる事例に対してでも、ある種の親近感を得られるのだろう。

組織が悪くなるメカニズムというのは共通する部分が多い。この事実を前向きに捉えるならば、全ての組織は変えられるということである。

「二元論の幻覚病」「武勇伝の陶酔病」「ゴシップ蔓延病」を乗り越えて、組織をモンスター化させない方法論は多々あるが、一つ挙げるのならば「柔軟でフラットな組織づくり」の構築だと考える。

組織を生き物にたとえるならば、「血流の良い組織」ということになり、血が行き届かず硬直化した組織と真逆の位置付けとなろう。

組織は硬直化すると、動脈硬化のように様々な病気を引き起こす。社内に政治が蔓延り、犯人捜しが始まり、批評家が増え、噂話が拡散する中で、内向きで消極的になっていく。組織の信頼関係が崩れ、社内の協力体制が築けないままに、どんどん環境から取り残されていく。

これまでそのような末期症状に陥っている数多の組織を見てきたが、そのような企業群において、「負のスパイラル」の根本原因は、組織の硬直化によってもたらされていることが多い。

「柔軟でフラットな組織づくり」が実現されることで、組織は全体観を捉えた上で環境適応され、多様性を内包しながらも平衡感覚を保ち、未来志向で建設的な組織づくりに向かっていく土壌が整っていく。

近年、人事組織界隈でよく語られる「心理的安全性」というキーワードに
も通じる部分である。

もちろん業態によって組織モデルは異なるので、全ての組織にあてはまるわけではないが、働き方改革や人材流動性の高まりにつれ、多くの組織において、これまで以上の組織柔軟性が求められるようになっている。

人事諸制度の改定や、HRテックの導入といったシステムやハード面の変化と比較すると、組織モデルや組織スタイルといった内面(ソフト面)の変容は時間がかかり、すぐに成果が期待できるようなものではない。

一方、組織の信頼関係が崩れている状態で、施策先行で解決を図ることは、穴が空いたバケツに水を注ぐようなものだ。

もし、「組織の硬直化」の自覚症状があるのであれば、本書のいずれのケースにおいてもそうであったように、組織の内面課題から目を逸らすのではなく向き合うことを決めることが、課題解決の一丁目一番地である。

リブ・コンサルティングで実施している「柔軟でフラットな組織」を維持継続するための工夫についてご紹介したい。様々な取り組みを行っているが、特に成果が出ている3つのことをお伝えすると、「ライフウェイク」「全社員日報」「降格人事」である。

はじめに、ライフウェイクは本書のページでもご紹介しているものだが、弊社はチームメンバー全員でライフウェイクを活用して幼少期から現在までの人生を共有し、価値観や自身のルーツについて理解し合う機会を定期的に設けている。

新入社員からベテランまで、上司や部下を問わず全員で共有することで、チーム内に相互尊重が生まれ、感情移入がしやすい土壌づくりへとつながっている。

またライフウェイクで過去から現在までの人生を共有した後に、CDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)というシートを活用し、半年に一度、キャリア開発の目標を共有する場がある。

短期および中長期でどのようなスキルや経験を積みたいのかを共有することで、互いに能力開発のサポートをし合う体制をつくっている。

この取り組みは新卒およびキャリア採用においても活用されており、入社前に相互のフィット感をしっかりと確認することで入社後のスムーズなオンボーディングを可能にしている。

次に、「全社員日報」については、全社員が日報アプリを活用し、日報を作成、閲覧できるようになっている。もちろん社長や経営陣も含め、全員の日報がオープンになっており、全社員間で「いいね」や「コメント」が飛び交っている。

何を考えているかが分からないことで勝手に生じてしまう心理的な壁を「全社員日報」という自己開示とフィードバックの場によって壊している。

また弊社には一応役職があるものの、皮肉かジョーク以外では役職で呼ぶことはない。それも「全社員日報システム」によってコミュニケーションの心理的ハードルが下げられていることで成立している部分が大きい。

メンバーがコンサルティングワークで外に出ていることが多い環境下で、それぞれの心理的な距離感がとても近いのは、日報システムによる貢献が大きい。

最後に、「降格人事」である。昇格人事はもちろん重要であるが、「柔軟でフラットな組織づくり」という観点では、降格人事がより重要だと考える。

私は該当企業の組織システムが機能しているかを判断する際、成果が出なかったマネージャーが、ちゃんと降格させられているかどうかを確認している。

降格は本人にとっても上司にとっても気持ちがいいものではない。当人のモチベーションダウンだけでなく、退職のきっかけにもなるだろう。

一方、組織が一時的な感情や退職リスクを考慮して降格判断を適切に行わなければ、組織の代謝システムは次第に崩れていく。不要なポストを排除し、いびつな組織図を解消するためには、多少厳しくとも、基準に基づく公平なジャッジが必要である。

リブ・コンサルティングにももちろん昇降格基準があり、それにもとづいて半年に一度昇格者候補と降格者候補が抽出され、昇降格試験が実施される。

毎半期のように降格者が出ているが、本人も納得の結果であることが多く、それがきっかけで奮起することはあっても、退職するケースはほとんどない。

むしろ組織が成長や挑戦を前提にしていることで、チャレンジの結果、一定レベルの降格者が発生することが組織の不文律になっている。結果的に、降格者は「半年後にリベンジします」といった前向きな挨拶になり、周囲がそのリベンジをサポートする文化が形成されている。

さて、そろそろ筆をおくことにしたい。

8つのリアルケースおよび弊社の取り組みは成功事例ではなく、研究事例である。全ての組織がそうであるように、高い目標を追いかける限り、組織の課題は尽きることがない。従って普遍的な成功事例も万能薬も存在しない。

「良い状態」と「悪い状態」は表裏一体で絶妙なバランスの元に成り立っている。

だからこそ組織は面白いし、奥が深い。前向きに捉えるならば、どんなにどん底に思えるような組織でも必ず希望はある。私自身、奇跡のような組織の復活を何度も目の当たりにしてきたのだが、そのたびに組織や人の可能性を信じるようになり、使命感を強くしてきた。

この研究事例が組織変革の名医たちを増やし、組織の未来に光をもたらすきっかけになればこれ以上に嬉しいことはない。

2019年6月
株式会社リブ・コンサルティング常務取締役
権田和士

わたしもスキ…♥
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日本のCRO(Chief Revenue Officer)を支えるためのノウハウ、事例、インサイトを提供していくnoteです。全てのCROを目指すヒトのバイブルになることを目指し、毎週発信していきます。

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