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はじめての資金調達-元VCが教える投資家の頭の中のすべて

はじめまして、CROHack資金調達担当の船戸(@kimi_venture89)です。

普段はベンチャー企業の戦略立案、事業開発、新規事業などの支援をしています。前職では、独立系ベンチャーキャピタルでキャピタリストとして資金面からベンチャー企業を支援しておりました。多くの企業にとって売上を増加することが最重要課題だと思いますが、そのためにも資金はとても重要になります。
人を採用したり、プロダクトを開発したり、もちろんオフィスの家賃などなど。

いつものCROHackとは少し毛色が違いますが、会社のお金のことを書いていきたいと思います。

この記事は以下のような方におすすめです。
・これから起業しようと考えている方
・開業資金や事業資金の調達を検討している方
・「資金調達」というワードがキラキラして見える方
・就活生

-資金調達とは何をすることなの?

よくネットニュースで耳にする「資金調達」。
ベンチャー企業やスタートアップで働いている人には馴染みのある言葉だと思いますが、幸いCROHackには様々なキャリア(学生さん含め)の方が来てくださっているようなので、一から説明したいと思います。

企業が経済活動をおこなう上で手元に事業資金と呼ばれるお金が必要です。商品を仕入れたり、給料を支払ったり、家賃を払ったり、商品を売るために広告を出したり。

手元にお金が無いと企業活動が出来ないわけですが、ベンチャー企業には手元のお金が限られているケースがほとんどです。それは、まだ商品が多く売れておらず会社にお金が入ってこないからです。

だとしても、商品が売れるのをただ待っているだけではお金が無くなっていくばかりです。そのため、企業は売上という手段以外でお金を集めてきます。それが資金調達です。

資金調達は大きく、融資(デット)出資(エクイティ)の2種類に分かれます。

融資は銀行などの金融機関からお金を借りる(個人から借りるケースもあります)ことです。借りるということは返済する義務が発生します。

しかしながら創業間もなく、実績が少ないベンチャー企業に対してお金を貸すことは相当なリスクが想定されます。もし事業が上手くいかなければそのお金を返してもらえないかもしれない、と金融機関は考えるからです。

したがって、ある程度事業を継続させてから申し込まないといけません(もちろん、リスクの観点から金利を高く設定した上で融資を実行してくれる金融機関もあります)。

続いては出資について説明していきます。ベンチャーでいう資金調達は、この出資をイメージしていただけると基本的には大丈夫です。

出資は、企業の株式をある株価に設定し、それを引き取ってもらうことを言います(※厳密には引き受ける、ですが分かりやすく引き取る、と記載しました)。例えばA社が1株を100円で1,000株を準備しました。それをXさんが引き取ることになると、A社には10万円が入ることになります。これが資金調達ですね。
そして引き取ったXさんはA社の株式を1,000株持つ株主として、会社を所有する1人になりました。

ぜひ詳しい内容を知りたい方は、名著『起業のファイナンス』をお読みいただければと思います。

出資は融資と違い、返済義務がありません。そのため、「じゃあ融資より出資のほうが楽だね」と考えている起業家がたまにいますが、そのような考え方は絶対しないでください。

興味がある方はコーポレート・ファイナンスを学んで頂きたいのですが、投資家は融資よりも高いリターンを要求しますので、単純にリターンで見ると融資よりはるかに難易度が増します。それに株式の取得は結婚のように一度してしまうとなかなか解消をすることはできません。

自社に合った最適な資金調達をすることをおすすめします。身近の起業家仲間や税理士、会計士の先生など知見がある方に相談してみてください。

-投資家はどんな起業家にお金を出すのか

上の例では、Xさんが1株100円の株式を1,000株引き取ってくれました。Xさんはいわゆる投資家ということになります。
この章では、この投資家について見ていきましょう。
そもそも投資家は何故ベンチャー企業の株式を引き取るのでしょうか。

