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【保存版】営業のデジタル化の全貌<マーケティング・営業・CS>

-あふれる「デジタル化対策」と混乱

こんにちは、CROHackを運営しているリブ・コンサルティングの水谷です。

急速なデジタル化の波がきました。オンライン商談に切り替わったり、営業のマネジメントツールとしてSFAが導入されたり。あなたの会社でも、現場とマネジメントサイドの両方で、その対応に追われていることと思います。

しかし、デジタル化はしたものの、成果につながっていないという問題がでてきています。

デジタル化は、問題の原因がどこにあるのか、わかりにくくしています。マーケティングにあるのか営業にあるのか、現場にあるのかマネジメントサイドにあるのか。デジタル化は、顧客の購買行動、営業現場、マネジメントサイドのそれぞれで、いろいろな変数を一気に変え、原因の所在をわかりにくくしたのです。

しかも、その対策について詳述する記事はネット上で星の数ほどあり、もはや対策の方は原因以上に混迷を極めているといえるでしょう。私が働くリブ・コンサルティングのクライアントにも、混乱されている企業様が多くいらっしゃいます。

そこで今回は、お隣のマーケティング分野も視野に入れつつ、営業分野におけるデジタル化による変化と問題点、対策の全貌を整理してみたいと思います。

オンライン化・デジタル化の波が来て、それがどのような変化をもたらしたのかは何となくわかる。しかし、営業がうまくいかなくなったメカニズムや対策が見えず混乱している」という、経営者・事業部長・営業部長の方のお役に立てれば幸いです。

-問題のメカニズムと対策の全体像

まず営業の視点を超えて、カスタマージャーニーという視点から、デジタル化の流れによる問題状況を確認してみましょう。

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❶顧客がネットを使って自力で情報を集めることが多くなり、流入ポイントが後退したことで、マーケ分野がカバーすべき領域が拡大
❷同時に、ネット上に情報が溢れることにより、関連分野に興味を持った層が自社の情報に触れる前に離脱
❸コロナの影響もあり、顧客からリモートでの面談を求められることも増え、営業現場がオンライン化

問題❸に対して、現場のオンライン会議ツール導入やオンライン商談教育ももちろん行う必要がありますが、問題❶❷の対策なくしては、リード獲得の時点でつまずいてしまう状況といえるでしょう。これについては、マーケ部門、カスタマーサクセス部門も含め、3つの方向性があります。

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① マーケ部門
広告出稿やSEO、リマーケティングなどによって序盤の離脱を防ぎつつ、導線設計などに一貫性を持たせて、以前は営業の役割だった「ソリューション選定基準の明確化」も含めて担うことを目指します。

② 営業部門
マーケ段階で離脱した層を狙って精度高くターゲティングします。
手軽に入手できるようになった企業情報を利用することで、関心段階にある離脱層にリーチできるため、打率高くテレアポを行うことが可能です。情報過多状態のネットの世界で戦うことなくリードを獲得し、そこから営業をかけて囲い込んでいくことを目指します。

③ カスタマーサクセス部門
丁寧なカスタマーサクセス活動を行うことで、獲得した貴重な顧客のクロスセル・アップセルを行ってLTVを向上したり、そこから紹介を獲得したりすることを目指します。

今回は営業部門に関心のある方に向けた記事なので②がメインの内容となりますが、営業が直面しているものと同じ問題状況に対して、マーケ部門やカスタマーサクセス部門も上記のような動きを取っていることは認識しておきましょう。

-現場とマネジメントの対策について

ここからは、デジタル化の影響が特に大きい「営業ツール」「商談トーク」対策について、組織としてできることを述べます。その上で、営業の組織化・システム化のお話をしていきます。(なお、ターゲティングはリスト作成ツール・サービスを利用すれば簡単にでき、テレアポはむしろこれまで以上にやりやすくなるので、ここでは省きます。)

-現場のオンライン化への対策

まずは現場レベルで起きている変化について見ていきましょう。
訪問営業が減り、商談の場所が顧客のオフィスから自社のパソコンの前へと変化しているのは公然の事実です。Zoom等のオンライン会議ツールを使ったことがないという人も、もうかなり少数派になったのではないでしょうか。

シンプルに訪問営業からオンライン営業になったことで難しくなったのは、面談序盤に行う関係構築です。互いに雰囲気や反応が見づらい中で、自己紹介や世間話は、以前ほどスムーズにはいかなくなりました。自己紹介シートの利用や照明の工夫など、世の中の記事であふれているTipsレベルの知識が活きるのが、ここだといえるでしょう。最低限のTipsについては現場に展開し実践できるようにしておきましょう。こういったTipsを知らない、できていない営業員は思った以上にいるはずです。細かい話になるので本紙面では省きますが、ご興味のある方は資料をご参考ください。

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-潜在ニーズの掘り起こしへの対策

そして、より本質的に大きく変わったのは、営業担当者がオンラインツールではなく、そのシナリオです。前述の通り、営業がカバーしなければならない領域が、お客様の購買プロセスの川上の方へとグンと前進しました。これにより、営業は顕在化した課題を聞き出してソリューションを充てればよかった以前の営業スタイルに留まるのではなく、潜在ニーズを掘り起こさなければならなくなりました。ここに難しさがあります。

これについて、精度を向上させていくための考え方が「コマーシャルインサイト」というものです。ざっくりまとめると、「自社商品について、顧客が大事だと思っているものに大きな影響を与えるソリューションだと認識してもらう」というゴールから逆算した営業シナリオを組むための思考法です。
以下のリンク先に詳述しているので、「コマーシャルインサイト」という言葉でピンと来なかった方はぜひ後ほどこちらの記事を読んでいただければと思います。

-現場の難易度上昇に対する組織的対策

さて、上記対策を行っていくにあたり、特にコマーシャルインサイトの難易度は高く、現場だけでは対応が難しいといえます。これについては、2つの組織的な対策が重要です。

A)シナリオの標準化
コマーシャルインサイトに基づいた営業シナリオを組織で用意し、標準化しましょう。作り方は、先ほどご紹介した記事に詳述してあります。

B)商談の細分化
商談とは、顧客との合意形成の連続です。上記シナリオで顧客との合意形成が必要な項目を切り分け、1つずつ合意形成を進めましょう。それに合わせて商談も10分の電話ヒヤリングや30分のオンライン面談に細分化することで、1回あたりの商談の難易度を下げることができます。

-マネジメントのシステム化

とはいえ、上記のような精緻な営業をするには、もはや現場への丸投げは不可能です。同時に精緻なマネジメントを要します。そしてご存じの通り、それを実現する際に大きな力を発揮するのがSFAです。実際に、SFAを導入された企業様も多いのではないでしょうか。

しかし一方で、多くの企業様がこのSFAの活用で苦労されているというのが現実です。なぜでしょうか。

マネジメントサイドが行うことを大きく分けると、KPI設定進捗管理(進捗の可視化)の2つです。

SFAが実現できるのは後者の進捗管理の部分で、これだけでは事足りません。その前提になるKPI設定が必要です。SFAをうまく活用できていない企業は共通して、このKPI設定ができていない傾向があります。

KPI設定と進捗管理(進捗の可視化)は、営業組織の共通言語を設定するということに等しいことです。しかし、多くの企業はこれができていません。

あなたの会社でも共通言語化、可視化ができていますでしょうか。それとも営業がブラックボックスになっているでしょうか。ここがブラックボックスだとしたら、SFAが活用できないのも当然です。アナログでも管理できていなかったものがデジタル化により露呈しただけだといえます。SFA活用のためにも、まずはKPIを設定しましょう。
詳しい方法論についてはこちらの記事に書いているので、後ほどご覧ください。

この記事の内容をざっくりまとめると、営業の本質を顧客との関係構築と見た上で、その関係構築の段階について共通言語化しようというものです。組織として一般的な顧客との関係構築を段階分けして、各段階の定義と次の段階に行くために必要な行動をKPIとして整理し、共通言語化するというものです。

共通言語ができれば、それに沿ってシステマチックに営業の進捗を管理できるようになります。
細分化した商談の回ごとに関係構築段階を上げる目標を設定しましょう。そして、その結果・進捗を毎回上司に報告し、上司がフィードバックを行うという形をとりましょう。各顧客へのネクストアクションが明確になります。

営業のマネジメントのためにSFAを導入することは非常に重要ですが、その活用に課題があるのであれば、まずはその素地となる共通言語化ができているかどうかを振り返ってみてください。

-各施策の全体像のまとめ

以上、デジタル化が営業に与えた影響・問題・対策をまとめ、薄い興味をもった段階の顧客に営業がアプローチを行い、顧客化していく方向性について深掘りを行いました。

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デジタル化による問題状況は、現場の営業がオンライン会議ツールを利用するようになったというだけでなく、顧客行動の変化に紐づく根深いものだということがお分かりいただけたと思います。
そして営業部門の対策としては、現場に工夫を求めるだけでなく、組織としてそれを助けるオンライン営業Tips展開・標準シナリオづくり・共通言語づくりとセットで行っていく必要があるということも、ご認識いただけたと思います。

あらためて現場・マネジメントそれぞれでまとめると、行うべきことは以下のようになります。

1)現場
オンライン商談システムへの対策 → オンライン商談Tips

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オンライン商談のシナリオの対策 → コマーシャルインサイト

2)マネジメント
現場の難易度上昇への対策 → 上記標準シナリオの作成、商談の細分化
組織的なPDCA → SFAの導入、そのための営業の共通言語化

-最後に

以上が全体像ですが、とはいえ具体的に自社の課題がどこにあるかは、イメージが湧く方とそうでない方がいらっしゃると思います。一度そのあたり、ヒヤリングさせていただきつつ、私たちとディスカッションすることも可能です。ぜひお気軽にお問合せください。


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