投資家の目的は、自分が運用している資金を最大化することです。そのために、まだ割安な、かつこれから大きく成長するであろう企業の株式を取得し、後々株価が高くなった時に(単純に株価の高低ではありませんが)それを売却することでその差額を利益として得ます。

そうすると、投資家は「この会社はこれから大きく成長する(今投資しておいて今後株式を売却すれば大きな利益を上げられる)」と思う企業に投資をすることがベストですよね。

では、そういう企業はどんな企業なんでしょうか。
もちろんこの答えがあれば皆が大金持ちになるので正解はありませんが、私がVCで働いていた経験や周りの方の話を聞くと以下のような点になります。

①起業家自身の理念・ビジョン
②該当する市場のポテンシャル(将来性、成長性)
③プロダクト・サービスの競争力

一つずつ見ていきますね。

まず①の理念やビジョン。
起業家が企業活動を通じて何を成し遂げたいか、を投資家はチェックします。起業家が描く未来が現実的に可能なのか、社会に受け入れられるものなのか、それに共感する優秀な仲間を集めることができるのか。

まだ創業間もなく、市場での認知もなく、お金もない、仲間もいないという「ないないづくし」の状態でいかに自分が描くストーリーを投資家に響かせるか、納得させられるかがとても重要な要素になります。

続いて②のポテンシャル。
全ての事業は〇〇業界のようにセグメントができます。その業界はこれからどのくらい大きくなるのか、その市場の中で自社はどれくらいのシェアを獲得できるのか。投資家がチェックするポイントです。

そして③のプロダクト。
創業間もないとまだ商品、サービスがない場合もありますが安心してください。あなたの理念ビジョンと、市場を考慮して「こういう商品、サービスを作ろうと思う。こういうメンバーがいて、いくらくらいあればいついつまでに作ることができる」ときちんと説明ができれば投資家に伝わります。投資家も、自身の知見や経験を活かして、そのサービスが市場にどう進出していくかを想像してジャッジすることができます。

ざっと投資家が見るポイントを説明してきましたが、いかがでしょうか。投資家によっては、自分たちの理念やポジショニングの観点から、投資したいジャンルを決めていることもありますが、3つのポイントを必ず押さえて説明をしてみましょう。

「ここがよくわからないな」「ここはこういうことかな」など話を聞いてみたいという方がいらっしゃいましたら、弊社でアドバイスすることも可能なのでご連絡いただければと思います。下の記事で資金調達に関する資料のDLが可能です。

-おまけ① 投資家が見る資料

メインテーマからはそれますが、投資家が投資を検討する際に起業家に対して資料の提出をいくつかお願いしています。投資家とのコミュニケーションをしてから、一から資料を作成しなければいけない方もいますので、どういった資料が必要なのか知っておいて損はないでしょう。

・履歴事項全部証明書(会社が本当に存在しているかの確認)
・直近の決算書
・株主名簿(反社の人がいないか)
・資本政策(とても重要 ぜひ別の記事で取り上げたいと思います)
・事業計画書(3年分)

-おまけ② 投資家って怖いの?ハゲタカの人たち怖そうだし…

Twitterやweb記事を見ていると、ベンチャー界隈は賑やかで、仲が良さそうな風に見えますが、その通りです!
しかしながら、投資家もいろんな方からお金を集めて運用しているためプロフェッショナルです。投資先企業が成長するために、耳が痛いことも言いますし、行動もします。

ベンチャー企業のお金周りについて書きたいことが多すぎてどこから書いていこうか悩んでいますが、いいねやコメントでぜひリアクションいただけると編集部内での私の存在感が増して、登場回数が増えると思います。

今後もどうぞよろしくお願いします。

■この記事を書いたひと
船戸公洋(ふなときみひろ)

元VCの経験を活かしベンチャーの事業開発を担当。決算資料マニア。



ありがとうございますーー!
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